知的財産戦略と方針
KAYAKU Next Stage の重点テーマである「知的付加価値の創造・提供」を推進するため、知的財産部では「事業価値の最大化のための知的財産の確保と新事業、新製品開発の指針となる提言、情報提供」をミッションとして掲げ、ありたい姿として重点的に取り組んでいます。


研究開発本部 知財財産部長 椚瀬 彰
Voice!:~新事業・新製品の創出に向けて~
新事業・新製品の創出への貢献のため、 IP-ランドスケープを駆使することで、知的財産部のありたい姿を実現できると考えています。
具体的には、開発戦略・事業戦略と一体化した知財戦略の構築、自社知的財産の最大化、 自社・他社コア技術の解析や顧客重要予測などの応用を進めています。
2021年6月には、コーポレートガバナンス・コードが改訂され、人的資本・知的財産などの投資の状況の開示が推奨されるなど、知的財産を巡る環境も大きく変化しています。公表するべき内容は、「企業がどのようなビジネスモデルで価値提供とマネタイズを実現するのかという戦略的な意思の表明」※となります。このような要請は、知的財産を長期的投資戦略の一環として重要視するものです。知財・情報マネジメントは新事業・新製品の創出で次世代の日本化薬グループを支えるばかりでなく、投資市場をはじめ社会からの要請にも対応できるものと考えています。
※令和3年7月13日知的財産戦略本部 知的財産推進計画2021より。
知財トピックス:特許調査へのAIの導入
特許調査にAIの一分野であるテキストマイニングを導入し、主に次の2つの課題に取り組んでいます。
① 特許情報のスクリーニング業務の効率化
既存事業の継続・推進のために、他社の権利を侵害することなく自社の優位性を確保する特許情報のスクリーニングは不可欠です。しかし、膨大な特許情報の取り扱いには、多大な経営資源(人と時間)を投入する必要があります。そこで当社は、テキストマイニングによる効率的なスクリーニングシステムを構築しました。スクリーニング業務が軽減され本来の研究開発を促進する大きな効果が見られ、その成果は外部シンポジウムで発表し、論文化されました。
② 新規事業や新規用途の創出
テキストマイニングによって、特許情報などのビッグデータをマップや共起ネットワーク、グラフなどに見える化し、容易に解析ができる手法の開発を行っています。これらによる俯瞰的・客観的根拠の提示によって、新規事業の選択肢の増加や新しいアイデアの発掘など知の創出に繋げます。本手法を活用し、研究所と連携しながら様々な事例に取り組んでいきます。
