日本化薬グループは、「環境・健康・安全と品質に関する宣言」で汚染防止に努め、環境の保全に取り組むことを掲げています。環境負荷低減を通じて、環境価値の向上に努めることが、当社として重要な課題であると認識しています。事業活動により発生した化学物質の大気、水域、土壌への排出については、各国・地域の法令を遵守し、法令より厳しい基準値を定めて排出量を管理し、汚染・汚濁物質の排出削減に取り組んでいます。
日本化薬グループは、各事業場・グループ会社において、排水や廃棄物が適正に管理されているかについて中央環境安全衛生診断で監査を実施しています。中央環境安全衛生診断では、排水や廃棄物の管理で法令や条例上の不備や問題がないか、また廃水処理場や廃棄物置場を確認して、管理状況に問題がないか確認をしています。
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サステナビリティ 重要課題 |
目指す SDGs |
アクションプラン | 重要指標(KPI) | 2025年度 到達目標 |
実績 | |
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2023年度 | 2024年度 | |||||
エネルギー消費量と温室効果ガス排出量の削減 排水および廃棄物の削減 水資源利用の効率化 |
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VOC排出量 | (単)実績を開示 | (単)32.9トン | (単)60.3トン | |
COD排出量 | (単)実績を開示 | (単)210.9トン | (単)222.2トン |
日本化薬は大気汚染防止法で規定されるVOCだけでなく、日本化学工業協会が指定する化学物質も集計して幅広くVOC排出量削減に取り組んでいます。また自主管理対象12物質であるジクロロメタンやホルムアルデヒド等の有害大気汚染物質排出量の削減にも取り組んでいます。なお、以下に主な取り組みの例を挙げます。
日本化薬では、これまで以下のような対策に取り組み、SOx、NOxおよびばいじんの排出量を規制値よりも低いレベルで管理しています。
日本化薬グループでは、各工場において製造工程で排出される廃水の組成に応じた廃水処理設備を備え、基準値超過を起こさないように法律や各自治体の条例の排出基準より厳しい自主管理値を設定し排水管理を行っています。2024年度も水質汚濁防止法等の排水に関する法令や条例、廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃掃法)等の廃棄物排出に関する法令等の違反はありません。
テクノロジー統括RC・技術統括部では、2023年9月に環境法令の理解を深めるため土壌汚染対策法に関わる講習会を国内事業場の施設担当者および環境保安担当者を対象に開催しました。土壌汚染対策法は、土壌汚染の状況を把握し、土壌汚染対策の実施を図ることにより人の健康被害を防止することを目的とした法律です。当社ではさまざまな化学物質の取り扱いがあることから特定有害物質を使用した施設の廃止や土地の形質変更(掘削や盛土)の際には、法令に基づいた適正な対応が必要であるため土壌汚染対策に関する知識が必要です。この講義では約50名の参加者が、専門家から土壌汚染対策法の概要や目的、届出の手続き方法について具体的な事例を紹介してもらいながら学びました。今後も定期的に社内講習を開催し、従業員の理解を深めながら法令順守に努めていきます。
上越工場では、偏光板を生産しており、生産工程で毎月約20,000m3の水を使用しています。
生産に伴って排出される廃水はさまざまな化学物質を含んでおり、その廃水は処理装置によって、工程水として再利用することで産業廃棄物量を削減しています。また、河川に放流する廃水は分析計を用いた水質監視を行ったうえで、条例で定められた規制値よりもさらに厳しく自主管理基準値を設定し、基準を満たしているものを河川に放流しています。
同工場では安全品質管理部環境保安課の従業員が講師となり、作業・監督を行う従業員を対象に生産に使用された廃水をどのように処理して河川に放流しているか、廃水処理設備や排水方法について研修を実施しています。今後も定期的に研修を実施し、従業員の理解を深め、環境負荷の低減に努めていきます。