日本化薬は火薬類の研究開発・製造に関する長い歴史と多彩な技術を持っています。これらの技術を応用して、自動車用エアバッグを膨らませるガス発生装置「インフレータ」、車両衝突時などにシートベルトを巻き取るための駆動力を生み出す小型ガス発生装置「マイクロガスジェネレータ」、そしてこれらの基幹部品である点火装置「スクイブ」を独自に開発してきました。
現在、グローバルに事業を展開し、日本、チェコ、中国、メキシコ、マレーシアの5つの生産拠点から、世界中の人々の安全に貢献しています。
インフレータは、エアバッグ用ガス発生装置です。自動車衝突時に電気信号を受け取ったスクイブが作動すると、ガス発生剤という薬剤に熱を伝えます。熱により点火、燃焼した薬剤からはガスが発生し、そのガスがエアバックを膨らませます。日本化薬では、運転席用・助手席用、サイドエアバッグ用、ニー(膝)用インフレータ製造販売をしています。自動車の安全性をより高めるために、新しい製品の開発を進めています。
マイクロガスジェネレータは、シートベルトプリテンショナー(自動車衝突時にシートベルトを巻き取る機構)に使用されるガス発生装置です。自動車衝突時に電気信号を受け取ったスクイブが作動し、薬剤を点火します。薬剤が燃焼して圧力が生じ、その圧力でシートベルトを巻き取ります。
シートベルトを巻き取ることで体を正しい位置に固定し、膨らんだエアバッグの位置に合わせます。これによりエアバッグの効果を高め、乗員の安全性を確保します。
マイクロガスジェネレータは、この他にも、歩行者保護のためにボンネットを跳ね上げるポップアップフードというメカニズムなどへも使用されています。
スクイブは、「インフレータ」及び、「マイクロガスジェネレータ」に組み込まれている点火部品です。自動車衝突時にセンサーが衝撃を感知するとスクイブへ電流が流れ、その時発生する熱でスクイブ内部の薬剤が発火し、スクイブが作動します。乗員の体形に合わせてエアバックの膨らみを調節する機構や、電気自動車に搭載される電流遮断器にも使用されています。
※1. ~6. まで0.05秒程度
物流、測量、点検、災害救助などの分野でドローン(無人航空機)の利活用が世界的に進められています。日本化薬では、エアバッグ用インフレータやシートベルト用ガス発生装置等の自動車用安全部品で培った火工品技術を応用して、ドローン用パラシュート安全装置PARASAFE®を開発しています。PARASAFE®はドローンの落下を検知すると、火工品を遠隔作動させることでパラシュートを高速に射出し、ドローンを安全に降下させます。ドローン本体や搭載物の損壊を防ぐだけでなく、地上の建物や人も守ります。
PARASAFE®はドローンの社会での活躍の場をさらに広げる可能性に満ちた製品です。今後も、ドローン産業におけるニーズをもとに、様々なドローンにマッチする製品開発を進め、ラインナップを拡充して参ります。
日本化薬株式会社 セイフティシステムズ事業部
TEL:079-264-3001