環境マネジメント

方針・基本的な考え方

日本化薬グループの環境への取り組みは、地球環境保全への貢献としてKAYAKU Vision 2025 のサステナビリティ重要課題の一翼を担うものであり、レスポンシブル・ケア方針に掲げた目標を重点課題として推進しています。その活動は、国内外の環境に関連した法令や規則ならびに合意した協定等を遵守し、製品の開発や製造工程、事業活動等で発生する環境リスクを想定しながら、環境負荷の低減と汚染の予防、省エネルギー、気候変動、省資源、廃棄物削減等に配慮したもので、地球環境保全に貢献する全社的な取り組みです。

体制

環境マネジメントシステムの認証取得状況

日本化薬グループでは、環境管理の国際規格であるISO14001の認証取得継続を進めており、環境に配慮して製品の開発・製造を行い、サービスを提供しています。
環境マネジメントシステム・1SO14001については1998年から認証取得を開始し、日本化薬では国内7工場すべてにおいて、海外グループでは7社で認証を取得しています。日本化薬グループでは、今後も海外を含むグループ会社において、ISO14001の認証取得の検討を進めていきます。

指標

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サステナビリティ
重要課題
目指す
SDGs
アクションプラン 重要指標(KPI) 2025年度
到達目標
実績 2023年度
取り組みに関するトピックス
2022年度 2023年度
エネルギー消費量と温室効果ガス排出量の削減

排水および廃棄物の削減

水資源利用の効率化
安全な水とトイレをみんなにエネルギーをみんなに そしてクリーンに産業と技術革新の基盤をつくろうつくる責任つかう責任気候変動に具体的な対策を
  • 省エネルギー・地球温暖化対策活動を推進し、2030年度環境目標を達成する
  • 2050年度カーボンニュートラル達成に向けた課題の抽出と戦略を明確化する
温室効果ガス排出量
(Scope 1+2)
(2030年度達成目標)
70,598トン以下(2019年度比46%以上削減)
(2023年度達成目標)
115,715トン以下
108,301トン 103,031トン
  • MFCAの推進および太陽光発電PPAモデルを順次導入した。
  • 廃棄物発生量は2022年度と比較し約24%減少した。
  • 環境問題に配慮した製品・技術の開発状況は以下の通りである。
【セイフティシステムズ事業】
 軽量化シリンダー型インフレータ・グリーンプロペラントMGGの開発。
【ポラテクノ事業】
 生産工程改善、製品設計改良による廃棄物および排出処理エネルギーの削減を推進。
【機能性材料事業】
 航空機向けをターゲットとしたCFRP/GFRP用熱硬化樹脂について、展開可能性のある開発品を実機評価。
 バイオ由来原料を使用した高耐熱・高信頼性熱硬化樹脂の開発。
【色素材料事業】
 産業用インクジェット(コート紙用、軟包装用)の開発。
 感熱用ノンフェノール顕色剤の拡販。
 PLA(生分解性)繊維用染料の上市および拡販。
【触媒事業】
 水素製造用触媒の共同研究を推進。
 マテリアルズ・インフォマティクス技術を活用した原料使用量削減および目的物収量向上に寄与する触媒の開発。
 バイオ原料からプロピレンなどの基礎化学品を製造するための触媒開発。
【医薬事業】
 環境に配慮した包装への取り組みを開始。
VOC排出量 (単)実績を開示 (単)38.7トン (単)32.9トン
COD排出量 (単)実績を開示 (単)171.8トン (単)210.9トン
廃棄物発生量 (単)実績を開示 (単)27,621トン (単)20,885トン
リサイクル率 (単)80%以上 (単)85.0% (単)83.8%
ゼロエミッション率 (単)1%以下 (単)0.8% (単)0.68%
SBTに批准した目標設定と具体的施策の検討・実施 進捗状況を開示 CDP(気候変動)でA-評価を獲得
Scope 3算定精度向上を実施
中期環境目標を1.5℃水準に改定
TCFD提言に沿った情報開示 進捗状況を開示 情報開示済み 情報開示済み
環境問題に配慮した製品・技術の開発推進 進捗状況を開示 トピックスに掲載 トピックスに掲載

中期環境目標と実績

日本化薬グループでは、2021年度より新たに中期環境目標を設定し、環境保全活動をスタートしています。
2℃水準の中期環境目標では、「地球温暖化防止」の分野で温室効果ガスScope 1+2排出量の項目(2030年度に2019年度比で32.5%以上削減)の実施対象をグループ会社(連結)まで拡大しスタートしました。そのような中、近年、世界で深刻化する環境問題とカーボンニュートラルの実現に向けた動きが活発化する中、日本化薬グループは、中期環境目標を1.5℃水準に改定し、事業活動で排出する温室効果ガス排出量(Scope 1、2)を2030年度までに46%削減し(2019年度比)、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指します。この項目に関連して、日本化薬グループは2022年3月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同しており、今後もTCFD提言に沿って温室効果ガス排出量の削減状況だけでなく、気候変動に関わるリスクと機会など、持続可能な循環社会構築に向けた取り組みの情報を積極的に開示してまいります。
「化学物質排出量削減」の分野では、VOC排出量およびCOD排出量はともに目標数値は定めず実績報告としています。VOC排出量は昨年度から減少し、COD排出量は生産品目の変遷に応じて増加しています。
「廃棄物削減」の分野では、廃棄物発生量を目標は定めず実績報告とし、リサイクル率(容器リユースを除く)を80%以上、ゼロエミッション率は1%以下に目標設定して取り組んでいます。2023年度の廃棄物発生量は各工場・事業場で廃棄物の分別と削減の取り組みの継続の結果、昨年度よりも減少しています。さらにリサイクル率とゼロエミッション率については、継続して各事業場でリサイクル化を促進し、環境負荷低減の取り組みを継続して進めた結果、リサイクル率およびゼロエミッション率ともに目標を達成するだけでなくさらに向上する結果となりました。

中期環境目標に対する結果の推移

中期環境目標に対する結果の推移

分野 対象範囲 項目 目標値 2020※1 2021 2022 2023
地球温暖化防止※2 連結 温室効果ガス・Scope 1+2※3排出量 2030年度目標:
70.6千トン以下(2019年度比46%以上削減)
(参考:2023年度基準):
115.7千トン以下
118.2千トン
(10.0%削減)
112.5千トン
(14.2%削減)
108.3千トン
(17.5%削減)
103.3千トン
(21.5%削減)
化学物質排出量削減 単体 VOC※4(揮発性有機化学物質)排出量 (実績報告) 33.3トン 52.1トン 38.7トン 32.9トン
COD※5排出量 (実績報告) 122.6トン 124.2トン 171.8トン 210.9トン
廃棄物削減 単体 廃棄物発生量 (実績報告) 25,153トン 28,424トン 27,621トン 20,885トン
リサイクル率(容器リユース除く) 80%以上 81.6% 82.3% 85.0% 83.8%
ゼロエミッション率※6 1%以下 1.6% 1.0% 0.8% 0.7%
  • ※1上越工場を含む。なお2020年度までの旧中期環境目標において上越工場はスコープ外。
  • ※22030年度までの中期環境目標:2019年度(131.2千トン)比で32.5%以上削減(88.3千トン以下)
  • ※3Scope 1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、製造プロセスからの排出等)。
    Scope 2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出。
  • ※4VOC(Volatile Organic Compounds)の集計には、政令(PRTR法)で報告対象となっている化学物質以外に、日本化学工業協会で指定されている化学物質も含む。
  • ※5COD(Chemical Oxygen Demand):化学的酸素要求量、水中の物質を酸化するために必要とする酸素量で、代表的な水質の指標の1つ。
  • ※6ゼロエミッション率:日本化薬では廃棄物発生量全体に対する内部および外部埋立量の割合として定義。

事業活動におけるマテリアルフロー(2023年度)

事業活動におけるマテリアルフロー(2023年度)
  • 下記注意書きのないものは国内外連結値
  • 日本化薬単体

原材料使用量

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種別 対象範囲 単位 2020 2021 2022 2023
主原料 単体 トン 36,614 47,583 44,211 40,707
副原料 単体 トン 16,581 18,529 17,026 12,512
包装資材ープラスチック系 単体 トン 194 266 389 180
包装資材ー段ボール系 単体 トン 415 529 480 395
包装資材ーその他 単体 トン 461 489 470 434
合計 単体 トン 54,266 67,396 62,576 54,227
  • 商品は含めない(工場へ入庫した物品)

エネルギー投入量

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指標 対象範囲 単位 2019 2020 2021 2022 2023
エネルギー投入量(熱量換算) 連結 GJ - - - - 2,062,661
再生可能エネルギー 連結 GJ - - - - 7,601
非再生可能エネルギー源 連結 GJ - - - - 2,055,060
  • 国内外の事業活動において消費した、燃料、熱、電気等を対象とし、電気使用量を熱量に換算する際、電気事業者からの買電を1MWhあたり8.64GJ、太陽光等の再エネは3.6GJにて換算している。

取り組み

LCA(ライフサイクルアセスメント)の利用

日本化薬グループでは製品の研究開発から生産、流通、販売、リサイクル、廃棄に至るまでのライフサイクル全体に渡り、環境・健康・安全の維持と改善に努めています。
当社グループの製品・サービスがライフサイクル全体を通じて地球環境にどのように影響し、あるいは貢献ができるのかを評価・分析し、その価値を可視化できるよう設計する試みを進めています。
この活動の一環として、現在当社製品毎のCO2排出量(製品CFP)の算定を推進しています。製品CFPを算定することにより製品毎の環境負荷を把握できるだけでなく、顧客製品のLCAを算定する際の精度の向上を図ることができます。現時点では一部の製品群での算定を進めていますが、将来的には全製品の製品排出を実施できるよう、算定のシステム化などの検討を進めます。

法令違反実績開示

日本化薬グループでは、環境法令違反や事故等の発生防止に努め、発生した場合は速やかに対策を講じる体制を整えています。2023年度は日本化薬グループ全体で環境に影響を与える事故や法規制違反および水質や水量に関する事故や規制違反はありませんでした。また、罰則や罰金などの適用はありませんでした。

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指標 対象範囲 単位 2019 2020 2021 2022 2023
環境関連法規制違反件数 連結 0 0 0 0 0
環境事故件数 連結 0 0 0 0 0
法規制違反、環境事故に関する罰金、罰則のコスト 連結 0 0 0 0 0
サステナブルな未来をつくる製品・技術
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