研究開発トピックス

日本化薬が取り組んでいる研究開発に関する話題をご紹介します。

近未来社会のニーズを見据えた研究…有機半導体材料の研究開発

エレクトロニクス製品は、20世紀の社会の暮らしを飛躍的に豊かにしてきました。現在では、医療機器・パソコン・スマートフォンなどのように私たちの身の回りでなくてはならない存在になっています。これらエレクトロニクス製品のコアとなる材料がシリコンに代表される無機半導体です。

日本化薬では、無機半導体に代わる有機半導体の研究開発を行っています。有機半導体は、柔らかいエレクトロニクス製品を創出できるため、さまざまな製品(新しい豊かさを社会にもたらす製品)が提案されています。さらに、印刷で生産することも可能であるため、環境に優しく省エネルギーな半導体生産プロセスを作り上げることができます。有機半導体材料は、近未来のエレクトロニクス社会のキーマテリアルとして学術界・産業界から大きな期待が集まっています。

当社の有機半導体材料は、世界でもトップクラスの性能を有しており、国内外の先導的な研究機関との共同開発を行うなど、事業化を加速するために積極的な協業を行っています。

今後も、日本化薬では、近未来の社会ニーズに応える新規テーマを立ち上げ、計画的な事業展開を図り、社会に貢献していきます。

  • 無機半導体無機半導体
  • 有機半導体有機半導体
エレクトロニクスの近未来

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産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE®

物流、測量、点検、災害救助などの分野でドローン(無人航空機)の利活用が世界的に進められています。日本化薬では、エアバッグ用インフレータやシートベルト用ガス発生装置等の自動車用安全部品で培った火工品技術を応用して、ドローン用パラシュート安全装置を開発しています。ドローンの落下を検知し、火工品を遠隔的に作動させることで、高速でパラシュートを展開し、安全にドローンを降下させる装置です。ドローン機体本体、搭載物、人命を守り、社会におけるドローンの活躍の場をさらに広げられます。今後も、ドローン産業におけるニーズをもとに、様々なドローンにマッチする製品開発を進め、2021年度中の量産化を目標にしています。

ドローン用「安全装置」への挑戦

新規テーマ創出プロジェクト発足

研究所の若手メンバーが中心になり新規テーマ創出プロジェクトを立ち上げ、合宿やワイガヤ活動を通じて議論を重ねた結果、提案テーマとして出てきたのがドローン用の安全装置の開発でした。ドローンは、近年その技術革新や用途開発が目覚ましく、将来、社会で広く使われると見込まれています。私たちは、そのドローンの成長性に着目し、その安全装置を、火薬の技術を使って実現しようと思い立ちました。火薬は少量で大きな力を出しますので、飛行性能を上げるために、小型軽量な特性が求められるドローンのデバイスとして最適であると考えたのです。

  • 開発やテストはたくさんのコンポーネントが関与するのでチームワークが重要開発やテストはたくさんのコンポーネントが関与するのでチームワークが重要

技術的な課題とイノベーション要因

火薬の力を利用して、パラシュートを射出する機構を具体化しました。緊急時にドローンが落下する際にパラシュートが飛び出し、減速して降下することで、ドローンの衝突の衝撃を緩和し、下にいる人を守る安全装置です。火薬は力が強い反面、その取り扱いに注意しないと危険な面もあるので、慎重に強度設計を繰り返しました。また、ドローンに載せるには、その飛行を阻害しないように極力軽く、小型にする必要があるため、無駄なスペースや部品を無くしました。作った安全装置はドローンに載せて屋外のテストフィールドで飛行落下テストをして、その効果を確かめています。

  • フィールドに出て繰り返し行うドローンの飛行、落下テスト
  • フィールドに出て繰り返し行うドローンの飛行、落下テストフィールドに出て繰り返し行うドローンの飛行、落下テスト

積極的にオープンイノベーションを活用

日本化薬は、火薬や自動車安全部品については、たくさんの技術の蓄積がありますが、ドローンやパラシュートは、未知の領域です。こうした未知の分野については、外部の企業やコンサルタント、大学の研究室の協力を得て、完成させていきました。また、ドローンの落下時の安全装置ですので、実際の試験には、大きなテストフィールドが必要になります。日本化薬グループの工場に敷地を借りて、大型クレーンからの落下、射出試験を繰り返し、安全装置としての信頼性を向上させました。事業の立ち上げには、こうしたコンセプトを早期に市場に紹介して、その声を聞くことが重要と考え、展示会にも積極的に出展し、私たちの安全装置を使ってくれるお客様を探しています。ドローンの開発は海外でも活発なので、海外の協力会社との情報交換も積極的に行っています。特に米国では、競合の製品を入手し、協力企業の助けを借りながらベンチマークテストをして、自社開発品の差別化を進めています。このようなイノベーション活動を通じて、早期に競争力のあるドローン安全装置を作り上げ、社会に貢献したいと考えています。

  • 大型クレーンを使った投下試験を実施大型クレーンを使った投下試験を実施
  • ドローンの仕組みやシステムの制御方法を外部講師から学び習得ドローンの仕組みやシステムの制御方法を外部講師から学び習得

日本化薬グループの保有技術を深化させた研究開発
~光制御フィルムの研究開発~

自動車に関する環境がEV化、自動運転技術などの進展によりに大きく変わろうとしています。

セイフティドライブをサポートするために多数のセンサーが搭載されています。フロントガラスに種々の情報を映し出すヘッドアップディスプレイもその一つで、必要とする情報を明瞭に映し出すために光を制御する特殊なフィルムが使われています。このような光制御技術は、ヘッドアップディスプレイだけではなく、液晶や有機ELディスプレイ、プロジェクター、透明ディスプレイ、遮熱ウィンドウ、サングラスなど非常に幅広い分野で応用されています。

日本化薬では、当社が有する偏光フィルム、位相差フィルムなどの光制御技術を応用・発展させた優れた特長のある光制御フィルムの応用開発をコーポレートテーマ研究の一つとして検討しており、例えば、高視野角で鮮明な画像を可能とする独自の技術を使った自動車用ヘッドアップディスプレイ用途への応用展開をグループ会社とも協業しなから推進しています。

研究開発活動へのインフォマティクスの利活用始動

研究開発にデータ科学の手法を取り入れたマテリアルズインフォマティクスや創薬インフォマティクスは、近年多くの活用報告が行われており、注目を集めている技術です。日本化薬においても、それぞれの事業領域で幅広く応用できる技術として、インフォマティクスの利活用についての取り組みを始めています。

取り組みやすい環境整備、社内外の講演・講習によるリテラシー向上や知識の蓄積、技術の定着と研鑽を目的とした社内ネットワーク構築など、引き続き推進していきます。

日本化薬の研究開発は、仮説に基づく従来の手法に加え、情報のデジタル化やデータ分析に力を入れ、さらなる促進と効率化を目指します。

研究開発活動へのインフォマティクスの利活用始動

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