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モビリティ&イメージング事業領域
モビリティ&イメージング事業領域では、長年培ってきた火薬技術を応用した自動車安全部品を提供するとともに、高度な光制御やX線制御の技術を用いて、画像・映像表示機器に欠かせない部品を提供しています。今後ますます、自動車の発展や画像・映像技術の向上が見込まれるため、当社のもつノウハウを発揮し、世の中に貢献していきます。
セイフティシステムズ事業
エアバッグや
シートベルトの
性能を向上し
⾃動⾞の円滑な⾛⾏に
不可⽋な「安全」を確保
100年に1度の変革期を迎えた自動車業界
これまで以上の高い安全性能が重要に
技術⾰新が進み、100年に1度の変⾰期を迎えているといわれる⾃動⾞業界。⾃動運転の実現・普及や、交通事故死者数の削減を⽬指すSDGsなどの動きを背景に、技術⾰新とともに安全基準が厳格化しています。その影響により、運転席・助⼿席の搭乗者を守る従来のエアバッグだけでなく、さまざまな安全部品の搭載数が年々増加中です。⾃動⾞⽣産数以上の伸びが、今後も⾒込まれています。
世界の自動車生産台数と安全部品搭載点数(実績と予測)
衝突時に搭乗者を守る
エアバッグとシートベルトの機能
交通事故での負傷リスクを低減するには、衝突時に体が受ける衝撃を最⼩限に抑えることが重要です。そのためには、エアバッグやシートベルトの制御機能が⽋かせません。衝突した瞬間に搭乗者を守るために、エアバッグが膨らむとともにシートベルトが巻き取られ、体が前⽅へ⾶び出してしまうことを防ぎます。交通事故は、⼀瞬の出来事。そのため、これら⼀連の動作はスピードが重要なのです。
衝突前
衝突後
0.05秒で命を守る
短い時間のなかに
結集した
KAYAKUのプライド
⽇本化薬では、エアバッグやシートベルトに使われる安全装置を提供しています。衝突からエアバッグが開いてシートベルトを巻き取り、搭乗者が受ける衝撃を吸収するまでの時間は、わずか0.05秒。このスピードは、安全装置の動作に必要なエネルギーを瞬時に発⽣できる、⾼度な⽕薬技術により実現しています。また当社は、世界的なニーズの⾼まりに応えるため、⽣産拠点を⽇本やチェコ、中国、メキシコ、マレーシアの5か所に設置。各国の動向に合わせて最適なルートで製品を届けられる体制により、業界内での存在感を⾼めています。
主な製品紹介
インフレータ
⾃動⾞に搭載されているエアバッグを膨らませるための部品です。⽕薬の⼒でガスを発⽣させて、衝突時にエアバッグを瞬時に膨らませ、事故から⼈を守ります。エアバッグはハンドルだけでなく、搭乗者の側面や膝付近にも搭載されるため、用途に合わせてディスク型とシリンダー型の2種類の形状のインフレータを製造しています。
マイクロガスジェネレータ
衝突時にシートベルトを巻き取る装置(シートベルトプリテンショナー)に使用されるガスを発生させる部材です。シートベルトプリテンショナーは事故の衝撃を抑えるために、膨らんだエアバッグに対して体を適切な位置に固定するようシートベルトを巻き取ります。この機能はエアバッグよりも先に作動する必要があり、その実現のために瞬時かつ確実に発火する高度な火薬の技術が使われています。当社が開発するマイクロガスジェネレータは、世界シェアNo.1です。
スクイブ
エアバッグを膨らませる「インフレータ」や、シートベルトを巻き取る「マイクロガスジェネレータ」に組み込まれている点火用部材です。センサーが衝突を感知すると、スクイブに電気信号が流れて薬剤が発火し、インフレータやマイクロガスジェネレータが作動します。世界トップシェアを誇る技術で、安全で快適なドライブを支えます。
エアロ事業
次世代エアモビリティの発展に向けて
「空の安全」を支える
既存インフラの限界と
現代社会が直面する4つの深刻な課題
交通インフラの整備が進む一方、現代社会は既存の枠組みでは解決できない課題に直面しています。物流業界では人手不足によりトラックドライバーの確保が困難を極め、農業でも従事者の高齢化と減少が進んだ結果、作業の人的コストが激増しています。また、各種点検業務は多大な時間とコストに加え、高所作業などの危険を伴うのが現状です。さらに災害時には、山間部の孤立や道路の寸断による通行止めといった陸路の脆弱性も浮き彫りになります。このように、陸上を中心とした従来の対応策が限界を迎えるなか、これまでの移動や輸送の概念を覆す新たな解決策が求められています。
空のインフラが現実となる今
社会実装の鍵を握る「安全装置」
こうした限界を打破する「新たなインフラ」として今、ドローンをはじめとするエアモビリティが世界的に注目を集めています。ドローンはすでに各地で運用が開始されており、さらに2022年の航空法改正(国内)によって有人地帯での目視外飛行(レベル4)が解禁されたことで、その利活用は勢いを増す見込みです。しかし、社会実装が本格化する一方で、安全性の確保は最優先の課題です。人や建物などへの衝突を防ぎ、誰もが安心して利用できるモビリティとして飛行エリアの制限をなくしていくためには、確実な安全装置の搭載が不可欠となっています。
人や建物への衝突を防ぐために安全装置が必要不可欠
産業用ドローン向け
緊急パラシュートを
国内で初めて
開発・販売
自動車のエアバッグを膨らませる部材において20年以上の実績がある日本化薬では、その火薬技術を応用した、安全性・確実性の高い産業用ドローン向け緊急パラシュート「PARASAFE®」を開発しました。ドローンの落下を自動で検知し、パラシュートを高速で展開させて、人や建物、搭載物、ドローン本体を守ります。これまで、パラシュートの展開にはバネを使う方式もありましたが、「速く確実に展開できるか」という点への信頼性の低さが課題でした。そこで、火薬方式の採用が世界的に進んでおり、なかでも日本化薬は火炎が出ず安全性の高い「アクチュエータ方式」を採用しています。2023年には、PARASAFE®を搭載した株式会社ACSLのドローンが、都市部や住宅街といった「有人地帯における目視外飛行」の認証を国内で初めて取得しました。
今後は世界最大のドローン生産国である中国を主要ターゲットとして、PARASAFE®の早期展開を目指しています。中国では農薬散布や物流においてドローンの活用が進んでおり、安全装置分野でも市場は世界最大規模です。そのため、中国のグループ会社を通じて営業・マーケティングを展開し、現地から製品を提供できる強みも活かして市場開拓を進めています。
さらに、国内外で伸長する市場規模を見据えて、パラシュート単体での提供のほか、ドローン機体にパラシュートを組み込んだ製品の提案も実施。日本化薬は、次世代エアモビリティの発展を多角的に支えていきます。
製品紹介
PARASAFE®︎
ドローンに異常が発生した際に、極少量の火薬を用いてパラシュートを射出・展開し、ドローンをゆっくりと降下させるための装置です。火薬を使用しますが火炎は出ず、さらに誤作動防止装置も搭載しているため、安心して利用できます。
ポラテクノ事業
過酷な環境下での
画像表示のほか
非破壊検査でも
必須の高度な
「光・X線制御技術」を保有
画像・映像表⽰機器の普及と
さらなる広がり
今では私たちの⽣活に⽋かせない存在となった画像や映像を表⽰する機器は、従来のテレビやパソコンなどだけでなく、⾃動⾞のフロントガラスに映すヘッドアップディスプレイ(HUD)のような新しい⽤途へと、活躍の場を広げています。さらに医療やセキュリティの分野ではX線分析をはじめとする技術が正確な診断・検査を⽀え⼈々の健康維持や安全保障に⼤きく貢献。情報を⽬で⾒える形で伝えられる「光を制御する技術」はその重要性が今後もますます⾼くなり⽤途がさらに拡⼤すると考えられています。
光・X線制御の基礎と
次世代デバイスに求められる⾼度な技術
光とX線はどちらも、あらゆる⽅向に振動しながら進む性質をもつ電磁波の仲間です。電磁波を精密にコントロールすることで、鮮明な画像表⽰が可能になるだけでなく、本来は見えない物体内部の可視化を実現し、物体の成分なども分析できます。光を制御する基礎的な部材が「偏光板」です。偏光板は特定の⽅向に振動する光だけを透過させ、不要な光を遮断するフィルターの役割を果たします。⼀⽅、物質を透過する性質を持つ「X線」の制御においては、主に3つの重要な部材が関わります。1つ⽬はX線を⽣み出す「ソース(発⽣源)」、2つ⽬は発⽣したX線を効率よく取り出す「ウィンドウ(放射窓)」、そして3つ⽬は透過したX線をキャッチしてデータ化する「ディテクター(検出器)」です。これらの部材には、極めて⾼い技術⼒が求められます。近年の光デバイスの進化にともない、制御性能の向上はもちろん、⾼温環境などの過酷な条件下でも性能を維持できる⾼い耐久性が不可⽋となっています。
光を制御する部材「偏光板」
X線を制御する重要な3つの部材
社会を便利で
快適にする
光・X線制御の技術
⽇本化薬は、⾼い耐久性や耐熱性が求められる特殊⽤途の偏光板を得意としています。なかでも、祖業から受け継ぐ染料合成のノウハウと社外から取り⼊れたフィルム加⼯の技術を融合した「高耐久染料系偏光板」は、過酷な耐久性試験が必要な車載用途を中心に利用されてきました。近年では、⾃動⾞のフロントガラスに映すヘッドアップディスプレイ(HUD)の遮光保護に使う偏光板など、性能と耐久性の⾼度な両⽴が求められる新しいニーズに応えています。また、X線の取り扱いも得意としています。X線制御の主要な3つの部材である、X線を⽣み出す「ソース(発⽣源)」、発⽣したX線を効率よく取り出す「ウィンドウ(放射窓)」、透過したX線をキャッチしてデータ化する「ディテクター(検出器)」のすべてを製造していることに加え、⼩型かつ軽量、さらにカスタム可能な点が⼤きな強みです。これらの部材を提供し、特に⼩型のX線分析装置の実現に貢献しています。例えば、空港や国境警備で使⽤するハンディタイプの検査機器や、⾦属のリサイクル時に使う検査機などに、当社の製品が組み込まれています。2020年には、その品質と耐久性の⾼さが評価され、NASAの⽕星探査機にX線分析⽤部材が採⽤されました。
主な製品紹介
高耐久染料系偏光板
耐熱性と耐光性に優れており、過酷な環境でも、機能を維持できるのが特徴です。⾞載ディスプレイやフロントガラスに映すヘッドアップディスプレイ(HUD)⽤遮光板などに利⽤されています。
X線分析装置用部材
X線制御の主要な3つの部材である、X線を⽣み出す「ソース(発⽣源)」、発⽣したX線を効率よく取り出す「ウィンドウ(放射窓)」、透過したX線をキャッチしてデータ化する「ディテクター(検出器)」を取り扱っています。⽇本化薬の製品は⼩型で軽いことに加え、低発熱であることから、空港や国境警備に使⽤するハンディタイプのX線検出器などに利⽤されています。
日本化薬が
注力する
「宇宙産業用火薬
応用デバイス」
もっと便利な
社会の実現へ。
宇宙産業の進歩を、
私たちの技術で支える
世界中のどこにいても
インターネットがつながり、
移動する船舶や飛行機を瞬時に追跡できる。
そして、災害時には地球上の
あらゆる状況をいち早く把握する――。
そんな利便性が一段と高まる
未来の実現に向けて、
いま世界中が熱い視線を注いでいます。
2040年には約140兆円規模へと
急成長が見込まれる、世界の宇宙産業市場。
日本化薬グループでは、
この無限の可能性を秘めた市場に対し、
長年培ってきたコア技術である
「火薬応用デバイス」を投入。
ロケット製造などの最先端分野へ、
すでに製品の提供を開始しています。
製品/開発テーマ
ロケットエンジン用火薬応用デバイス
人工衛星打ち上げ用の液体燃料ロケットにおける、国内のリーディングカンパニーであるインターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道広尾郡大樹町)。そのロケット開発の成否に関わる重要なエンジンのパーツを、私たち日本化薬が共同で開発しています。日本化薬が自動車安全部品の分野で20年以上培ってきた火薬の技術を応用した、必要なエネルギーを瞬時に生み出す「高品質」「高性能」「高信頼性」なデバイスを、コンパクトかつ軽量に設計できる点が評価されています。
2026年4月には、開発した火薬応用デバイスがロケットエンジンの燃焼試験で採用。推力13トンを記録し、エンジンの心臓部であるターボポンプも目標回転数に到達しました。国内で開発されたメタンエンジン※として、過去最大の推力を達成するという大きな成果に貢献することができました。
※環境配慮型のエンジン
ロケットエンジン燃焼試験の様子
人工衛星用スラスタ(推進装置)
宇宙ごみ(スペースデブリ)との衝突を避ける、運用終了後に周回軌道から離すなど、人工衛星を制御するニーズが高まっています。そこで注目されている部品が「固体推進スラスタ」です。固体推進スラスタは、推進薬を燃焼させてガスを噴射し、人工衛星を制御する推力となります。
私たちが提案する固体推進スラスタ開発の先進的な取り組みが高く評価され、日本化薬はJAXA※が設置する宇宙戦略基金「SX中核領域発展研究(SX-ARK)」に採択されました。SX-ARKは、挑戦的・萌芽的な技術開発や早期の実証を支援し、事業構想への発展や我が国の技術基盤の底上げを目指す制度です。この採択を受けて、これまで培ってきた⽕薬技術を活用した研究を推し進め、宇宙空間という極限の環境下でも人工衛星などの姿勢制御や軌道修正にエネルギーを供給できる製品の実現を⽬指していきます。
※国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
イメージ
(SX-ARK)







