Q&A
フーモン
フーモンとはどのような薬剤ですか?
フーモンは食品添加物であるポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする農薬で、ハダニ類、コナジラミ類、アブラムシ類の気門を効果的に封鎖することで殺虫効果を発揮する殺虫・殺ダニ剤(気門封鎖剤)です。また、フーモンはうどんこ病の胞子発芽分生子柄の形成を阻害する効果もあり、うどんこ病の発生を予防する殺菌剤でもあります。さらに、野菜類・果樹類で展着剤としても使用可能です。
フーモンの上手な使い方を教えてください。
フーモンを水で1000倍に希釈して作物に散布してください。薬液が害虫にムラなくかかるよう、葉の裏表にていねいに散布してください。
フーモンは気門封鎖剤であり、一般的な化学農薬に比べると殺虫効果はほどほどです。そのため、作物の栽培初期から他の殺虫剤や殺菌剤の使用時に、展着剤として加用するなどして1週間間隔を目安に繰り返し散布して頂くと、害虫を低密度に抑えることができるため効果的です。害虫の発生の多い時期には、フーモンを展着剤としてその害虫用の殺虫剤に加用してご使用して頂くと、その殺虫剤の効果が安定化します。
フーモンを殺虫・殺ダニ剤(気門封鎖剤)として使用する場合、展着剤は加用しなくても大丈夫ですか?
フーモンの使用時には、他の展着剤は加用しないで下さい。フーモンは展着剤としての機能も有しているため、他の展着剤を加用しなくても濡れ性、拡展性は十分です。フーモンの使用時に他の展着剤を加用した場合、フーモンの殺虫・殺ダニ効果が損なわれる可能性があります。
フーモンの有効成分であるポリグリセリン脂肪酸エステルは食品添加物ということですが、食品添加物としてどのように使用されていますか?
食品(マーガリンやチョコレートなど)の乳化剤として使用されています。
フーモンは有機JASに適合した資材ですか?
フーモンは有機JAS適合資材ではないため、有機JAS認証を受けた栽培・生産工程で使用することはできません。
フーモンは特別栽培農産物の節減対象農薬にカウントされますか?
「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」によれば、展着剤は節減対象農薬から除外されますが、フーモンは殺虫・殺ダニ剤・殺菌剤であるとともに、展着剤でもあるため、フーモンが節減対象農薬としてカウントされるかどうかは各都道府県の基準をご確認ください。
フーモンを他の薬剤に加用したときに、作物への汚れ軽減効果はありますか?
フーモンを汚れのつきやすい水和剤に加用して頂くと、薬剤の付着が均一になるため汚れ軽減効果が期待できます。

フーモンの使用時に薬害が出やすい作物はありますか?
フーモンを作物の幼苗期や軟弱徒長苗、高温時など一般的に薬害出やすい条件での使用すると、薬害を生じる可能性があります。また、フーモンをハウス等施設内の多湿条件下で使用すると、散布した薬液が乾きにくいため薬害を生じる可能性があります。
注意事項に「フーモンとストロビルリン系殺菌剤との同時施用、近接散布はさけてください」とありますが、どのくらいの期間あけたら散布可能になりますか?
フーモンとストロビルリン系殺菌剤を混用した場合、必ずしも薬害を生じるわけでありませんが、混用(同時施用)及び近接散布によりストロビルリン系殺菌剤によって生じる薬害が助長される傾向があります。フーモン散布後にストロビルリン系殺菌剤を散布する場合には、10日間程度空けてください。ストロビルリン系殺菌剤散布後にフーモンを散布する場合には、1日程度空けてください。