【重要課題】リスクマネジメント

方針・基本的な考え方

企業を取り巻く事業環境は日々変化しており、複雑かつ不確実性が高まる中、多種多様なリスクに直面しています。日本化薬グループは生産体制の維持、原材料の適正確保、災害対策の強化により事業継続性を確保することで、事業に関わるさまざまなリスクの顕在化を未然に防止し、リスクによる影響の最小化を図ります。
災害等の緊急事態の発生から「目標期間内に事業を復旧する」ために、本社・各事業部や工場においてBCPマニュアルを制定するとともに、海外事業場のBCPマニュアルの整備を推進しています。

体制

日本化薬グループは、リスクの顕在化を未然に防止し、リスクによる影響を最小化するためにサステナブル経営会議の専門委員会として「危機管理委員会」を設置し、年2回(必要があれば随時)開催しています。
危機管理委員会は、社長の指名を受けた役付執行役員を委員長とし、各事業領域企画部および事業領域に属さない一般管理部門の各部の代表者から構成され、日本化薬グループの企業経営、事業活動が甚大な損害を受けるリスクの未然防止、緊急事態発生時の対応、収束後のダメージ修復活動等の危機管理体制を構築・管理しています。危機管理委員会で議論された内容のうち、重要な事項はサステナブル経営会議および取締役会に報告されフィードバックを受けています。

危機管理委員会

指標

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サステナビリティ
重要課題
アクションプラン 重要指標(KPI) 2025年度
到達目標
2022年度
結果
2022年度
取り組みに関するトピックス
リスクマネジメント
  • 事業に関わるさまざまなリスクへ対応し、生産体制の維持、原材料の適正確保、災害対策の強化により事業継続性を確保する
事業等のリスクコントロール活動・TOP5リスクコントロール活動実施率 100% 100%
  • 日本化薬単体の各工場、すべてのグループ会社でTOP5リスクコントロール活動を実施(トレンドとしては地政学的なリスクの高まりから、原材料価格の高騰、原材料の供給途絶等のリスクが増加)
  • 国内2工場と海外4グループ会社においてTOP5リスクで重要と思われる点についてヒアリングを実施
  • 国内では地震発生時のBCP訓練として、導入した緊急時通信システムを2021年度に引き続き利用して実施
  • 中国グループ会社で現地コンサル指導の下、BCP訓練を実施
BCP訓練実施回数 1回以上/年 2回

取り組み

リスクの未然防止

「事業部リスクコントロール活動」と「TOP5リスクコントロール活動」

日本化薬グループは重要なリスクを特定し、コントロールするために「事業部リスクコントロール活動」と「TOP5リスクコントロール活動」を以下の通り年間を通じて実施しています。
「事業部リスクコントロール活動」は、7つの事業部を対象としています。各事業部で事業運営の視点から事業活動に大きな影響を与えるリスクを抽出し、対応策を検討します。
「TOP5リスクコントロール活動」は、工場・研究所、医薬支店・営業所、海外を含めたグループ会社を対象としています。現場である各事業場の視点から特に重要なリスクを5つ抽出し、対応策を検討します。
各事業部および各事業場で特定したリスクと対応策は危機管理委員会事務局である内部統制推進部へ報告します。内部統制推進部では網羅的にリスクの傾向を把握・分析し、重要なリスクとその対策は危機管理委員会での議論を経て決定され、サステナブル経営会議および取締役会へ年2回進捗および活動を報告しています。

ESGリスクへの対応

日本化薬グループは、サステナブル経営におけるリスクと機会を適切に把握し、リスクを低減するとともに新たな事業機会の獲得と事業成長につなげていく必要があると考えています。
2022年、日本化薬グループはサステナビリティ重要課題のリスクと機会およびTCFD提言に基づく情報を開示しました。事業を通じて環境・社会課題の解決に取り組むことで、持続可能な社会の実現とさらなる企業価値の向上を目指します。
今後も事業活動の多様化や環境・社会課題の変化に適切に対応するために、リスクと機会を定期的に見直し、情報開示の量と質の充実に努めていきます。

情報セキュリティへの取り組み

日本化薬では「日本化薬グループ行動憲章・行動基準」で定められている「情報の取り扱いについての行動基準」のもと、日常的に企業情報を保護し、情報セキュリティへの取り組みを継続的に実施しています。平常時において全社的な情報セキュリティを管理・監督し、情報の漏洩および第三者による不正取得に対する防衛策を講じることにより、全社で情報セキュリティ強化を推進しています。 全社規程である企業情報管理規程に基づき、全従業員へ情報セキュリティ研修を定期的に実施し、各事業場で指名された企業情報の管理責任者により事業場ごとの規程類を整備し、一人ひとりの情報セキュリティに関する意識向上に努めています。
2022年度は、サイバー攻撃対策として全従業員を対象に疑似標的型攻撃メール訓練を2回実施しました。実施後は結果を従業員へフィードバックするとともに、標的型攻撃メールの見分け方や添付ファイルを開封するなど危険行動を回避するポイントについて解説し情報セキュリティの意識向上を図りました。なお、2022年度において顧客プライバシーの侵害および顧客データの紛失に関して具体化した不服申立に該当する事例はありませんでした。

教育・研修

日本化薬グループでは、リスク意識の向上を図り、リスクを最小限に抑えるよう継続的にPDCAサイクルを回す活動の一環として、すべての役員・従業員(契約社員、パート社員含む)および派遣社員を対象にリスクマネジメント教育を実施しています。また、新入社員や新任管理職、海外赴任者には別途リスクマネジメント教育研修を実施しています。

緊急事態発生時の対応と危機管理体制の構築・管理

危機管理体制の整備

企業活動に重大な影響を与えるようなリスクに備えて「危機管理規程」や「BCPマニュアル」等を制定し、危機管理体制を整備しています。
「危機管理規程」は日本化薬グループの事業を取り巻くさまざまなリスクに対して的確な管理・対応が可能となるよう2000年度に制定された「危機管理マニュアル」を、2022年度にあらためて「危機管理規程」として制定しました。

事業継続計画(BCP)

BCPマニュアルの整備

日本化薬グループは災害等の緊急事態発生から「目標期間内に事業を復旧する」という方針で、組織横断的なBCPプロジェクトを立ち上げ、国内すべての事業部や工場においてBCPマニュアルを制定しました。さらに、日本化薬グループとしてグローバルなリスクに対応するため、海外グループ会社においてBCPマニュアルの整備を進めています。

BCP訓練

事業継続リスクが発生した際に制定したBCPマニュアル通りに組織を速やかに機能させるためには、継続的な訓練が重要です。日本国内では、社長をはじめすべての役員と監査役が参加するBCP訓練を毎年実施しています。2022年度は姫路工場で地震発生時の設備損壊や人命救助を主体としたBCP訓練を実施しました。BCP訓練には社長、危機管理委員長、姫路工場の工場長、従業員やセイフティシステムズ事業部員が参加し、情報の収集と集約・迅速な判断を適切に行い、事業継続計画の有効性を確認しました。BCP訓練時の気付き事項や課題については内容を確認し、次回のBCP訓練に生かします。
また、中国の無錫地区にあるグループ会社においては、台風が接近・通過し、被害が発生した想定でのBCP訓練を実施しました。BCP訓練は外部コンサルタントの指導のもと行いました。外部コンサルタントからの指摘事項については、今後の訓練に活かすとともにBCPマニュアルの修正等の改善を行いました。
今後も、さまざまな場面を想定したBCP訓練を継続していきます。

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