【サステナビリティ重要課題】
雇用の維持・拡大と人材育成

方針・基本的な考え方

多様性の考え方

当社は、企業ビジョンであるKAYAKU spiritのもと、幸せやうれしさを提供できる会社となるためには、多様性や多様な意見・発想が受け入れられる職場風土が重要だと考えております。当社は、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がい、民族、肌の色、文化、思想、信条、政治的見解、性的指向などの多様性を認め、尊重し合い、組織の多様性を重視しています。さらに、当社で働くすべての従業員が採用、昇進・昇格、処遇、教育などの機会を均等に得られる仕組みを通じて、多様性の確保に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、多様な人材を確保し、その多様性を認め合い、自由闊達な議論を促進することで働きやすく働きがいのある職場風土を醸成して、従業員のエンゲージメントを高めていきます。

体制

日本化薬ではKAYAKU spiritの実現を目指し、その行動主体であるすべての従業員が自信と誇りを持ってそれぞれの役割と責任を果たしていけるよう、年齢や性別、学歴にこだわらない職務配置と処遇を可能にした人事制度を導入し、制度として定着しています。また、企業にとって、競争優位性を確保するためには、多様な人材が各々の能力を最大限発揮できる機会の創出が必要であり、そのためには、経営陣を支える企業の中核人材たる管理職においてもその多様性が確保されることが極めて重要です。当社では、女性や中途採用者等でも自発的にチャレンジできる管理職の登用制度を導入しており、今後も継続して中核人材の多様性の確保と育成に努めます。

指標

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サステナビリティ
重要課題
目指す
SDGs
アクションプラン 重要指標(KPI) 2025年度
到達目標
実績 2023年度
取り組みに関するトピックス
2022年度 2023年度
雇用の維持・拡大と人材育成、人権尊重 ジェンダー平等を実現しよう働きがいも経済成長も人や国の不平等をなくそう平和と公正をすべての人に
  • 多様な人材の採用と効果的な人材配置および交流により、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する
  • 継続的な人材育成により、ものづくり技術力の継承・強化と人材のグローバル化を図る
女性管理職比率 (単)10%以上 (単)9.0% (単)8.8%
  • 女性管理職向けの研修や、キャリア支援の研修への参加を促し、管理職へのチャレンジを推進した。
  • 業務の切り出しから就業環境の整備までを含めて専門家による支援を取り入れ、障がい者雇用促進と職域拡大に取り組んだ。今後は、将来的な法定雇用率アップも見据えて、活躍領域の拡大、定着支援体制の確立など、障がい者が活躍できる環境整備を進める。
障がい者雇用率 (単)法定雇用率達成 (単)1.98% (単)1.93%
従業員一人当たり教育研修投資額 (単)実績を開示 (単)83,002円/人 (単)76,565円/人
従業員一人当たり教育研修時間 (単)実績を開示 (単)14.9時間 (単)17.7時間
  • 2024年度末の目標値

取り組み

研修体系

企業の主体は「人」です。ものづくりを通じて世界の人々に価値を提供する、その営みの原動力は「人」に他なりません。創立100年を越え、次の100年の日本化薬を担う人材の育成に取り組みます。

研修プログラム

職種別、階層別、従業員に応じたさまざまな研修プログラムが用意されており、多くの研修プログラムを通じて、次世代を担うための優れた人材の育成を図っています。

研修プログラム
研修

必修プログラム

新入社員、入社1年後、3年後、5年目、中堅社員に向けて職務能力に応じた職種別・階層別に研修を行っています。役割や能力の変化を認識し実践につなげ新たな一歩を踏み出せるよう支援しています。

自主選択プログラム

多彩な自主選択プログラムが整備され、個々の従業員特性や職種に応じた、職務遂行のためのビジネススキルや問題解決能力の向上など自己研鑽を支援しています。

次世代経営者育成プログラム

次世代のリーダー、次世代経営者候補および上級管理職候補を対象とした選抜プログラムにより次世代経営者の育成を目指します。

日本化薬グループでは、2000年に日本化薬経営スクールを開設し、次世代の経営を担う人材を発掘・育成しています。
2023年度は、各事業領域と一般管理部門から23名が選抜され、参加しました。日本化薬経営スクールは毎月1回、常務以上の役付役員や社外取締役の講義、ワークショップ研修、受講生個人のレベルや必要スキルに合わせてカリキュラムを組んだウェブ講義などを通じて、約1年間かけて経営の視点を学びました。

名称 日本化薬経営スクール
(通称 NBA:Nippon Kayaku Business Academy)
目的 未来洞察力や戦略&シナリオプランニングを通じた経営戦略策定の実践力など、企業経営に必要なスキルを身につけさせるとともに、KAYAKU spiritを礎とした経営者マインドを醸成し、次世代の日本化薬グループ経営幹部候補を育成する。
対象 30~40代の管理職
監修 経営企画部、人事部
涌元社長講義
涌元社長講義
太田社外取締役講義
太田社外取締役講義
教育研修体系図
選抜プログラム

人事部主催研修一覧(2023年度)

必修プログラム
名称 内容 日数 受講人数
新入社員研修 新卒採用者を対象とした導入研修
社内ルール、事業概要、ビジネススキルの教育
13 88
入社1年後研修 業務遂行能力の向上と自律的にキャリアを歩むための課題確認および行動計画の策定 10 87
入社3年目研修 業務遂行能力の向上と組織の中核として、常に成果を生み出だすためのキャリア開発計画の策定 6 61
キャリア・プレゼンテーション 入社以来の自身のキャリアを発表し、同期およびその他の社員と活発な議論を行う 2 25
入社5年目研修 主体性を高める手法、影響力の発揮の仕方を学び今後の自身のキャリア形成に活かす 2 26
コミュニケーションスキル強化研修 中堅社員として、組織内で業務を能動的に進めるために必要とされるコミュニケーション能力の向上を図る 3 17
中堅社員研修 中堅社員としての役割と変化に主体的に取り組む重要性を認識し、今後の自身のキャリア開発に活かす 4 66
通年採用者向け人事研修 中途採用者を対象とした導入研修
社内ルール、事業概要の教育
1 20
自主選択プログラム
名称 内容 日数 受講人数
対人対応力向上セミナー 相手のスタイルに合わせたコミュニケーションスキルの習得 2 15
問題解決力向上研修 的確な判断や問題解決を行うために必要な合理的な思考プロセスの習得 3 15
マーケティング研修 マーケティングのフレームワーク、分析手法の習得 2 19
ロジカルコミュニケーション研修 論理的思考による情報伝達スキルの向上 2 19
経営シミュレーション研修 経営指標の理解と会社経営のプロセス習得 3 14
次世代経営者育成プログラム
名称 内容 日数 受講人数
ビジネスリーダー養成コース 企業家精神に溢れ、近未来を見通して行動する変革型リーダーの育成 3 20
新任管理職研修Part1 新任管理職を対象とした導入研修
役割と求められる能力・知識の習得
2 43
新任管理職研修Part2 新任管理職を対象とした導入研修
マネジメント・コミュニケーションの習得
2 42
日本化薬経営スクール(隔年で実施) 次世代の経営幹部候補が対象
未来洞察力や戦略&シナリオプランニングを通じた経営戦略策定、企業経営に必要なスキルの習得と経営者マインドの醸成
12 23
上級管理職候補(隔年で実施) 将来の上位管理職候補が対象
リーダーシップ、事業管理力、経営リテラシー等を学ぶ
4 -
  • 2023年度は未実施
人材育成
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指標 対象範囲 単位 2019 2020 2021 2022 2023
正社員一人当たり研修時間 単体 時間 - 14 13 15 17.7
総研修時間 単体 時間 - 29,156 27,092 31,045 37,465
正社員一人当たり教育研修投資額 単体 76,122 35,706 66,606 83,002 76,565

人事評価制度

日本化薬の人事評価制度の基盤となるのが「業績評価」です。「業績評価」は全従業員を対象に、まず年度初めに各従業員が担う役割と責任に応じて職務を設定します。職務を遂行する中で、年度ごとの業務目標を上司との面談により設定し、1年間でその遂行を目指し業務に就きます。半期に1回「期中成果目標達成度」について上司と進捗状況を確認します。年度が改まり次第、上司との面談で1年の業績を振り返り評価を決定し、次年度の目標を設定します。評価は賞与に反映します。
管理職を除く従業員の人事評価制度は「業績評価」「チャレンジ評価」「プロセス評価」の3つで構成されています。「チャレンジ評価」は自主的に設定した目標の達成度を評価し、「プロセス評価」は目標の遂行にあたりその過程を評価します。
会社の成長と自己の成長につなげることにより、会社の成長と従業員一人ひとりの自己実現を一致させ、また目標の達成度だけでなくプロセスを評価することで、業務に対するモチベーションを上げ従業員のエンゲージメントを高めることを目指しています。

キャリア支援

日本化薬では激変する経営環境変化に柔軟に対応するため、要員の補充が必要な職場とその職場で働く積極的な意志と能力を持つ従業員のマッチングにより適材適所な要員配置を行い業績向上につなげることを目的に社内公募制度を導入しています。
意欲ある従業員に対し挑戦の機会を設けることで従業員のキャリア自律を促進し、従業員のキャリア支援、ワークエンゲージメントの向上にもつなげています。

多様な人材の活躍支援

女性の活躍推進

女性の管理職登用は、ダイバーシティの推進に向けた取り組みの結果であると捉えています。女性管理職向けの研修や、キャリア支援の研修への参加を促し、管理職へのチャレンジを推進しています。全管理職に占める女性の割合は2024年3月末時点では、8.8%(前年度9.0%)となっています。2024年度末に女性管理職比率10%達成という目標に向かって、今後も取り組みを加速していきます。

女性管理職比率
全従業員の活躍推進に向けた取組

障がいのある方の活躍支援

日本化薬では障がいを有する方の雇用にも取り組んでおり、2023年6月時点で、障がいを有する方45名を雇用(障がい者雇用率1.93%)しています。2023年度は厚狭工場と東京研究事務所で、採用から採用後の定着支援まで、コンサルタント会社から総合的なサポートも受けながら、障がい者雇用率向上に向けた取り組みを開始しました。
社会的には、積極的な雇用が要請されていることから、特別支援学校との連携(協働)等により知的障がい者の継続的採用を実施するなど、法定雇用率の確保は元より、障がいを有する従業員が働きがいを感じ、活き活きと能力を発揮できる環境の整備と、職域の開拓・拡大に継続的に取り組んでいきます。

障がい者雇用率
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指標 対象範囲 単位 2019 2020 2021 2022 2023
障がい者雇用率 単体 % 1.97 1.90 1.99 1.98 1.93
(法定雇用率) % 2.2 2.2 2.3 2.3 2.3
  • 各年6月1日時点でのデータ

定年到達後再雇用者(シニアパートナー)の活躍支援

2006年4月より、定年到達者の再雇用制度として「日本化薬シニアパートナー制度」を導入しています。この制度は定年到達後も心身ともに健康で、働く意欲がある方が、これまで培ったキャリアやノウハウを十分発揮し、活躍していただくことを目的とした制度です。ご本人より勤務地、職務内容、勤務形態に関する希望を聴取していますが、制度導入以来、再雇用希望者のほぼ100%が希望通りに再雇用され、ほとんどの方が65歳まで活躍されています。

定年退職者再雇用
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指標 対象範囲 単位 2019 2020 2021 2022 2023
定年退職者再雇用 単体 61 42 22 29 30
定年退職者再雇用率 単体 % 89.7 95.4 84.6 85.2 85.7

グローバルな人材の交流

ダイバーシティ推進の1つとして、日本化薬グループの日本人従業員だけでなく、海外グループ会社の現地スタッフが、よりグローバルな環境下で活躍できるよう取り組んでいます。グローバル人材育成プログラムとして、若手の語学力のボトムアップや中堅社員のグローバル業務推進力を強化する研修、語学力の向上や異文化適応力の向上を図ることで、グローバルな視点を持って活躍できる人材の育成に努めています。また、教育研修だけでなく海外グループ会社と日本拠点との人的交流を積極的に支援し、さまざまな国の文化やビジネス環境を経験するためのサポート体制を充実させています。

TOPICS:セイフティシステムズ事業部の取り組み

セイフティシステムズ事業部の海外売上比率は70%を超えており、今後はより一層、海外と関わる機会の増加が予想されます。2023年からは、グローバルマーケットで活躍できる人材を育成するために、海外グループ会社の人材を日本に迎え入れています。グローバルな事業環境における戦略思考、組織運営、プロジェクトにおける主要業務の経験を計画的に積むとともに、語学コミュニケーション力および異文化対応力の習得を目指しています。
日本では海外ビジネスの現場の声を聞くことができ、海外グループ会社の人材は、本社の価値観や業務プロセスの理解、さらに人的ネットワークを構築することができ、帰国後、日本と海外グループ会社を繋ぐ人材として活躍しています。
今後も、幅広い層の従業員が利用できる効果的な国内外の研修プログラムを充実させていく方針です。

セイフティシステムズ事業部の取り組み

各事業場での取り組み

モビリティ&イメージング事業領域
KMY研修生来場

セイフティ本社工場では、カヤク セイフティシステムズ マレーシア(KMY)の研修生を受け入れています。施設と製造の技術習得を目的に研修を行います。現在、シリンダー型インフレータはセイフティ本社工場で生産していますが、マレーシアの製造拠点へ設備投資と技術移管を行い、グローバル供給体制を確立して需要の見込まれる市場をターゲットに取り組む予定です。

姫路工場 KMY研修生来場
道場(DOJO)教育の定着

セイフティシステムズ事業部では、2018年度からセイフティ本社工場内の道場にて従業員の教育・訓練を行っています。
道場には、安全・品質のルール(守るべきこと)と禁止事項(やってはいけないこと)を分かりやすく掲示しています。また、機材を揃え、「静電気」「指差呼称」等の体感教育を行っています。
さらに、現場作業者から現場監督者(中間層)のレベルアップを図るべく、ベテラン従事者が指導員となって、製品・工程の知識のみならず、実践教育も混じえながらさまざまな教育をしています。
また、セイフティシステムズ事業部の海外子会社の道場とも連携を取り、事業部全体のレベルアップを図っています。

道場(DOJO)教育の定着

データ

サステナブルな未来をつくる製品・技術
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