コーポレート・ガバナンス

1. コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

 日本化薬グループは、企業ビジョン KAYAKU spirit を実現するために、株主、投資家の皆様へのタイムリーかつ公正な情報開示、チェック機能強化による経営の透明性の確保が重要な課題であると認識しています。
 当社は、取締役会の合議制による意思決定と監査役制度によるコーポレート・ガバナンスが経営機能を有効に発揮できるシステムであると判断しており、今後も、コーポレート・ガバナンスの拡充・強化を経営上の重要な課題として取り組んでまいります。

コーポレートガバナンス基本方針 コーポレート・ガバナンス報告書 スキル・マトリックス

2. コーポレートガバナンス体制

 当社は、監査役制度採用会社です。また、当社は、事業環境の変化に迅速に対応し、柔軟な業務執行を行うために「執行役員制度」を導入し、経営の「意思決定・監督機能」と「業務執行機能」の役割を明確に分離し、それぞれの機能を強化して適切な意思決定と迅速な業務執行を行っています。

取締役会(月1回開催)

 経営の意思決定を迅速に行うために、取締役の定員を10名以内とし、業務執行に関する重要事項について、法令・定款の定めに則った取締役会規程に基づいて決定を行うとともに、監督機能の一層の強化に努めております。第166期事業年度は、経営戦略、事業計画、財務戦略、決算関連、人事関連を中心とした審議、及び事業領域の戦略や全社重要課題の取組と進捗の確認を中心に議論しました。取締役会は、2023年6月28日現在、代表取締役社長の涌元厚宏を議長とし、渋谷朋夫、井上佳美、石田由次、明妻政福、川村茂之、太田洋(社外取締役)、藤島安之(社外取締役)、房村精一(社外取締役)、赤松育子(社外取締役)の取締役10名で構成されており、うち4名が社外取締役であります。また監査役である町田芽久美、和田洋一郎、東勝次(社外監査役)、尾崎安央(社外監査役)、若狭一郎(社外監査役)の5名(うち3名は社外監査役)が出席し、取締役を兼務しない役付執行役員3名がオブザーバーとして出席しております。

指名・報酬諮問委員会

 取締役等の指名・報酬等に関する手続きの公正性、透明性、客観性を強化し、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るため、取締役会により選定された3名以上の取締役(その過半数は独立社外取締役)で構成され、取締役会の諮問に応じて、取締役および監査役の選解任、代表取締役の選定・解職、取締役および監査役の報酬(報酬体系等)、その他取締役会が必要と認めた事項について審議し、取締役会に答申します。

サステナブル経営会議(週1回開催)

 経営及び業務執行に関する重要な事項について審議し、または報告を受け、審議事項については、サステナブル経営会議構成員が審議を尽くした上で議長である社長執行役員が決定しております。サステナブル経営会議は、2024年4月1日現在、社長執行役員の涌元厚宏を議長とし、渋谷朋夫、井上佳美、石田由次、明妻政福、川村茂之、島田博史、井上晋司、武田真、加藤康仁の役付執行役員10名で構成されております。またオブザーバーとして常任監査役である町田芽久美が出席しております。

執行役員会議(四半期に1回開催)

 取締役会で選任された会社の業務執行を担当する執行役員(25名以内)で構成し、社長が議長を務め、取締役会及び社長から委任された業務の執行状況その他必要な事項について報告しております。執行役員会議は、2024年4月1日現在、社長執行役員の涌元厚宏を議長とし、渋谷朋夫、井上佳美、石田由次、明妻政福、川村茂之、島田博史、井上晋司、武田真、加藤康仁、川村勉、吉岡乾一郎、藤田卓三、湯屋秀之、加藤芳則、清柳正幸、児玉聖一郎、赤谷宜樹、永井祐子、犬伏敦郎、前田繁、加々谷重英、青野雅子、久保山剛、税本敦也、石井一彦、末續肇、小林修一の執行役員28名で構成されております。またオブザーバーとして社外取締役4名、監査役5名が出席しております。

経営戦略会議(年2回開催)

 取締役会で決議された当社グループの基本方針、経営戦略など経営全般に関する重要事項を経営幹部に情報伝達し、周知徹底を図っております。

監査役会(月1回開催)

 監査役会規程に基づき、独立した立場から取締役の職務執行の監視、監督を行っております。監査役会は、2023年6月28日現在、常任監査役の町田芽久美を議長とし、和田洋一郎、東勝次(社外監査役)、尾崎安央(社外監査役)、若狭一郎(社外監査役)の監査役5名で構成されており、うち3名が社外監査役であります。

各委員会

 コーポレートガバナンス体制の一環として、以下の委員会を設置、定例および必要に応じて開催し、内部統制の整備を行っています。

1. 倫理委員会(年2回開催)

 社長の指名を受けた役付執行役員を委員長とし、本社各事業本部、各部の代表者から構成され、「日本化薬グループ行動憲章・行動基準」の遵守に関する方針、具体策を決定するとともに、相談事案、発生事案の対応と再発防止策を検討、決定しています。

2. 危機管理委員会(年2回開催)

 社長の指名を受けた役付執行役員を委員長とし、本社各事業本部、各部の代表者から構成され、日本化薬グループの企業経営、事業活動が甚大な損害を被るリスクの未然防止、緊急事態発生時の対応、収束後のダメージ修復活動等の危機管理体制を構築管理しております。

※上記以外に、職務権限規程を定め、会社の業務組織、業務分掌、管理監督職位の権限と責任を明確にし、業務の組織的かつ能率的運営を図るとともに、責任体制を確立しています。

3. 監査

内部監査

 当社は、不正・誤謬の未然防止、業務改善、資産の保全等のコーポレート・ガバナンスの強化に資するために、内部統制システムの構築の基本方針に従って社長直轄の組織として監査部を設置し、サステナブル経営会議で承認した年度監査計画に基づき、国内外のグループ会社を含む全部門を対象として業務監査を実施しております。監査部はその監査結果を代表取締役、監査役及び監査役会に速やかに報告しております。内部監査を担当する監査部の人員は8名であります。
 監査役と監査部は3ヶ月に1回定期的に情報交換する等、意思疎通を図り、情報の収集と監査の実効性、効率性の向上を図っています。監査部J-SOX担当とは、さらに年間2回のJ-SOX評価に関する報告会を開催しております。また、監査役と内部統制推進部コンプライアンス、リスクマネジメント担当とも3ヶ月に1回定期的な情報交換会及び連携を図っております。
 監査役は、会計監査人が作成した期首の監査計画書の受領、期中の意見交換、期末棚卸時の立会い等を通じて会計監査人と意思疎通を図るとともに、会計監査人から四半期ごとのレビューおよび期末決算の監査結果について報告及び説明を受けています。監査役は、内部監査部門である監査部が年度監査計画に基づき実施した監査ごとに作成する監査報告書を受領しております。
 会計監査人と監査部J-SOX担当は、定期的に情報交換を行って連携を図っています。
 以上のように、監査役、会計監査人及び内部監査部門の三様監査部門は相互に連携をとり、監査の実効性、効率性の向上を図っています。

監査役監査

 当社の監査役会は5名(うち、2名は常勤監査役、3名は社外監査役)で構成され、監査役会議長は常任監査役が務めています。
 各監査役は、期首の監査役会で定めた監査方針、監査の方法、監査計画及び監査役の職務分担に基づき、取締役会等その他重要会議への出席、重要書類の閲覧、業務執行状況の監査等を通じ、独立した立場から取締役の職務の遂行状況の監視、監督を行っています。
 常勤監査役は、経営会議等の重要な会議に出席し、主要な部門、事業所、グループ子会社に対する往査、ヒアリング、議事録ほか重要書類の閲覧を通して経営状況や取締役、執行役員の業務執行について監査を行っています。非常勤監査役は、監査役会に出席してこれらの監査の状況の報告を受けるほか、往査への同行、内部監査部門の監査部並びにコンプライアンス、リスクマネジメント担当部門の内部統制推進部との情報交換会に適宜参加して助言するなど、必要な意見の表明を行っています。

会計監査

 当社監査役会は、「会計監査人の解任または不再任の決定の方針」及び監査役会が定めた「会計監査人の評価及び選定基準」に従って会計監査人を毎年評価し再任の適否について決定しています。この結果、会計監査人として、EY新日本有限責任監査法人を再任いたしました。

4. 社外取締役および社外監査役

 当社は社外取締役および社外監査役を選任するための独立性に関する基準を定め、当社からの独立性を判断しています。

社外取締役

 当社は、経営の透明性の向上、コーポレートガバナンス体制の強化を図るため、社外取締役を4名選任しており、4名とも東京証券取引所に独立役員として届け出ています。
 社外取締役は、取締役会等重要会議に出席し、適宜意見を述べるとともに、経営戦略会議(年2回)への出席を通じて当社経営の監督にあたっています。

社外監査役

 当社は、監査役全体(5名)の過半数にあたる3名の社外監査役を選任しており、3名とも東京証券取引所に独立役員として届け出ています。
 社外監査役は、取締役会等重要会議に出席し、適宜意見を述べるとともに、経営戦略会議(年2回)や代表取締役との懇談会への出席を通じて当社の経営方針を含む経営全般の状況を把握、理解しています。また、常勤監査役から社外監査役に対して、経営会議の内容、実地監査の結果等について、適宜概要説明を行っています。
 これらを通じて各監査役が独立した立場から監査を実施しており、経営の監視機能の面では十分に機能する体制が整っていると判断しています。

5. 取締役および監査役の報酬等

 当社では、2006年8月30日に開催された第149回定時株主総会において、取締役の固定報酬(現在の基本報酬)限度額を年額3億6千万円以内、賞与金(現在の業績連動賞与金)限度額を年額2億円以内と決議しています。また、2021年6月25日に開催された第164回定時株主総会において、取締役(社外取締役を除く。)に対する譲渡制限付株式に関する報酬として支給する金銭報酬債権の総額を年額1億円以内と決議しています。
 取締役の報酬に関する事項について、その妥当性と決定プロセスの透明性を確保するため、取締役会の諮問に応じて、委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会の審議・答申を踏まえて、取締役会の決議により決定します。
 取締役の報酬は、当社の企業ビジョン KAYAKU spirit の実現に向けて、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を図るインセンティブとして十分に機能するとともに、優秀な人材確保の観点から競争力ある水準の報酬体系とします。具体的には、業務執行取締役の報酬は、基本報酬およびインセンティブ報酬(業績連動賞与金・株式報酬)により構成し、業務執行から独立した立場にある社外取締役の報酬は、基本報酬のみとします。
 業務執行取締役の基本報酬額は、代表権の有無や担当職務等の客観的な各要素に対する基準となる金額の合計額によって定め、月例の金銭報酬として支給します。
 個々の業務執行取締役の業績連動賞与金は、期初に設定した連結営業利益および自己資本当期純利益率(ROE)の目標値の達成度等を基準として、担当する部門の業績、中長期重点課題目標の達成度合等を加味してこれを算出し、毎年、事業年度終了後の一定の時期に金銭で支給します。なお、個人別の業績連動賞与金の額については、取締役会の委任を受け、代表取締役社長が、株主総会決議の限度額の範囲内でこれを決定することができるものとします。
 株主との価値の共有を図り、中長期的な企業価値および株主価値の向上に対する貢献意欲を引き出すため、業務執行取締役に対し、一定の譲渡制限期間の定めのある譲渡制限付株式を毎年、一定の時期に付与します。付与する株式報酬に相当する金銭報酬債権および付与する株数は、役位、職責、株価等を踏まえて決定します。 
 業務執行取締役の種類別の報酬の割合については、概ね基本報酬(60%)、インセンティブ報酬(40%)とし、役位、職責等を踏まえて決定します。
 監査役の報酬は、取締役の職務の執行を監査するという職責に鑑み、基本報酬のみとしており、個々の監査役の報酬額は、株主総会で承認された報酬総額の範囲内において監査役の協議によりこれを決定しております。

役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数(2022年度)

6. 内部統制体制

 当社は、取締役会において「業務の適正を確保するための体制」の構築の基本方針を制定しています。この方針に基づき、社内規程の整備、必要な組織の設置など体制の整備を実施しています。

内部統制システム概念図

7. コンプライアンス

 当社は、コンプライアンスを企業の重要な課題として捉え、ISO26000(組織の社会的責任ガイダンス規格)を踏まえた内容の「日本化薬グループの行動憲章・行動基準」を制定しています。また2019年3月期には、コンプライアンスを最も重要なマテリアリティの一つとして特定しました。企業活動を行う上での基本原則であるコンプライアンスを徹底し、従業員への研修などを通じてコンプライアンス違反を未然に防止することで、公正な事業運営を遂行します。また、2022年3月期までに腐敗防止に関する基本方針を整備し、高い倫理観を持つ風通しのよい企業風土を維持・強化してまいります。

【重要課題】コンプライアンスの徹底(サステナビリティ)

日本化薬グループ行動憲章・行動基準

 当社は、2000年4月に行動憲章・行動基準を制定し、社会良識に基づくより良い企業市民となるべく活動してきました。2011年に KAYAKU spirit 実現のための「道しるべ」として、「日本化薬グループ行動憲章・行動基準」として改めて制定し、2020年に改定を行い当社グループ全体に周知徹底しています。
 当社グループのすべての役員・従業員は、この「日本化薬グループ行動憲章・行動基準」を主体的に尊重し、行動の「道しるべ」とすることで、KAYAKU spirit の実現に向け、今まで以上に倫理感の高い風通しの良い企業文化・組織風土を育み、健全で質の高い経営を目指しています。

日本化薬グループ行動憲章・行動基準(会社情報)

8. リスクマネジメント

 当社は、危機管理体制の構築、危機発生時の対応および再発防止策の立案を行うため、危機管理委員会を設置しています。また、危機管理委員会規程および危機管理マニュアル、BCP マニュアルなどを制定し、リスクの発生を回避するとともに、発生した際の損失を最小限に抑えるための総合的なリスクマネジメントを行っています。
 リスクマネジメント統括部門として、内部統制推進部リスクマネジメント担当を設置し、危機管理委員会の運営や、危機管理を要する全社的なリスクを把握し、リスク毎の責任部署を設定するなど、個別リスクの予防・回避を図っています。また、日本化薬グループのすべての社員を対象としたリスクマネジメント教育や、社長をはじめすべての役員が参加する「BCP のシミュレーション訓練」を毎年実施するなど、リスク管理に関する教育・訓練を定期的に実施しています。さらに、監査部によるリスクマネジメントに関する監査を行っています。

リスクマネジメント(サステナビリティ)

9. 財務報告の信頼性確保

 当社は、財務報告の信頼性を確保するための体制の整備と運用状況の評価を担当する部門として監査部J-SOX 担当を設置しています。定期的に財務報告の信頼性を確保するための体制の整備・運用状況を評価するとともに、代表取締役に評価結果の報告を行っています。

10. 情報開示に関する考え方

 当社は、すべてのステークホルダーから信頼され、社会に必要とされる存在であり続けるために、株主・投資家をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様に、タイムリーかつ公平・公正な情報開示を行っています。
 情報開示委員会を設置するとともに、ディスクロージャーポリシーを定め、適時開示情報伝達システム(TDnet)、当社ウェブサイト、報道機関への情報提供などを通じた、公平・公正な情報開示に努めています。

株主・投資家の皆様とのコミュニケーション

 当社は、株主・投資家の皆様との間で建設的な対話を促進し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上につなげることを目指しています。このような考えに基づき、IR担当役員を株主・投資家の皆様との対話全般の統括責任者とし、主管部署であるコーポレート・コミュニケーション部が社内関連部署と連携して、決算説明会等を定期的に開催するなど、株主・投資家の皆様との対話の実現に努めています。
 また、株主・投資家の皆様との対話に際しては、一部の方のみにこれを提供することがないよう情報管理の徹底に努めるとともに、対話において把握された意見等を定期的に経営幹部に報告しています。

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