研究開発トピックス

モビリティ

将来のモビリティに貢献する「空飛ぶクルマ向け安全装置」の開発

 ドローン用安全部品の開発実績を活かした研究・開発テーマとなる「空飛ぶクルマ向けの安全装置の開発」を、2022年1月よりコーポレート研究テーマとして開始しました。
 有人飛行を想定し、2030年頃からの普及が見込まれる空飛ぶクルマは、産業用ドローンに比べて総重量が大きく増すため、その安全装置も大型化すると予想されます。PARASAFE ® のようなパラシュートによる緊急安全装置の提案から開始して、協業パートナーや業界との情報交換を通じて、空飛ぶクルマに最適な安全装置の姿を模索していきます。
 セイフティシステムズ事業やドローン用安全部品で培った火薬安全技術をさらに発展させながら、エアロ事業推進室および研究開発本部を中心として、新たなエアモビリティに安全・安心を提供するべく尽力してまいります。

  • 新事業・新製品の創出を目指した研究開発のうち、将来大きな成長分野となることが期待できるテーマへは、全社的な経営資源を戦略的に配分して社内外の技術・製品・知的財産を融合するなど、コーポレート研究として推進しています。

研究DX

研究DX 〜インフォマティクス活用基盤の検討〜

 データマイニング、AI の活用、データの可視化など、研究・開発のDX は、新製品創出の加速のために特に重要な取り組みです。実際に研究・開発に関わる従業員のヒアリングから始めて、「デジタルデータの蓄積」「デジタルデータの活用」「リテラシー・スキル教育」を三本柱に、研究・開発を支援する基盤や仕組みの整備を目指しています。
 2022年より、どのような環境でもデータサイエンスや計算科学を実践できる、インフォマティクス活用基盤のテストを開始しました。専用の高性能PC や通信環境といった特殊なハードウェアがなくても、実験室など研究員の活動の場から容易にアクセスできるようにすることで、日常的に高度なデータ活用が可能になります。テストに参加した研究員の評価結果を参照しながら、本稼働を目指していきます。

その他の取り組み:
外部機関と連携したデータ解析支援、電子実験ノートによるデータ蓄積、研究員向けAI 基礎セミナーなど

TOPICS

コワーキングスペースを活用した研究・開発の取り組み

 テクノロジー統括が推進する社外の産官学やスタートアップ企業とのオープンイノベーションに一層力を入れるため、CIC Tokyo(ケンブリッジ・イノベーション・センター東京、https://jp.cic.com/ )のコワーキングスペースに企画担当者が入居しています。(2022年9月から研究企画部員2名)
 CIC Tokyoでは企業とスタートアップ、地方自治体や大学等合わせて250ほどの団体が参加し、密に情報を交換して活発に横のつながりが作られています。日本化薬グループも、テーマごとに開催されるイベントでの意見交換や、海外スタートアップと日本企業をマッチングするプログラムなどに参加して、積極的に外部団体やさまざまなコミュニティとのパイプを築いています。また得られた情報は、各事業領域・経営企画部・知的財産部のスタートアップ連携担当と共有しながら、ターゲット4分野に関わる事業機会の探索に役立てられるよう努めています。

「UMI3号ファンド」への出資 〜優れた素材・化学企業の支援とオープンイノベーション〜

 ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社(以下「UMI」、https://www.umi.co.jp/)が運営する「UMI3号ファンド」は、「優れた素材・化学企業の育成を通して日本の技術力を強化し、世界に通用する産業構造を醸成する」というビジョンのもと設立されました。「 環境・エネルギー」「 食糧・農業」「 ライフサイエンス」「電子・情報」 「モビリティ」などの産業分野における開発~生産技術確立のステージに、適切なリスクマネーの供給と経営支援を行います。量産のステージではベンチャー・企業間の積極的な連携をコーディネートします。
 日本化薬グループは、UMI3号ファンドの投資領域の企業を支援するため、2022年12月に出資しました。また出資者向けのスタートアップ企業情報等を活用し、研究・開発に必要な要素技術の導入のため積極的に交流していく考えです。

AZUL Energy株式会社との業務提携の取り組み
〜「環境・エネルギー」分野に貢献する触媒関連材料〜

 AZUL Energy株式会社(https://www.azul-energy.co.jp/)が研究・開発を進める「AZUL触媒」は、有機系色素構造を活性中心に有し、従来燃料電池に用いられてきた白金系触媒よりも高い活性を示すことに加え、コスト・性能・耐久性などに優れた材料です。日本化薬グループはこの優位性に着目し、2021年より触媒製造法に関する共同開発を開始するとともに、関係強化の一環として資本提携をしています。当社グループの精密有機合成や材料の分散に関する知見と、AZUL Energyの触媒技術を融合させた共同開発は当社がパイロット製造を担える段階に進み、2023年により密接に連携・協力するための業務提携契約を締結しました。今後はパイロットスケールで製造したAZUL触媒を、金属空気電池・燃料電池等の次世代エネルギーデバイスを扱うお客様に提供できるようになる見込みです。また、新しいアプリケーションを開拓する取り組みにも注力していきます。

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