日本化薬グループは、ありたい姿「KAYAKU spiritのもと、存在感をもって、永続的に環境、社会、すべてのステークホルダーに幸せやうれしさを提供できる会社であること」の実現に向けて、現状とのギャップを分析し、優先して取り組むべき5つの課題(新事業・新製品創出、気候変動対応、DX、仕事改革、働き方改革)を全社重要課題としました。
また、サステナブル経営の推進にあたり、社内外の視点から当社グループが抱える重要課題を適切に把握し、これをサステナビリティ重要課題と定め、事業活動と連動したサステナビリティ・アクションプランを策定しました。
中期事業計画KAYAKU Vision 2025(以下、KV25 )ではサステナブル経営基本方針のもと持続可能な環境・社会の実現に貢献するため、全社重要課題を最優先で取り組み、それを補完するかたちでサステナビリティ重要課題に取り組みます。全社重要課題とサステナビリティ重要課題を合わせた総称を「KV25 マテリアリティ」としています。
日本化薬グループは「ありたい姿」の実現に向けて、目標と現状とのギャップを分析し、組織横断の全社プロジェクトで優先して取り組むべき5つの課題(新事業・新製品創出、気候変動対応、DX、仕事改革、働き方改革)を全社重要課題として定めました。全社重要課題の取り組みの浸透や各課題解決のスピードアップを図るため、複数の部門から選出されたメンバーによって構成されるM-CFT(マテリアリティ・クロスファンクショナルチーム)で取り組んでいます。
全社重要課題 | 取り組み内容 |
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新事業・新製品創出 | 「モビリティ」「環境エネルギー」「エレクトロニクス」「ライフサイエンス」の4分野において、3事業領域と連携し既存組織の壁を越えて、新事業・新製品を創出し、ありたい姿の実現に貢献します。 |
気候変動対応 | 温室効果ガス排出量の削減等の地球温暖化防止やカーボンニュートラルの取り組み目標を設定し、各工場・研究所と一体となって気候変動リスク対策に取り組みます。 |
DX | 全社的にDXを推進し、プロセスの変革で売上の拡大、コストダウンで事業の拡大を図ることが当面の目標です。具体的には、①IT教育や意識改革、②ERPやITインフラ再構築等のIT基盤強化、③研究開発、生産、営業・マーケティング、管理の各業務プロセスにおけるDXに取り組みます。 |
仕事改革 | グループ経営・事業運営(マネジメント)管理方法や原価管理方法の見直し、あらゆるムダを省く業務改善・原価低減を目的としたA3活動(KAIZEN)※を通じた仕事の効率化や生産性の向上により、資産効率と稼ぐ力の向上に取り組みます。 |
働き方改革 | 「活き活きとした強い会社・いい会社」を目指し、従業員一人ひとりが活力をもって仕事し、従業員のエンゲージメントが高まるよう働き方改革と人事制度改革に取り組みます。 |
日本化薬グループは、社内外の視点から当社グループが抱える課題を適切に把握し、ステークホルダーの期待や要請に応えていくために、2019年に中期CSR重要課題を特定しました。
2022年4月に中期事業計画KAYAKU Vision 2025 のスタートとCSR経営からサステナブル経営に切り替わるタイミングに合わせて中期CSR重要課題からサステナビリティ重要課題と名称を改め、事業活動の多様化や社会課題の変化に適切に対応するためにサステナビリティ重要課題を見直しました。
日本化薬グループは、特定したサステナビリティ重要課題と事業活動を連動させたサステナビリティ・アクションプランを策定しました。合わせてSDG Compassを活用し、SDGsの17目標の紐付けをしています。サステナビリティ・アクションプランのKPIの達成に向けて取り組みを進めていくことで、SDGsの達成とともに持続可能な社会の実現に貢献します。
サステナビリティ重要課題は「企業存続に関わる最重要課題」「最重要課題」「重要課題」の3つに分類し、各課題のアクションプランを定めています。
日本化薬グループのサステナビリティ・アクションプランでは、SDG Compassを活用し、各重要課題とSDGs17目標を紐付けています。当社グループは毎年KPIの進捗状況を管理・開示しサステナビリティ活動を推進することで、環境・社会的価値と経済的価値を創造し、SDGsの達成(持続可能な社会の実現)と企業価値向上を目指します。
サステナビリティ 重要課題 |
目指す SDGs |
アクションプラン | 重要指標(KPI) | 2025年度 到達目標 |
実績 | 2023年度 取り組みに関するトピックス |
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2022年度 | 2023年度 | |||||||
企業存続に関わる最重要課題 | コンプライアンスの徹底 |
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重大コンプライアンス違反件数※1 | 0件 | 0件 | 0件 |
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コンプライアンス研修の実施率 | 100% | 97% | 96% | |||||
コンプライアンス通報窓口設置率 | 100% | 83% | 83% | |||||
コーポレートガバナンスの強化 |
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取締役会の実効性評価実施回数 | 1回/年 | 1回 | 1回 |
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監査部による内部業務監査実施回数 | 60回/4年間 | 22回 | 17回 | |||||
最重要課題 | 品質と顧客の安全 |
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重大顧客苦情件数※2 | 0件 | 1件 | 0件 |
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重大工程異常件数※2 | 0件 | 1件 | 0件 | |||||
サプライチェーンにおける環境・社会配慮 |
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サステナブル調達ガイドラインに対する同意確認書の回収率 | (単)90%以上 | (単)99% | (単)91% |
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お取引先へのアンケートを利用した改善計画の策定・実施 | (単)進捗状況を開示 | - | トピックスに掲載 | |||||
エネルギー消費量と温室効果ガス排出量の削減 排水および廃棄物の削減 水資源利用の効率化 |
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温室効果ガス排出量 (Scope 1+2) |
(2030年度達成目標) 70,598トン以下(2019年度比46%以上削減) (2023年度達成目標) 115,715トン以下 |
108,301トン | 102,704トンCO2 |
軽量化シリンダー型インフレータ・グリーンプロペラントMGGの開発 【ポラテクノ事業】 生産工程改善、製品設計改良による廃棄物および排出処理エネルギーの削減を推進 【機能性材料事業】 CFRP用熱硬化樹脂について、展開可能性のある開発品を顧客に紹介 バイオ由来原料を使用した熱硬化樹脂の開発 【色素材料事業】 産業用インクジェット(コート紙用、軟包装用、捺染用)の開発 感熱用ノンフェノール顕色剤の上市および拡販 PLA(生分解性)繊維用染料の開発加速 【触媒事業】 水素製造用触媒の共同研究を推進 厚狭工場の石油燃料ボイラーのLPG化が進行中 マテリアルズ・インフォマティクス技術を活用した原料使用量削減および目的物収量向上に寄与する触媒の開発 |
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VOC排出量 | (単)実績を開示 | (単)38.7トン | (単)32.9トン | |||||
COD排出量 | (単)実績を開示 | (単)171.8トン | (単)210.9トン | |||||
廃棄物発生量 | (単)実績を開示 | (単)27,621トン | (単)20,974トン | |||||
リサイクル率 | (単)80%以上 | (単)85.0% | (単)83.8% | |||||
ゼロエミッション率 | (単)1%以下 | (単)0.8% | (単)0.7% | |||||
SBTに批准した目標設定と具体的施策の検討・実施 | 進捗状況を開示 | CDP(気候変動)でA-評価を獲得 Scope 3算定精度向上を実施 |
中期環境目標を1.5℃水準に改定 | |||||
TCFD提言に沿った情報開示 | 進捗状況を開示 | 情報開示済み | 情報開示済み | |||||
環境問題に配慮した製品・技術の開発推進 | 進捗状況を開示 | トピックスに掲載 | トピックスに掲載 | |||||
重要課題 | 職場の労働安全衛生 |
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重大事故災害件数※3 | 0件 | 0件 | 0件 |
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健康経営優良法人(大規模法人部門)認定取得 | (単)認定取得継続 | (単)健康経営優良法人(大規模法人部門)2023の認証を取得 | (単)認定取得継続 | |||||
有給休暇取得率 | (単)70%以上 | (単)63.7% | (単)72.8% | |||||
メンタルヘルス研修受講率 | (単)100% | (単)100% | 3ヶ年計画の1年目を計画通りスタート | |||||
定期健康診断受診率 | (単)100% | (単)100% | (単)100% | |||||
アンケートを利用した従業員満足度の把握とその向上 | (単)進捗状況を開示 | - | トピックスに掲載 | |||||
雇用の維持・拡大と人材育成、人権尊重 |
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女性管理職比率※4 | (単)10%以上 | (単)9.0% | (単)8.8% |
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障がい者雇用率 | (単)法定雇用率達成 | (単)1.98% | (単)1.93% | |||||
従業員一人当たり教育研修投資額 | (単)実績を開示 | (単)83,002円/人 | (単)76,565円/人 | |||||
従業員一人当たり教育研修時間 | (単)実績を開示 | (単)14.9時間 | (単)17.7時間 | |||||
人権に関する研修回数 | 1回以上/年 | 1回 | 2回 | |||||
人権デュー・ディリジェンス 「人権への影響評価」実施率 |
(単)2022年度までに実施 (連)2025年度までに100% |
(単)未完了 | 日本化薬グループ従業員を対象に人権リスク評価および優先対策リスクを特定 | |||||
リスクマネジメント |
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事業領域リスクコントロール活動・TOP5リスクコントロール活動実施率 | 100% | 100% | 100% |
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BCP訓練実施回数 | 1回以上/年 | 2回 | 3回 |
日本化薬グループは、特定したサステナビリティ重要課題のリスクと機会を認識した上で、リスクを低減し、新たな事業成長につながる機会を取り込むことで、持続可能な社会の実現とさらなる企業価値の向上を目指します。
サステナビリティ 重要課題 |
リスク | 機会 | |
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企業存続に関わる最重要課題 | コンプライアンスの徹底 |
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ステークホルダーからの信頼獲得 |
コーポレートガバナンスの強化 | 事業活動の停滞 |
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最重要課題 | 品質と顧客の安全 |
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高品質の製品供給による顧客の信頼獲得 |
サプライチェーンにおける環境・社会配慮 | お取引先の違法行為・コンプライアンス違反による企業活動への悪影響 |
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エネルギー消費量と温室効果ガス排出量の削減 排水および廃棄物の削減 水資源利用の効率化 |
【移行リスク】
【物理リスク】
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重要課題 | 職場の労働安全衛生 |
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雇用の維持・拡大と人材育成、人権尊重 |
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リスクマネジメント | 経営に関わるリスクの増加 | 非常時の事業継続性の確保 |