日本化薬グループは、世界各地に事業拠点を置いており、それぞれの地域社会の一員として活動しています。社会の要請と信頼に応える良き企業市民として、持てる資源を有効に活用し、地域の方々とのコミュニケーションを大切にし、地域との共生に努めています。また、当社グループの技術や製品を活用した次世代育成支援や災害支援などの社会貢献活動を通じて、地域社会の健全で持続的な発展に貢献します。
【具体的な取り組み内容】
「難病とたたかうお子さんとご家族の手助けに」を合言葉に、1998年に日本化薬創立80周年記念事業の一環として、病気で入院・治療されるお子さんと付き添われるご家族のための滞在施設として埼玉県さいたま市のさいたま新都心の近くに「あすなろの家」を開設し運営しています。あすなろの家は、小児がんをはじめとする難病の治療を受けるなど、専門の医療機関に入院・通院しているお子さんと付き添われるご家族の方に安心してご滞在いただけることを目指しています。2023年は203家族、2522人(年間延べ人数)の方にご利用いただきました。
あすなろの家は、大人2名と子どもがご宿泊できる10部屋の個室(約10畳)と広いダイニングやキッチン、プレイルーム、洗濯室など、長期滞在に必要な設備を備えた「もうひとつの我が家」として安心してご利用いただける施設です。また2023年に2部屋をリニューアルオープンし多くの利用者に喜んでいただいております。
あすなろの家を利用されるご家族のみなさまに気持ちよく滞在いただけるよう、日本化薬と関係会社の従業員やOBによる清掃や草刈りなどの定期的なボランティア活動も行われています。 利用されるご家族のプライバシーを守りつつ、そのご家族同士の交流を図ることができるように、また少しでも病気のお子さんとご家族にとって精神的・経済的なご負担の軽減にお役にたてる施設となるように努めています。
あすなろの家を開設してから25周年を迎え、今までに4,115組(のべ74,421人)のご家族が利用されています。
近隣には埼玉県立小児医療センター、さいたま市立病院、大和鍼灸院をはじめ小児医療に力を入れている医療機関が多く、より専門的かつ高度な治療を受けるために、日本全国からお見えになるご家族が増えています。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けてご利用家族が減少しておりましたが、徐々にではありますがご利用を希望されるご家族がまた増えてきております。今後も感染症対策を継続しながらより多くのご家族を受け入れてまいります。
2017年にハウスマネージャーを拝命して以来、あすなろの家を利用される方の「我が家」となれるように、少しでも季節を感じられるような飾りつけをしたり、全国の同じような施設との情報交換などを行い多くの新しいことを取り入れてまいりました。
これからも難病とたたかう子どもとご家族がより安全・安心・快適にお過ごしいただける「もうひとつのわが家」となれるように日々努めていきます。
お子さんが無事に退院され、ご家族と本当の家に帰る時の「ありがとう」の一言を胸に。
ハウスマネージャー 山路
日本化薬グループは、スポーツ支援活動や社内の健康づくりイベントなどに取り組んでいます。
「生命と健康を守り豊かな暮らしを支える」という企業理念を実現するため、これからもさまざまな社会貢献活動を推進していきます。
バレーボールはボールを“つなぐ”スポーツ。人と人をつなぐことを理念に活動しているウルフドッグス名古屋の活動に協賛し応援しています。
「公益財団法人 日本ラグビーフットボール協会」が立ち上げた、これからの将来を担う子どもたちのためにラグビーを通じて「子どもたちや青少年の育成や教育」を実現するため、さまざまな活動を行う「スクラム・ジャパン・プログラム」の賛助に参画しました。
その趣旨に賛同し、社会貢献活動の一環として、賛助会員として参加し応援していきます。
東京都生活文化スポーツ局から、「令和5年度東京都スポーツ推進企業」に認定されました。東京都スポーツ推進企業認定制度は、東京都が従業員のスポーツ活動の促進に向けた優れた取り組みやスポーツ分野における社会貢献活動を実施している企業を認定する制度です。
日本化薬は今後も、健康づくりイベントに継続的に取り組み、従業員の健康増進に積極的に取り組んでいきます。
日本化薬グループは、未来を担う子どもたちに化学の面白さを理解していただけるよう次世代育成支援に取り組んでいます。
日本化薬は以前、千代田区九段下に本社を構えていたご縁より、千代田区立九段中等教育学校の『総合的な学習の時間「地域を知る」』の学習に協力しています。2014年に本社を丸の内に移転した後も地域貢献として継続しています。例年、会社にお越しいただき、会社紹介・広告制作の授業・課題説明などを行い、後日課題の成果を発表していただいています。
課題:「たくさんの人に興味を持ってもらえる日本化薬らしい広告を考えよう!」広告制作を行う広報部員より広告についての授業を行い「誰に、何を、どのように」伝える広告であれば効果的なのか、アイディアを出し合い班での議論を深め、1カ月後に中間報告、その1カ月後にパワーポイントを使った最終報告を行っていただきました。
今後も生徒の学びの一助となれるよう継続して取り組んでいきます。
日本化薬は、2023年8月5日~6日の2日間、科学技術館(東京・竹芝)で開催された夢・化学-21※ 委員会主催の小学生向け化学実験イベント「夏休み子ども化学実験ショー2023」に出展し、200名を超えるお子さんにご参加いただきました。
「オリジナルのギャラクシーボールをつくろう!」というテーマで光硬化性樹脂であるアクリルレジンを使った工作を行いました。世界に1つだけのキーホルダーが完成すると、子供たちは歓声をあげて喜んでくれました。
日本化薬は「夢・化学-21」委員会が運営する「子ども化学チャンネル」(YouTube)にて『色の不思議!おウチでイロイロ実験!』と題した当社の実験動画を公開しました。「子ども化学チャンネル」が掲げる”将来を担う子どもたちの化学への好奇心、興味関心につなげるための化学動画の配信”の企画趣旨に賛同し協力しています。
実験動画制作に際しては、研究部門の若手社員中心に企画検討を行い、より分かりやすく化学の魅力をお伝えするために試行錯誤しながら制作しました。
【実験動画の概要】
タイトル:「色の不思議!おウチでイロイロ実験!」
実験内容:バスボムを使った中和反応、サインペンを使ったクロマトグラフィー・色の三原色
上越工場では、新潟県上越市で開催される「青少年のための科学の祭典」、同県妙高市で開催される「サイエンスフェス」にブースを出展し、小学生を中心とした子どもたちに、工作を通じて科学を身近に感じてもらう取り組みを行っています。
出展ブースでは、上越工場で製造された「偏光フィルム」を使用した万華鏡作製実験を行い、参加した子どもたちには、時折親御さんの手を借りながら自分好みに装飾を施した万華鏡を作製いただきました。
完成した万華鏡を覗いた子どもたちは「キレイ!」「不思議!」「家でも作りたい!」などとても喜んでいて、説明したスタッフは、1日の中で数十回と実験説明を繰り返していましたが、万華鏡を覗く子どもたちの反応が楽しみで、疲れを忘れて対応していました。
今後もさまざまな実験メニューを考案し、地域に根付いた社会貢献活動を展開していきます。
2023年9月24日、山陽小野田市立山口東京理科大学の大学開放デーに、地元企業の紹介ならびに子どもたちが科学に興味をもってもらうことを目的として科学体験実験ブースを出展しました。
実験タイトルは「紫キャベツが起こす?不思議な化学の七変化!」で、内容は紫キャベツに含まれるアントシアニンが溶液の種類で色を変えるという実験で、子どもたちにも視覚的に化学を楽しめるのではないかと考えて選びました。多くの方の手伝いもあり、当日は滞りなく実験を進めることができました。実験を体験していただいた子どもたちの反応もとても良く大盛況でした。
2023年8月2日、厚狭工場では、地元3校より計7名の高校生を招いて応募前職場見学を行いました。
工場概要の説明の後、プラントの見学を実施しました。高校生のみなさんは、しっかりメモを取りながら説明を聞き、質問もたくさんしていただきました。今回の見学が職場の雰囲気を理解していただく機会となれば嬉しいです。
日本化薬グループは、工場祭や各施設の開放、教育活動、寄付や協賛などの支援、献血、清掃活動、懇談会などを通して地域のみなさまに当社グループの事業内容をご理解いただけるよう努めています。
今後もさまざまな交流の場を設け、地域のみなさまとのコミュニケーションを活発に行い、事業を通じて地域社会の活性化と発展に取り組みます。
日本化薬グループは地域社会を重要なステークホルダーの一つと認識しており、社会貢献活動だけでなく、現地雇用や自治体との情報交換を活発に行い、地域社会の健全で持続的な発展に貢献することが重要であると考えています。日本化薬グループは世界各地に事業拠点を置いており、各拠点で現地人材の採用を積極的に行っていきます。現地での従業員雇用においては、適用される法令に従い、最低賃金を超える賃金を支払います。
2023年7月21日、日頃お世話になっている地域のみなさまへの感謝の気持ちを込めて約300発の花火を打ち上げました。打ち上げ場所は工場近くの山陽小野田市梶漁港で、花火の打ち上げは2020年から始めて4年連続になります。今回は地元の竜王太鼓にオープニングを飾っていただき、和太鼓の演奏も相まって素晴らしい花火が打ち上げられました。
当日は夏休み初日ということもあり、会場には多くの観客が集まり夏の夜空を彩る大輪の花火と迫力満点の太鼓の演奏に大きな歓声があがりました。花火を通じて多くの方に笑顔と元気をお届けでき大盛況のうちに終えることができました。
今後も地域のみなさまに喜んでいただける活動を継続してまいります。
2023年10月、社宅前のさつまいも畑に岩鼻保育所・高南幼稚園の園児たちを招き、爽やかな秋晴れの中でさつまいも掘りを行いました。今年も夏に気温が高い日が続いたためか、さつまいも(紅はるか)が大きく育ちました。
園児たちは一生懸命、手で土を掘り進めて、自分の顔と同じ大きさほどのさつまいもを掘り出すと、「大きいお芋がとれた!」とはじけるような笑顔を見せてくれました。私たち従業員も、さつまいも掘りを通じて園児たちのたくさんの笑顔に触れ、楽しい時間を過ごすことができました。さつまいも掘り後、群南産業のみなさんにご協力いただき、さつまいもの根っこや土汚れを取り除き、収穫したたくさんのさつまいもをトラックに乗せ、岩鼻保育所・高南幼稚園へお届けしました。
カヤク セイフティシステムズ ヨーロッパ(以下、KSE)は毎年、チャリティー活動に注力し、地域の非営利団体、自衛消防隊、子どものスポーツチーム、お年寄りや恵まれない人々へのサポートを続けています。2023年はKSE本社近くに開設したフードバンクの倉庫建設を支援しました。フードバンクは、大量に余ったり賞味期限が近かったり廃棄される食料品を収集し、その食料や衛生用品を必要な人(例えば、ホームレス、シングルマザー、難民など)に再配布することを目的にしています。
また、KSEが支援しているピンクリボン運動は、乳がんの予防に焦点を当てています。9年目を迎えたこの活動は、徐々に認知が高まってきており、予防に対する人々の関心が高まってきています。地域の医学生とフセチン地域のがん患者を集めた非営利団体との長きに渡る連携に加え、チェコ最大手の公的医療保険会社との連携も築くことができました。
KSEは寄付金や献血、血漿の寄付などを通じてもチャリティー活動にも参加しています。2023年に、KSEは慈善寄付と非営利団体のサポートに対してフセチン市長賞を受賞しました。
カヤク アドバンスト マテリアルズ(以下、KAM)では、海兵隊の「トイズ・フォー・トッツ」活動に毎年参加しています。この活動は、新しいおもちゃや本を贈ることで、アメリカの恵まれない子どもたちに、クリスマスの喜びと希望のメッセージを届けるものです。「トイズ・フォー・トッツ」では、これまでに2億9100万人の子どもたちに、6億5200万個のおもちゃを配りました。もちろんクリスマス時期だけでなく、クリスマスを過ぎても、子どもたちに希望を届けています。
KAM従業員であるラス・バーディックは、過去6年間、会社の「トイズ・フォー・トッツ」活動を率いてきました。毎年、ラスは会社でこの活動を取りまとめ、集めたおもちゃを配布する海兵隊へ確実に届くように手配しています。この活動はラスにとって重要であり、会社に何年も前に参加を促していました。それ以来、KAM従業員は意義を理解し、この活動への参加を毎年楽しんでいます。
指標 | 対象範囲 | 単位 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
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社会貢献活動支出額 | 単体 | 百万円 | 254 | 146 | 154 | 149 | 158 |
内寄付金総額 | 単体 | 百万円 | 222 | 114 | 123 | 120 | 126 |
内その他社会貢献支出 | 単体 | 百万円 | 31 | 32 | 31 | 29 | 32 |