日本化薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:川村 茂之、以下「日本化薬」)は本日、Nuvation Bio Inc.(本社:米国ニューヨーク、CEO:David Hung, M.D. 以下、 「ニュベーション社」)より導入しました「イブトロジー
Ⓡカプセル 200mg」 (一般名:タレトレクチニブアジピン酸塩、以下、「イブトロジー
Ⓡ」)について、「
ROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能又は効果とした製造販売承認(以下、「本承認」)を厚生労働省より取得しましたので、お知らせいたします。
本承認は
ROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)を対象とした2つの第II相臨床試験(TRUST-I及びTRUST-II)の結果などに基づくものです。これらの試験により、日本人患者も含め、
ROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発のNSCLC 患者に対するイブトロジー
Ⓡの有効性が示されました。
日本化薬は2023年10月に、現在ニュベーション社傘下であるAnHeart Therapeutics Inc.と、日本国内におけるイブトロジー
Ⓡの販売および流通に関する独占的ライセンス契約を締結しました。国内における本承認は米国(2025年6月)及び中国(2024年12月)の製造販売承認に続くものです。
日本化薬は
ROS1 融合遺伝子陽性の進行性NSCLCを有する患者様に新たな治療の選択肢であるイブトロジー
Ⓡを速やかに提供できるよう、引き続き、取り組んで参ります。
なお、イブトロジー
Ⓡのコンパニオン診断薬として承認されているAmoyDx
Ⓡ肺癌マルチ遺伝子PCRパネルに関する情報は、
株式会社理研ジェネシスのホームページをご参照ください。
イブトロジーⓇについて
販売名 | イブトロジーカプセル200mg |
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一般名 | タレトレクチニブアジピン酸塩 |
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製造販売承認日 | 2025年9月19日 |
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効能又は効果 | ROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌 |
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用法及び用量 | 通常、成人にはタレトレクチニブとして1日1回600mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。 |
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製造販売元 | 日本化薬株式会社 |
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以 上
参考
ニュベーション社について
同社は、がん治療における最難関の課題に挑み、患者さんの人生に大きな良い影響をもたらす治療法の開発を目指す、グローバルなオンコロジー企業です。同社の開発パイプラインは、ROS1阻害剤「taletrectinib(IBTROZI™)」の他、脳移行性IDH1阻害剤「safusidenib*」、標的がん治療向けに設計された革新的な薬物-薬物複合体(DDC)「NUV-1511*」、BD2選択的BET阻害剤「NUV-868*」など多岐にわたっています。同社はバイオ医薬品業界で豊富な経験を有するDavid Hung, M.D.によって2018年に設立されました。同氏は世界有数の前立腺癌の治療薬を世に送り出したMedivation, Inc.の設立者でもありました。現在、同社のオフィスは、ニューヨーク、サンフランシスコ、ボストン、上海にあります。
(
https://nuvationbio.com) (*:国内未承認)
ROS1 融合遺伝子陽性のNSCLCについて
世界全体で毎年100万人以上が、肺癌の中でも最も一般的であると言われているNSCLCと診断されています。NSCLCの患者さんの約2%は、
ROS1 融合遺伝子が陽性であると推定されています
1。新たに転移性の
ROS1 融合遺伝子陽性NSCLCと診断された患者さんの内、約35%が脳に転移した腫瘍を有しています
2。脳は腫瘍が進行する最も一般的な部位であり、初回治療後に脳に腫瘍が進行する患者さんの割合は約50%との報告があります
2,3。
1. Journal of Clinical Oncology. 2012 Mar 10; 30 (8):863-870.
2. Journal of Thoracic Oncology. 2018 Nov; 13 (11):1717–1726
3. Lung Cancer. 2019 Apr; 130:201-207.
イブトロジーⓇカプセル 200 mgについて
イブトロジー
Ⓡは、経口投与が可能で、強力、かつ選択的な次世代ROS1阻害剤です。本剤は既に米国及び中国おいて、局所進行または転移性の
ROS1 融合遺伝子陽性のNSCLCを有する成人の患者さんの治療薬として承認されています。米国における承認情報については、IBTROZI.comをご参照ください。
これまでの学会発表のデータの詳細につきましては、
ニュベーション社のホームページをご参照ください。
[本件に対するお問い合せ先]
日本化薬株式会社 コーポレート・コミュニケーション部
TEL:03-6731-5237