研究開発方針・戦略と体制

オープンイノベーションや研究DXに
よって
新事業開拓を推進

テクノロジー統括
研究企画部長
久保 大理

 日本化薬グループは、持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、研究・開発のターゲット4分野を定めています。各事業領域の研究所においてビジネスに直結するテーマに取り組むとともに、新たな分野への参入も視野に入れた全社的な研究開発活動を展開しています。
 研究企画部では、「環境エネルギー分野」における新規事業の創出に向けて、近年強化してきたオープンイノベーションの取り組みを一層加速させています。部間間の垣根を越えた協働を通じて、当社ならではの価値を生み出す新事業の創造に取り組んでいます。
 さらに、研究開発の効率化と高度化を図るため、機械学習やデータサイエンスを活用した研究DXを推し進めています。ハード・ソフト両面の整備や人材育成を含む基盤強化を進めながら、実効性の高い研究開発の実現を目指しています。

研究開発方針

研究開発の「ありたい姿」

研究開発により
新事業・新製品を創生し
企業価値を向上させる

研究開発活動によって
新事業・新製品を創出し、
企業価値を高めることが研究開発部門の役割。
企業価値を創造し、向上できる
「研究開発部門」でありたい

既存コア事業の拡大
新事業開拓を同時に実行し
継続的に企業価値を高める
研究開発活動

「両利きの経営」
を実践する研究開発

研究開発戦略

  • 両利きの経営を実践する研究開発
  • マーケティングに基づくテーマの選定
  • オープンイノベーションの積極活用

研究開発体制

 事業部門に所属する研究所の他、全社技術部門を統括する「テクノロジー統括」に研究企画部・知的財産部を設けて、全社的な研究開発の推進・支援や、研究開発戦略に資する情報の発信ができる体制になっています。また、テクノロジー統括に所属するエアロ事業推進部は、ドローン用パラシュート型安全装置開発の推進を担っています。

セイフティシステムズ事業部 開発統括部
(兵庫県姫路市)

セイフティシステムズ事業部 開発統括部

 「エアロ事業推進部」は、セイフティシステムズ事業部 開発統括部と同居し、火薬安全技術を共有

ファインケミカルズ研究所
(統合研究棟:東京都北区)

ファインケミカルズ研究所

 統合研究棟に、「研究企画部」「知的財産部」が入居し 全社的な研究開発組織を集約

医薬研究所(東京都北区)

医薬研究所

アグロ研究所(茨城県神栖市)

アグロ研究所

基盤技術

 日本化薬グループは、祖業から受け継ぐ基盤技術を時代に合わせて変化・融合させて、時には社外から技術を導入しながら発展してまいりました。
 顧客の要望する特性に合う製品をデザインできる「材料設計」や、その実現手段としての「複合化」は、当社の最も得意とする強みといえます。また、個別の専門技術として、色素材料事業のIJインク材料の開発ノウハウ、医薬事業・アグロ事業ともに得意としている製剤化の技術、セイフティシステムズ事業で培った火薬の安全な取り扱いや部品組み立て(アセンブル)の技術は、トップシェア製品の競争力の源泉です。
 今後はこれまでに培ってきた技術に加えて、オープンイノベーションによる新しい技術の導入や、研究DXの利活用、知的財産の継続的な創造・活用によって、ターゲット4分野における新事業・新製品の開発を目指していきます。

トピックス

誰もが参加できる研究DX
~使いやすいデータ分析支援ツール「KUMA(くーま)」~

 研究DX推進の結果、デジタルツールを導入・検証する事例が増えた一方で、既存ツールの複雑な機能を理解するのが難しい、初心者が使うにはハードルが高い、といった声も散見されました。そこで、誰もが気軽に試用できることを目標に、日本化薬製のデータ分析支援ツール「KUMAが開発されました。KUMAは、ブラウザベースで動作するイントラネット向けのツールで、特別な準備や申請が必要ありません。
 また、専門知識がなくても簡単に、グラフ描画によるデータの可視化や、相関するパラメーターの特定など簡単な統計解析の機能を利用できます。基本的な機能に絞られているために、動作が軽快であることも特徴で、本格的な機械学習や統計解析を既に活用している研究員にとっても、用途に応じて使い分けできるツールになっています。運用開始以来、KUMAは好評を博しており、追加したい機能の要望を受けながら、さらに使いやすい社内アプリケーションを目指して定期的なアップデートを続けていく予定です。

※社内需要のある統計処理などの機能を選択して組み込み、ウェブインターフェイスを使って簡単に利用できるようにした自製のアプリケーションサーバー

KUMAを開発した
テクノロジー統括 研究企画部
研究戦略グループ
金子 昌厳(左) 栗原 史生(中)
尾﨑 大和(右)

KUMAを使った統計解析アウトプットの一例

研究開発

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