コンプライアンス

方針・基本的な考え方

日本化薬グループは、コンプライアンスを法令、社内規程および業界ルールの遵守はもとより社会規範や社会からの要請に応えるもの、そしてさまざまなステークホルダーの信頼に応え続けていくこととして幅広く捉えています。
また、グループ共通の行動規範として「日本化薬グループ行動憲章・行動基準」を定め、これらの精神に基づいた事業活動を通じて、社会的責任を果たし社会への貢献に努めています。
そして、事業活動におけるコンプライアンスの徹底に取り組み、トップマネジメントによる力強いリーダーシップのもと、コンプライアンス活動をさらに推進していきます。

日本化薬グループの行動憲章・行動基準

日本化薬グループは「コンプライアンスは企業活動における最優先課題」として2000年に「日本化薬グループ行動憲章・行動基準」を制定しました。その後、2011年にISO26000(組織の社会的責任ガイダンス規格)を踏まえた内容に改定し、2020年には持続可能な社会の実現に向けて、自主的に実践していくことを目的として改定しました。

日本化薬グループ行動憲章

事業活動について

  1. 日本化薬グループは、製品・サービスの安全性・信頼性に十分に配慮し、お客様との対話と適切な情報提供を通して、お客様の満足を追求した製品・サービスを提供します。
  2. 日本化薬グループは、すべての事業活動において、競争法をはじめとする関連法令やその精神ならびに社内規則等を遵守し、公正、透明、自由な競争を行います。また、政治、行政との健全な関係を保ちます。
  3. 日本化薬グループは、すべての事業活動において人権を尊重し、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がい等による理由で不当な差別を行いません。
  4. 日本化薬グループは、会社の資産を適切に管理・活用し、事業活動の効率化を図り、継続的な発展に努めます。
  5. 日本化薬グループは、市民生活や企業活動に脅威を与える反社会的勢力の行動や、テロ、サイバー攻撃、自然災害等に備え、組織的な危機管理を徹底します。

社会との関係について

  1. 日本化薬グループは、各国・各地域の文化・宗教・伝統等を尊重し、社会との協調を図り、良き企業市民として社会の発展に貢献します。
  2. 日本化薬グループは、事業活動に関する情報を、ステークホルダーに対して客観的事実に基づき適時適切に開示します。また、ステークホルダーと建設的な対話を通じて企業価値の向上を図ります。
  3. 日本化薬グループは、持続可能な社会・環境に貢献するため、地球環境への影響を常に考慮し、関連法令等の遵守はもとより自主基準を設定して、自然と調和のとれた事業活動をめざします。

情報の取り扱いについて

  1. 日本化薬グループは、事業活動を通じて保有した情報を適切に保護し、情報管理に万全な対策を講じます。また、情報の財産的価値を認識し、他者の知的財産等の権利を尊重します。

会社と個人の関係について

  1. 日本化薬グループは、労働関連法令を遵守し、安全で働きやすい職場環境を確保するとともに、個人の基本的人権や多様性、人格、個性を尊重します。

経営トップの役割と本憲章の徹底

  1. 日本化薬グループの経営に携わる者は、本憲章の精神の実現が自らの役割と責務であることを認識して経営にあたり、すべての従業員に周知徹底します。また、グループ内外の声を把握し、実効あるグループ内体制の整備を行うとともに、企業倫理の徹底を図ります。本憲章の精神に反するような事態が発生したときは、自らが問題解決にあたる姿勢を内外に明らかにし、原因究明、再発防止に努めます。
日本化薬グループの行動憲章・行動基準
日本化薬グループの行動憲章・行動基準

医薬事業における高い倫理性と透明性

製薬企業はその事業活動において常に高い倫理性と透明性を確保し、医歯薬学系の研究者や医療関係者、卸売販売業者、患者団体等といった社外のステークホルダーと相互の信頼関係を構築し、倫理的で患者の立場に立った最適な医療が行われるように努めることが求められています。
日本化薬は自らの行動がこの製薬協コードの趣旨に則った行動であるかを判断する基準として「日本化薬コード・オブ・プラクティス」を制定しています。我々の事業活動の根幹である企業倫理、コンプライアンスの周知徹底をより明確にし、高い倫理観を持ってこれを遵守し企業活動を推進しています。

体制

日本化薬グループは、グループ全体でコンプライアンスを徹底するため取締役会の指導・監督のもとサステナブル経営会議の専門委員会として「倫理委員会」を設置し、年2回(必要があれば随時)開催しています。
倫理委員会は、社長の指名を受けた役付執行役員を委員長とし、各事業領域企画部および事業領域に属さない一般管理部門の各部の代表者から構成されています。「日本化薬グループ行動憲章・行動基準」や「日本化薬グループ贈収賄防止基本方針」において利益相反や公務員への不正な働きかけなど腐敗防止を含むコンプライアンスの遵守に関する方針・具体策を決定するとともに、相談事案・発生事案の対応と再発防止策を検討・決定しています。倫理委員会で議論された内容のうち、腐敗防止を含む重要な事項はサステナブル経営会議および取締役会に報告されフィードバックを受けています。

倫理委員会

内部監査

日本化薬グループでは、腐敗防止、不正・誤謬の未然防止、業務改善、資産の保全等のコーポレートガバナンスの強化に資するために、内部統制システムの構築の基本方針に従って代表取締役社長直轄の組織として監査部を設置しています。監査部は、サステナブル経営会議で承認された年度監査計画に基づき、3年間に1回は国内外のグループ会社を含む全部門を対象として、全業務(経営態勢、運用管理態勢、財務管理態勢、法令遵守態勢、倫理基準遵守、腐敗防止等)の内部監査を実施しています。監査結果は、代表取締役、監査役および監査役会に速やかに報告するとともに、取締役会にも社内データベースを用いて定期的に報告しています。

目標と実績

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サステナビリティ
重要課題
目指す
SDGs
アクションプラン 重要指標(KPI) 2025年度
到達目標
実績 2024年度
取り組みに関するトピックス
2023年度 2024年度
コンプライアンスの徹底 平和と公正をすべての人に
  • 企業活動を行う上での基本原則であるコンプライアンスを徹底し、公正な事業運営を遂行する
  • 高い倫理観をもつ風通しの良い企業風土を維持・強化する
重大コンプライアンス違反件数 0件 0件 0件
  • 重大なコンプライアンス違反なし。
  • 年度必須コンプライアンス研修で「職場におけるコミュニケーション」をテーマに、すべての国内グループ会社を対象に研修を実施した。
  • コンプライアンス通報窓口未設置の海外グループ会社と協議し窓口を設置した。2025年度は利用の普及に向けた啓発・教育に努める。
コンプライアンス研修の実施率 100% 96% 97.7%
コンプライアンス通報窓口設置率 100% 83% 100%
  • 倫理委員会にて重大と判断した案件数

取り組み

内部通報制度

日本化薬では、内部通報制度を制定しており「コンプライアンス・ホットライン」を設置することで、不正行為等の未然防止と早期発見および是正に努めています。
「コンプライアンス・ホットライン」は国内の日本化薬グループすべての役員・従業員(契約社員、パート社員含む)、派遣社員および退職者(退職後1年以内)が利用することができます。海外のグループ会社においては各グループ会社が設置している内部通報制度を利用しています。
通報内容は法令違反や不正行為、日本化薬グループの行動憲章・行動基準をはじめとする社内規程類の違反、企業モラルに反した行為などを不正行為としており、人権侵害・ハラスメント・贈収賄・不正な取引・包括的な腐敗行為なども含みます。日本化薬グループの業務において不正行為等が発生、または発生する恐れがあることに関して、通報・相談を随時受け付けています。
「コンプライアンス・ホットライン」は倫理委員会事務局(内部統制推進部コンプライアンス担当)および社外法律事務所に窓口を設け、実名または匿名で通報先を選択して通報・相談できる体制を整えています。また、通報手段は電話、電子メール、書面、面会から選択できます(電話・面会を除き、24時間受付可)。
「コンプライアンス・ホットライン」の窓口に通報・相談があった際、倫理委員会事務局は調査の要否について検討し、調査が必要と判断された案件について事実関係を調査します。調査によって不正行為等が明らかになった場合は速やかにその是正措置および再発防止策を講じます。その後、倫理委員会事務局は調査の結果および是正措置の結果を通報者に通知します。
内部通報制度は機密性・匿名性が担保された制度となっており、通報者に対して通報・相談したことを理由にいかなる不利益な取り扱いを行ってはならないことを「内部通報処理規程」に明記しています。
内部通報制度と「コンプライアンス・ホットライン」の窓口の周知のため、集合研修やeラーニング、社内ポータルサイトでの案内、職場での周知ポスターの掲示、携帯カード配付などを行っています。

通報・相談ルート
通報・相談ルート
過去5年間の通報・相談件数と内容

2024年度の通報・相談件数は、25件(単体17件、グループ会社8件)でした。受け付けた通報・相談に対しては事実確認や調査と必要に応じて是正処置を行いました。なお、事業運営に影響を及ぼす内容の重大な案件はありませんでした。今後も社内研修などを通じて内部通報制度を周知し、さらなる利用促進を図ることにより、不正・不祥事の未然防止・早期発見・拡大防止に努めます。

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通報・相談内容 対象範囲 単位 2020 2021 2022 2023 2024
パワハラ・セクハラ等ハラスメント 単体 6 2 7 16 8
グループ会社 - - - - 5
会社のルールやマナー違反 単体 0 0 2 3 6
グループ会社 - - - - 3
労務・労働関係 単体 1 1 3 5 3
グループ会社 - - - - 0
その他 単体 0 1 4 3 0
グループ会社 - - - - 0
合計 単体 7 4 16 27 25

お取引先からのコンプライアンス・ホットライン

日本化薬グループは、法令違反などの行為に関する「お取引先からのコンプライアンス・ホットライン」を設置しています。以下1~5をご確認いただき、通報される場合は、6の「お取引先からのコンプライアンス・ホットライン」より、通報・相談ください。

  1. ご利用対象者
    国内の日本化薬グループ会社と業務上の取引をしているお取引先の役員・従業員の方。
  2. 通報・相談の対象
    国内の日本化薬グループ会社の役職員が、法令違反行為・反倫理的行為を行っている、または行おうとしているのを発見した場合。
  3. 通報・相談先
    日本化薬株式会社 倫理委員会事務局(内部統制推進部)
  4. 通報・相談にあたってのお願い
    ご通報者の勤務先名・氏名・所属部署名をご明示ください。なお、事情により勤務先名、氏名などのご明示ができない場合は匿名での通報・相談もお受けしますが、事実確認や調査に支障をきたす恐れ、調査結果・再発防止策等の回答が行えない恐れがあります。
  5. 通報・相談者の保護
    ご利用者の個人情報等は、調査等に必要な範囲でのみ使用し、当社の「個人情報保護方針」に基づいて厳重に取り扱います。また、通報・相談者が通報・相談したことにより不利益を受けることはありません。
  6. 通報・相談の方法
    通報・相談は「お取引先からのコンプライアンス・ホットライン」よりお願いします。
通報・相談件数

「お取引先からのコンプライアンス・ホットライン」は2021年度より設置しています。通報・相談件数は、2024年度は4件でした。受け付けた通報・相談に対しては事実確認や調査と必要に応じて是正処置を行いました。なお、事業運営に影響を及ぼす内容の重大な案件はありませんでした。今後もお取引先からのご指摘を真摯に受け止め、取引の公正性、透明性の向上に取り組んでまいります。

お取引先からの通報・相談件数
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通報 対象範囲 単位 2020 2021 2022 2023 2024
お取引先からの通報・相談件数 単体 - 0 1 0 4

社内浸透

日本化薬グループは、グループ全体にコンプライアンス徹底の意識が浸透し確実に実践するため「日本化薬グループ行動憲章・行動基準」の内容をいつでも確認できるように企業ビジョンや行動憲章・行動基準を掲載した携帯カードと行動憲章・行動基準を分かりやすく解説した冊子を製造拠点のあるすべての国の言語6か国語(日本語・英語・中国語・スペイン語・マレー語・チェコ語)で作成し、日本化薬グループ全役員・全従業員に配付しています。
また、毎年10月を「コンプライアンス推進月間」とし、倫理委員会委員長から国内グループ会社のすべての従業員に向けて社内報を通じてメッセージを発信するとともに、コンプライアンスの浸透度を継続的にモニタリングし改善につなげるために「コンプライアンス意識調査」を実施しています。
海外グループ会社のコンプライアンス活動は各国の法令や商慣習などに沿って実施しています。中国では毎年、各グループ会社の総経理と倫理担当者が集まり倫理担当者会議を開催し、各社のコンプライアンスの取り組みや課題の報告、課題や問題点の抽出と対策について話し合います。また、日本化薬の内部統制推進部とKSCの法務担当が協力して、現地従業員へのコンプライアンス研修を各社で行っています。今後も各国の状況を踏まえ、各グループ会社および部署間の連携を深め、より効果的かつ効率的なグローバルコンプライアンス活動になるよう取り組んでいきます。

  • KSC:化薬(上海)管理有限公司 中国にある管理会社

教育研修

日本化薬グループは、すべての役員・従業員(契約社員、パート社員含む)および派遣社員を対象に、当社グループの行動憲章・行動基準および腐敗防止に関するeラーニングを毎年実施しています。このeラーニングでは、日本化薬グループ行動憲章・行動基準および関連したテーマについて、贈収賄・腐敗防止、基本的人権、ハラスメント、内部通報制度の利用方法などの最新状況や事例を踏まえて作成し、コンプライアンス研修として毎年実施しています。また、職場ごとに定例会議などの場を利用した勉強会や事例を基にした研修を行っています。
ハラスメントに関してはハラスメント防止のために、すべての役員・従業員を対象に毎年研修を実施しています。研修は管理者も非管理職も同じ内容ですが、ハラスメントの定義や事例、未然防止策、事案が発生したときの対応などの認識を共有することで、意識啓発と未然防止に取り組んでいます。
また、グループでのコンプライアンス徹底のために、日本化薬グループ会社の新任取締役を対象としたコンプライアンス研修も実施しており、経営的観点での必要な知識の習得を推進しています。
すべての従業員に対して研修機会とプログラムを提供するために、日本化薬では eラーニングを中心に研修を実施し、グループ会社では集合研修を主体に行いました。

研修名 主な内容 主な対象 年度 受講形式 回数
コンプライアンス研修(年度・必修) 職場におけるコミュニケーション 役員、従業員(契約社員、パート社員含む)、派遣社員 2024 eラーニング・集合研修 1
サステナビリティ研修(必修) 贈収賄防止基本方針、過度な接待行為の供与・接受の禁止、国家公務員倫理規定の禁止行為 役員、従業員(契約社員、パート社員含む)、派遣社員 2024 eラーニング 1
コンプライアンス研修 日本化薬グループ行動憲章・行動基準および関連したテーマで研修を実施
  • ハラスメント
  • 基本的人権
  • 労務関係 など
役員、従業員(契約社員、パート社員含む)、派遣社員 2024 eラーニング 6
リスクマネジメント研修 判断に影響するバイアス 役員、従業員(契約社員、パート社員含む)、派遣社員 2024 eラーニング 1
新入社員研修※1 日本化薬グループのコンプライアンス 新入社員 2024 集合研修 1
新任管理職研修※1 日本化薬グループのコンプライアンス 新任管理職 2024 集合研修 2
海外赴任者研修※2 行動憲章・行動基準、贈収賄防止基本方針、等 海外赴任者 2024 対面・ウェブ 11
  • ※1毎年実施
  • ※2海外赴任予定者に対して赴任前に実施

コンプライアンス意識調査

日本化薬グループでは、すべての役員・従業員(契約社員、パート社員含む)および派遣社員 を対象に、2015年度からコンプライアンス意識調査を1年に1回実施しています。コンプライアンス意識調査は、仕事の取り組みや職場環境に関する従業員の意識を客観的に確認し、コンプライアンス違反のない、風通しの良い、心理的安全性の高い職場環境づくりに役立てることを目的として実施しています。コンプライアンス意識調査の集計結果や分析結果については、コンプライアンス推進に関する各職場の課題を抽出した上で、改善提案を含めそれぞれの職場へフィードバックしています。各職場は、これらを参照して次年度のコンプライアンス・アクションプランを策定し、意識向上のためにPDCAを回しています。

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