リスクマネジメント

方針・基本的な考え方

企業を取り巻く事業環境は日々変化しており、複雑かつ不確実性が高まる中、多種多様なリスクに直面しています。日本化薬グループは生産体制の維持、原材料の適正確保、災害対策の強化により事業継続性を確保することで、事業に関わるさまざまなリスクの顕在化を未然に防止し、リスクによる影響の最小化を図ります。
災害等の緊急事態の発生から「目標期間内に事業を復旧する」ために、本社、各事業部や工場においてBCPマニュアルを制定するとともに、海外事業場のBCPマニュアルの整備を推進しています。

体制

日本化薬グループは、リスクの顕在化を未然に防止し、リスクによる影響を最小化するためにサステナブル経営会議の専門委員会として「危機管理委員会」を設置し、年2回(必要があれば随時)開催しています。
危機管理委員会は、社長の指名を受けた役付執行役員を委員長とし、各事業領域企画部および事業領域に属さない一般管理部門の各部の代表者から構成され、日本化薬グループの企業経営、事業活動が甚大な損害を受けるリスクの未然防止、緊急事態発生時の対応、収束後のダメージ修復活動等の危機管理体制を構築・管理しています。危機管理委員会で議論された内容のうち、重要な事項はサステナブル経営会議および取締役会に報告されフィードバックを受けています。

危機管理委員会

目標と実績

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指標 2028年度目標 2035年度目標 対象範囲
リスク評価完了率 100% 100% 連結
リスク対応計画策定率 100% 100% 連結
リスク対応実施率80%未満の件数 10件未満 0件 連結
内部監査指摘事項の是正率 100% 100% 連結
リスク管理プロセス遵守率 100% 100% 連結
リスク管理研修受講率 100% 100% 連結

取り組み

リスクの未然防止

「事業領域リスクコントロール活動」と「TOP5リスクコントロール活動」

日本化薬グループは重要なリスクを特定し、コントロールするために「事業領域リスクコントロール活動」と「TOP5リスクコントロール活動」を以下の通り年間を通じて実施しています。
「事業領域リスクコントロール活動」は、3つの事業領域、研究開発部門と本社管理部門を対象としています。各事業領域、各部門で事業運営の視点から事業活動に大きな影響を与えるリスクを抽出し、対応策を検討します。
「TOP5リスクコントロール活動」は、工場・研究所などの国内全事業所と海外を含めたグループ会社を対象としています。現場である各事業場の視点から特に重要なリスクを5つ抽出し、対応策を検討します。
各事業領域および各事業場で特定したリスクと対応策は、危機管理委員会の事務局である内部統制推進部へ報告します。内部統制推進部では網羅的にリスクの傾向を把握・分析し、重要なリスクとその対策は危機管理委員会での議論を経て決定され、サステナブル経営会議および取締役会へ年2回進捗および活動を報告しています。

事業等のリスク

連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があると経営者が認識する主要なリスクは、以下の通りです。各リスクについては、影響度および発生頻度を「大・中・小」の3段階で評価しています。なお、本記載はすべてのリスクを網羅するものではなく、記載された項目以外のリスクについても、将来的に当社グループの事業、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
緊急時においては、危機管理委員会を立ち上げ、グループとして迅速かつ適切に対応できる体制を構築しています。
(緊急事態発生時の対応と危機管理体制の構築・管理についてはこちらをご覧ください。)

事業等のリスク

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主要リスク リスク内容 対応方針 影響度 発生可能性
サプライチェーンリスク 原材料調達の停滞、物流の混乱、特定サプライヤーへの依存により供給が不安定化する。 調達先の多元化、在庫の最適化、サプライヤーリスク評価の強化により供給安定性を確保する。
競合リスク 国内外競合との価格競争および技術競争の激化により収益性が低下する。 差別化製品の開発、コスト競争力の強化、事業の選択と集中により競争優位性を確立する。
研究開発リスク 研究開発投資が期待通りの成果を創出できない、または市場投入が遅延する。 開発テーマの選択と集中、ステージゲート管理の徹底、外部連携の推進により開発効率を高める。
市場ニーズの変化 技術革新や顧客ニーズの変化により既存製品の競争力が低下し、需要が減少する。 顧客の潜在ニーズも踏まえた開発の強化、環境・高機能材料分野への重点投資により製品競争力を維持・向上させる。
為替リスク 為替相場の変動により、海外売上の円換算額や輸入原材料コストが変動し、業績に影響を及ぼす。 通貨分散、海外現地生産の推進による自然ヘッジ、価格・コスト管理により影響を抑制する。
景気リスク 世界経済や特定市場(自動車・半導体等)の変動により需要が減少し、売上低下および収益悪化を招く可能性がある。 事業ポートフォリオの多様化、成長分野への資源配分、固定費構造の最適化により景気変動耐性を高める。
災害リスク 地震・火災・事故等により生産拠点の操業停止や供給断絶が発生し、顧客供給および収益に影響を及ぼす。 BCPの高度化、複数拠点生産体制の構築、安全設備の強化および定期的な訓練の実施により影響最小化を図る。
地政学リスク 国際紛争、貿易規制、経済制裁等により原材料調達および製品の輸出入が制約される。 調達先・販売先の分散、在庫戦略の見直し、各国規制のモニタリング強化により影響を抑制する。
知財リスク 特許侵害や訴訟、技術流出により、競争優位性の低下を招く可能性がある。 知財ポートフォリオの強化、他社特許調査の徹底、機密情報管理の高度化によりリスクを低減する。

当社グループでは、財務的影響の観点に加え、環境・社会に対する影響の重要性の観点からリスクおよび機会の識別を行っております。非財務領域に関する重要なリスクについては、見直しを行ったマテリアリティにおいて体系的に整理しており、その内容および対応方針については、「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」に記載しています。

ESGリスクへの対応

日本化薬グループは、サステナブル経営におけるリスクと機会を適切に把握し、リスクを低減するとともに新たな事業機会の獲得と事業成長につなげていく必要があると考えています。
この認識のもと、日本化薬グループサステナビリティ重要課題のリスクと機会およびTCFD・TNFD提言に基づく情報を開示しました。事業を通じて環境・社会課題の解決に取り組むことで、持続可能な社会の実現とさらなる企業価値の向上を目指します。
今後も事業活動の多様化や環境・社会課題の変化に適切に対応するために、リスクと機会を定期的に見直し、情報開示の量と質の充実に努めていきます。

教育・研修

日本化薬グループでは、リスク意識の向上を図り、リスクを最小限に抑えるよう継続的にPDCAサイクルを回す活動の一環として、すべての役員・従業員(契約社員、パート社員含む)および派遣社員を対象に年度ごとに研修を実施しています。また、新入社員や新任管理職、海外赴任者にはリスクマネジメント教育研修を別途実施しています。

緊急事態発生時の対応と危機管理体制の構築・管理

危機管理体制の整備

企業活動に重大な影響を与えるようなリスクに備えて「危機管理規程」を制定し、危機管理体制を整備しています。
また、「危機管理規程細則」にさまざまなリスクに対する予防および対応マニュアルに則り、緊急事態が発生した際に的確な対応が可能となるよう体制を構築し、危機管理に努めています。

事業継続計画(BCP)

BCPマニュアルの整備

日本化薬グループでは、自然災害や感染症等に備えて、BCP基本マニュアルを制定しています。それを基に国内外の事業部、工場やグループ会社においてそれぞれBCPマニュアルを制定し、より実効性を高めるため定期的に見直しを行っています。

BCP訓練

日本化薬グループでは、緊急事態が発生した際に被害を最小限に抑え事業を継続し速やかに復旧するために、国内外でBCP訓練を実施しBCPマニュアルの有効性を確認するとともに実行性や従業員の意識向上に努めています。日本国内では、事業領域を管掌する役員を対策本部長とするBCP訓練を毎年実施しています。2025年度はライフサイエンス事業領域においてシナリオ型のBCP訓練を社長、危機管理委員長の同席のもと実施しました。訓練は、関東地方で地震が発生したことを想定し、マニュアルに沿って本社、工場、外部倉庫の関係する部署で連携し、災害や被災状況などさまざまな情報を収集して本社および工場、外部倉庫で共有しました。対策本部長の迅速かつ適切な判断、指示が実行され、事業継続計画の有効性を確認しました。
海外の事業場については化薬(湖州)安全器材およびカヤクセイフティシステムズマレーシアにおいて、災害発生時の初動体制や風水害や設備故障などのトラブル発生時のワークショップを実施し、連絡体制を再確認しました。今後も、さまざまな場面を想定したBCPセミナーや訓練を実施し、危機対応力の向上に努めます。

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