水資源の保全

方針・基本的な考え方

水資源は限りある重要な資源であり、持続可能な利用と保全は世界的な課題となっています。日本化薬グループでは、水は化学製品の製造をはじめとする事業活動を支える不可欠な資源であると同時に、地域社会や生態系と共有する重要な資源であると認識しています。
当社グループは、世界12の国と地域で事業を展開しており、各拠点において水資源の状況や地域特性に配慮しながら、水の効率的な利用と適切な管理に取り組んでいます。水使用量の削減、リサイクルの推進、水質管理の徹底などを通じて、環境負荷の低減と水資源の保全に努めています。
また、渇水や洪水、水質汚染の影響による物理的リスク、水規制の強化や水価格の変動などの外部環境の変化が事業に及ぼす可能性も認識しており、これらのリスクに適切に対応できる体制の整備にも取り組んでいます。
今後も、事業活動と水資源の持続可能性の両立を図りながら、社会全体の水課題の解決に貢献していきます。

体制

取り組み

水ストレス地域の把握

日本化薬グループは、水資源の利用に関するリスクを把握し、より効果的な対応につなげていくため、世界資源研究所(WRI)が開発した水リスク評価ツール「Aqueduct」を用いて、当社グループの工場が立地する地域の水ストレス状況を調査しました。
水ストレスレベルが「高~中」と比較的高い化薬(湖州)安全器材については、中央環境安全衛生診断を定期的に実施する計画を策定し、水資源管理が適切に行われていることを確認しています。今後は、水ストレスが高い地域に立地するすべての工場で同様の確認を進めるとともに、将来的には水使用量の削減計画の策定を進めていきます。

日本化薬グループ製造・研究開発拠点の水ストレスに関する調査結果(2025年度)※1

こちらの表は横にスクロールしてご覧いただけます。
地域・国名 単位 水ストレスレベル別の水使用量
高~中 中~低
アジア 日本 千m3(拠点数) 0 1,451(2) 20(3) 8,257(5) 0
中国 千m3(拠点数) 20(1) 436(3) 0 0 0
マレーシア 千m3(拠点数) 0 0 0 0 24(1)
欧州 チェコ 千m3(拠点数) 0 20(1) 0 0 0
オランダ 千m3(拠点数) 0 0 0 0 3(1)
イギリス 千m3(拠点数) 1(1) 0 0 0 0
北中米 アメリカ 千m3(拠点数) 65(1) 0 0 2(1) 0
メキシコ 千m3(拠点数) 8(1) 0 0 0 0
合計※2 千m3(拠点数) 94(4) 1,907(6) 20(3) 8,259(6) 27(2)
  • ※1Aqueduct Water Risk Atlasを使用し調査しています。
  • ※2四捨五入の関係で、各項目の和と合計が一致しないところがあります。

水管理計画と削減

日本化薬グループにとって、水資源は製品の製造プロセスを支える重要な経営資源の一つです。当社グループでは、水資源の有効活用と環境負荷の低減を両立する観点から、各事業場において、水使用量の把握・モニタリングを行い、工程改善やリサイクルの推進、排水管理の徹底などの取り組みを進めています。
また、当社では2024年度以降、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の考え方に基づくLEAP分析を実施し、水資源への依存度および影響度の観点から、重点的に管理すべき「マテリアルな地域」を特定しました。
今後は、水ストレスリスクの高い拠点を中心に、水使用量削減および水利用効率の向上に関する具体的な目標設定を進めるとともに、継続的なモニタリングと改善を通じて、水資源管理の高度化を図ります。これにより、持続可能な水利用の実現と事業の安定的な成長の両立を図ります。

各事業場の取り組み

福山工場
使用水量削減に向けた取り組み

福山工場では、色素の生産工程で排出される廃水を工場内で処理し、その処理水を瀬戸内海に放流しています。福山工場では2000年からインクジェットプリンター用色素を生産しており、生産に伴って排出される廃水の処理法の改善に力を入れ、生産銘柄に合わせた個別の処理の実施や、低環境負荷のための生産工程の変更を数多く検討してきました。
これらの活動の成果が実り、工業用水契約水量を24,000m3/日から、2015年には23,000m3/日、2018年度には22,000m3/日へと段階的に削減してきました。現在、さらに廃水の処理法に磨きをかけることで、生産量が増加する中でも工業用水契約量を変更することなく生産しています。また、工業用水だけでなく、上水道も生産工程や設備洗浄工程で使用していますが、こちらの削減にも取り組んでいます。

カヤク セイフティシステムズ ヨーロッパ
雨水を活用する設備の導入

カヤク セイフティシステムズ ヨーロッパ(以下、KSE)は、環境保護を推進するための設備投資活動の一環として、雨水を効果的に利用するための貯水タンクシステムを2017年より導入し、750.5 m3相当のタンクを設置しています。雨水や、製造工室内の湿度管理のための空調から出る水を、飲用以外の用途に用いることで、水資源の利用の効率化だけでなく費用の削減にもつなげています。
気候変動の影響でチェコでは降水量の減少が大きな問題となっている現在、水の再生利用はとても重要です。2020年度以降の年間貯水量はKSEのすべての従業員とその家族(約4,000人)が年間で使用する飲料水量を上回っています。KSEではこのプロジェクトを通じて持続可能な社会の実現に貢献していきます。

雨水を活用する設備の導入
指標 対象範囲 単位 2021 2022 2023 2024 2025
貯水量(計画) KSE m3 5,040 5,040 5,040 5,040 5,040
貯水量(実績) KSE m3 7,234 6,802 7,786 7,043 6,830
効果額 KSE 万円 411 335 428 477 536
カヤク セイフティシステムズ デ メキシコ
使用水量削減に向けた取り組み

カヤク セイフティシステムズ デ メキシコ(以下、KSM)は、環境保全へのコミットメントの一環として、工場地域での利用可能な水量の問題を解決すべく、水資源利用の改善活動を開始しました。KSMでは、水は主にラボの設備や容器の洗浄や製造工程で使用されます。

指標 対象範囲 単位 2022 2023 2024 2025
水使用量 KSM m3 15,762 12,792 8,892 7,866
水使用量の削減量 KSM m3 - 2,970 6,870 7,896
水使用量の削減率 KSM - 19% 44% 50%
効果額 KSM 万円 - 63 146 167.9
  • 基準年2022年度比

CDP開示(水セキュリティ)

日本化薬グループは、企業の気候変動リスクに関する情報公開プログラム CDP に 2020年から回答しています。2025 年に実施された CDP の質問書に対する回答の結果、気候変動レポートにおいて A スコア、水セキュリティレポートにおいて A- スコアを得ています。

関連データ

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