私たち日本化薬グループは、“世界的すきま発想。” でニッチでも突出した技術によって付加価値の高い製品を開発し、世界になくてはならない企業を目指しています。持続可能な社会の実現に向けて最良の製品・技術・サービスを提供することで、社会課題の解決に貢献します。
「PARASAFE®」(以下PARASAFE)は、産業用ドローン向け緊急パラシュートシステムです。不測の事態でドローンが落下しそうになった時に、パラシュートを射出して、降下速度を減速し、衝突の衝撃を小さくします。日本化薬グループは自動車エアバッグの火薬やガス発生器をグローバルに供給しており、PARASAFEには高い信頼性を実現する自動車安全部品と同じ技術を使っています。PARASAFEを利用することにより、安全、安心なドローンの利用が可能になります。
PARASAFEとその活用には、創業時から受け継ぐ火薬安全技術や自動車安全部品事業で培ったノウハウ、そして新たに取り組む専門技術を結集しています。
以上のように空をビジネスとしたドローンの活用範囲が急速に増えております。
併せて安全性の確保においては最も重要な要素であり対応が必要となります。
ドローンの実用化によってさまざまな作業を短時間で効率的に終えることができるようになり、一層利便性の高い社会が実現すると予想されますが、どんなに飛行の信頼性が高い場合においても、万が一の落下のリスクを軽視することはできません。
Mox140Gは140kVという高電位で動作可能で、かつ小型、軽量で携帯可能なX線源です。携帯型X線後方散乱イメージングに理想的な構成となっており、特に国境警備や空港警備などのセキュリティ市場において用いられています。
テロ攻撃や不法移民の増加、国境警備や空港警備などでのセキュリティソリューション展開の増加、麻薬密輸の増加などにより、セキュリティ検査装置の需要が高まっています。
セキュリティ市場では、バックパック、車のシート、タイヤ、外装金属パネルなど、さまざまな物体を透視することが求められます。厚い物体や、鉄などの重い元素でできた物体をX線後方散乱で透視するためには、より高いエネルギーのX線を放出できるX線源が必要になります。高いエネルギーのX線を放出するためには、X線源は高電位で動作する必要がありますが、高電位のX線源は装置が大型化する傾向があります。一方で、小型、軽量で携帯可能なX線源は検査する場所の制限を大幅に緩和することができます。Mox140Gは携帯可能な大きさ、重量でありながら140kVという高電位で動作できるため、セキュリティ市場において大きなアドバンテージを有しています。
違法な資金、麻薬および武器の取引を大幅に減少させ、テロリズムを含むあらゆる形態の組織犯罪の根絶に寄与しています。
モクステックでは、X線蛍光分析装置にとって重要なパーツである「高性能で耐久性の高いX線源」、「X線透過率が高く耐久性にも優れた窓材」、「価格競争力のある検出器」を提供しています。
環境汚染物質(重金属等)の規制など社会生活での安全に関心が高まっています。鉱物リサイクリングを目的としたスクラップ選別現場、土壌検査現場では、「持ち運びの良さ(軽い)」「検査が瞬時に終わる」ことが重要です。
一般的な用途には、石油と燃料、プラスチック、ゴムと繊維、医薬品、食品、化粧品とボディケア製品、肥料、地質材料、鉱業用飼料、スラグ、セメント、耐熱材料、ガラスの分析が含まれます。また、汚染固形廃棄物、排水、洗浄液、プール、フィルターの監視用途に用いられ、更に、鉱物などのマテリアルソーティングでも、高速かつ精度の高い選別を行うことができます。ベンチトップからハンドヘルドまで環境に応じて検出器の選択も可能です。研究室、施設内、または屋外、様々な現場で幅広く利用されています。
物体にX線を当てると、物体を構成する元素に固有なエネルギーのX線が戻ってきます。X線検出器はこれら戻ってきたX線のエネルギーから物体を構成する元素を分析します。この元素分析法は個体、液体、気体のいずれにも使用可能であり、日常的な分析に使用される手法の1つです。
モクステックはX線蛍光分析装置にとって重要なパーツである、高性能で耐久性の高いX線源、X線透過率が高く耐久性にも優れた窓材、価格競争力のある検出器を提供しています。軽量小型なX線源であるハンドヘルドのマグナム、厳しい環境にも優れたDuraCoat技術を誇る窓材、カスタマーフレンドリーなXPIN検出器が、環境モニタリング、マテリアルソーティングなどに用いられています。
迅速な元素分析により、私たちが住む環境を分析し、より暮らしやすい地球環境に貢献します。リサイクル材料の選別のために、より速くより多くの材料を選別します。モクステックは地球にやさしい環境のために、さらに高性能なパーツを追求し、提供します。
色素材料事業では、パッケージ市場に向けて、安全で環境にやさしい高品質なインクジェット水系顔料インクの開発に取り組んでいます。
現在の印刷業界は、さまざまな課題を抱えています。例えば、昨今の印刷業界での主流であるアナログ印刷において、印刷版の作成・洗浄工程で大量に使用される有機溶剤や化学物質により引き起こされる環境や安全への影響も、課題となっています。
これらの課題に対し、解決策の1つとして、印刷版が不要で、オペレーションが容易な印刷のデジタル化シフトが進んでいます。
加えて、在庫の削減、廃棄物の抑制、作業環境の改善も期待されています。
色素材料事業ではプライマーレス(前処理剤を使用しない)で、非吸収メディアに直接印字できる、画期的な水系顔料インクの開発を行っています。
従来の水系顔料インクを非吸収メディア(PETフィルム、OPPなど)に直接印字する場合、インクがメディア表面でにじんでしまい、画像をきれいに印字することができませんでした。その課題を解決するために、プライマー(前処理剤)を使用し、メディア上にインク受容層を作る必要がありました。
一方、当社開発のインクは、オンデマンド印刷を得意とするインクジェット印刷において、前処理を不要とすることで、より短い工程で加工することができ、エネルギー使用量の削減などに貢献することができます。
さらに、水をベースとしたインクであるため、インクの乾燥時に発生する揮発性有機化合物(VOC)を大幅に削減することができます。フィルムなど非吸収メディア用のインクは、溶剤をベースとしたものが多く、濃度の高いVOCが環境や作業者の安全に与える影響が問題となっていました。このVOCを削減することで、作業者の安全や環境保全とも調和したソリューションを提供することができます。
また、インクジェット印刷は、現行のフレキソ印刷などと比較し、発色性・画質の面で劣るとされてきました。しかしながら、印刷機器メーカーと協力して開発したインクは、技術的に難しいとされてきた非吸収メディア上でのきれいなドット形成を可能とし、インクジェット印刷においてフレキソ印刷と同等以上の発色性・高画質を実現しています。
水をベースとした設計により、作業者の安全と環境保全に大きく貢献することができます。
また、パッケージ市場に対し、在庫の削減、廃棄物の抑制に対応しやすいインクジェットの優位性を生かして、ジャストインタイム(「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」つくる生産方法のこと)の実現に貢献します。
触媒事業では、水素エネルギー社会の実現に貢献する触媒の開発に取り組んでいます。
異常気象による大規模災害が発生・増加しています。石油や石炭などの化石燃料を消費することで発生する二酸化炭素などの温室効果ガスが増え続けたことによる地球温暖化が進んでいることが原因といわれています。こうしたなかで求められているのが、温室効果ガスを排出しない新しいエネルギー源の開発です。
近年、水素は燃焼しても地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しないことから、クリーンなエネルギー源として注目されており、自動車向け燃料電池や発電など様々な用途へ安定した供給が期待されています。
触媒を使って水素を製造する方法としては、水蒸気と触媒が共存する反応場に太陽光を集光・集熱させることで水を熱化学的に分解する、環境に優しい方法に着目しています。この方法は、太陽光という再生可能エネルギーを利用できるとともに、立体的な反応場によってスケールメリットを生み出せる特徴があります。
2021年10月には、これまで培った技術を活用して開発した水素製造用触媒の試作品を、パイロットプラントに提供することができました。パートナーとともにこのプラントで実際に水素製造を行い、2024年度中に経済性等の初期データの取得を終える予定です。得られた初期データを基にしてスケールアップ、商業化検討を進め、2025年以降の実用化を目指しています。
また水素製造に使う触媒のほか、飛躍的に保管容積を縮小することによって、効率的な貯蔵・運搬・取出しを可能とする水素キャリア用の触媒開発を検討しており、水素エネルギーシステム全体にわたって、触媒事業の基盤技術を活かせる領域を探索しています。
水素は利用時に二酸化炭素を排出しないエネルギー源として、地球温暖化対策に大きく貢献することができます。また、水素はさまざまな資源から製造・調達ができるため、エネルギーの調達先の多様化を実現し、エネルギーの安全保障にも寄与します。
アグロ事業では、持続可能な農業生産に寄与するため、バイオスティミュラント資材の取り扱いを開始しました。
世界の人口は増加傾向が続いていますが、耕作可能な土壌面積は限られることから、このままでは一人当たりの食糧の生産量は間違いなく減少していくと予測されています。また、地球温暖化等に起因する気候変動は農業の生産効率を下げ、さらに資材価格高騰の動きも重なり、ますます食糧確保が脅かされると危惧されています。これらを解決に寄与する資材として、今「バイオスティミュラント」が注目されています。
バイオスティミュラントは、栄養素とは異なる経路で植物の生理に作用し、干害・冷害・塩害・物理的障害(雹や風などの害)などの「非生物的ストレス」への抵抗力を増強して、結果的に収量増や品質改善を実現する農業資材です。具体的には、海藻抽出物、アミノ酸資材、腐植酸等がバイオスティミュラント資材として挙げられ、これらは栄養吸収の促進、光合成の活性化、開花・着果の促進等の効果が期待されます。アグロ事業では、得意とする評価技術・製剤化技術が効力の最大化に寄与し、バイオスティミュラント資材の一層の進歩・普及に役立てられると考えています。
バイオスティミュラントは作物や土壌環境などが本来持つ力を引き出し、農薬や肥料などの過剰投入を低減する効果が期待されることから、作物生産現場における環境への負荷低減や生態系の保全に貢献します。