現中期事業計画KAYAKU Vision 2025の3年目となる2024年度は、当初計画に対して売上高で66億円上回るものの、営業利益で21億円下回る結果となりました。最終年度となる2025年度は、当初計画に対して売上高で46億円上回るものの、原材料価格高騰及び労務費増加の影響や、機能性材料事業では半導体市況の一部回復遅れ、医薬事業では研究開発費増加等の影響を受けて、営業利益は65億円下回る見通しです。当初計画未達という課題を残す見込みですが、ポートフォリオ改革による製品群の入れ替えや、原料高騰の価格転嫁への取り組み、資本効率向上などの様々な施策を継続し、収益力の強化に努めていく予定です。
売上高 | 営業利益 | ROE | ROIC | ||||
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目標 2,300億円 | 目標 265億円 | 目標 8%以上 | 目標 10%以上 | ||||
2024年度実績 2,226億円 | 自己評価 ○ | 2024年度実績 204億円 | 自己評価 △ | 2024年度実績 6.5% | 自己評価 × | 2024年度実績 7.1% | 自己評価 △ |
2030年度 46%減
(2019年度比)
2050年達成
次世代通信、DXに貢献する環境対応
半導体部材の提供
モビリティ分野の
安全・安心を担保する製品提供
QOL向上に貢献する
安定的に医薬品を供給する
世界的な食のニーズに応える
安全なアグロ製品の提供
顧客満足度の向上
取引先への人権デュー・ディリジェンス
従業員満足度の向上
ダイバーシティの推進
(女性管理職比率10%超など)
日本化薬グループは、複数の事業領域によって市況の変化に強い経営を推進しています。かつてセイフティシステムズ事業は、前身である産業用火薬の事業から自動車安全部品へ転換を図る際に、安定した収益を得られるまで機能化学品事業と医薬事業の業績で支えられました。
現在、セイフティシステムズ事業は成長局面にあり、所属するモビリティ&イメージング事業領域は当社の稼ぎ頭となっています。一方、ライフサイエンス事業領域に所属する医薬事業は、毎年の薬価改定による売上・利益への影響を数量でカバーする厳しい事業環境にあります。そこで、医薬事業収益力改善のために新薬導入等の投資を行い、他の2つの事業領域の収益をこれに充当することでライフサイエンス事業を活性化し、将来にわたる日本化薬グループ全体の成長を図ります。
各事業領域のおける製品群を、市場の成長性・伸び・魅力度と、収益力・競争力で評価、分類することで、位置づけを明確化しています。経営資源を適切に配分することでキャッシュ創出の最大化を図るとともに、収益力の改善が必要な製品群については、全社売上高に占める構成比を2%以下になるように、徹底的な収益力改善方法の模索や、改善が難しいものの撤退判断等により制御しています。
2025年5月現在の分類
重点事業 |
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新規/将来性事業 |
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基盤事業 |
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収益力改善事業 |
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次期中期経営計画に向けては、KV25における計画未達要因を十分に省みた上で、持続的な成長を実現する高い目標を掲げる必要があると考えています。そのために、日本化薬グループの「2035年のありたい姿」を意欲的な長期ビジョンとして定め、2035年からのバックキャスティングによって中期経営計画を策定する予定です。2035年到達までの期間は3つのPhase に分けて、PhaseⅠとなる2026年度~2028年度の新中期経営計画は、2025年度の決算説明会(2026年5月に実施予定)において公表いたします。