トップメッセージ

代表取締役社長

企業ビジョンであるKAYAKU spiritを実践し、事業を通じて持続可能な社会・環境に貢献し続けます

 私たち日本化薬グループは、KAYAKU spirit「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」を企業ビジョンとしています。KAYAKU spiritは、一人ひとりの良き心を結び合うという「良心の結合」のもと、途切れることなく進歩を続けるという「不断の進歩」によって、世の中に必要とされる「最良の製品」を提供し、社会に貢献し続けようという、当社グループ共通の理念です。このKAYAKU spiritの実践こそが、当社グループのCSR経営に他なりません。

 KAYAKU spiritの中で、私自身は特に「良心の結合」という言葉を大事にしており、私は当社グループのすべての社員が仕事を通じて幸福を感じられる企業にしたいと考えています。私たちが仕事をする上で、経済的な安定や快適な労働環境の確保などはもちろんとても大切なことですが、自分が成長できている、自分は貢献できている、といった実感を伴う幸福感が不可欠だと考えています。幸福感を得た一人ひとりが、お互いのことを想い合いながら、全員で力を合わせてより高い目的、目標を実現していく、そうした中で、一人ひとりが持続可能な社会にどのような価値を提供することができるかを真摯に考え、全員一丸となって取り組むことにより、当社グループが持続可能な社会からも必要とされる企業であり続けられると考えています。

 当社グループは、KAYAKU spiritを実践し、すべてのステークホルダーの信頼に応えるため、「事業を通じたイノベーション」「エネルギー消費量と温室効果ガス」「コンプライアンス」など、社会および当社グループの持続可能な成長に向けたCSR重要課題(マテリアリティ)を特定しました。2019年度から開始した中期事業計画では、これらマテリアリティごとに経営戦略と連動した中期CSRアクションプランを策定し、達成に向けたさまざまな取り組みを行っております。

 世界では、人口の増加に伴う食料・水の不足、児童労働など人権に関する問題、地球温暖化の進行など、気候変動に関するパリ協定やSDGs(国連の持続可能な開発目標)で提起された課題が山積しております。国内では、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことが宣言され、国内産業全体で温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする社会の実現に向けた取り組みが加速しています。2020年7月、当社はグループ全体の事業活動で排出する温室効果ガスの削減を推進するための2030年度環境目標を策定したことを発表しました。国際合意されたパリ協定の目標に合致していること、当社グループの気候変動リスクを特定し、対策を打つことで事業継続性の強化を図ることを目指し、当社グループの事業活動で排出する2030年度の温室効果ガス排出(Scope1+2)を2019年度比で32.5%削減することとしました。目標の実現のため、これまでの省エネルギー活動を発展させ、MFCAの手法を取り入れ、ユーティリティの効率化を強く推進するとともに、使用するエネルギーを温室効果ガス排出の少ないエネルギーに積極的に変換する等取り組んでいきます。

 当社グループの事業環境では、IoTをはじめとする高度情報化社会が進展する中で、より高機能で省エネルギー・省資源・低環境負荷の化学品素材が求められています。医療分野では、国内の医療費の増大が社会的な問題となっています。自動車産業の市場規模は世界中で拡大を続けており、車の安全性向上はさらに重要な課題となっています。当社グループには機能化学品事業、医薬事業、セイフティシステムズ事業、アグロ事業があり、これらを解決するために日々取り組んでいます。一方で、私たち製造業には長期的な環境面のリスクと機会を捉えた事業運営を行うことも求められています。これらは非常に難しい課題ですが、当社グループには「世界的すきま発想。」というコーポレート・スローガンがあります。「あり得ない」と思考停止するのではなく、「もしかしたら結び付くのではないか?」というフレキシブルで多角的な考え方を大事にすることで解決策を見出し、事業を通じて社会に必要な価値を提供し続けていきたいと考えています。

 2019年度の終盤から2020年度にかけて、新型コロナウイルス感染症により世界中が大きな影響を受けました。当社グループでは変化する状況をグローバルに把握・対応することで、従業員の安全を確保しつつ、影響を最小限に留めるべく努力を続けています。ただ、このようなときだからこそ、私たちが持続可能な社会や環境のために何を優先的に取り組む必要があるのかを、あらためて考える機会と捉えています。経営層・事業部門・コーポレート部門が一体となり議論を深め、2021年5月、当社グループの「ありたい姿」を発表いたしました。この「ありたい姿」は、ポストコロナのような先行きを見通すことが難しい状況において、当社グループの各事業のどの分野に経営資源を重点配分することで成長につなげていけるのか、コーポレート部門の役割・機能を効率化し組織力を発揮することができるのか、を考えるとともに事業を通じてすべての人に提供できる価値をあらためて考え、「会社の青写真(将来の姿とそれに向かうロードマップ)」を描き直しました。これらをもとに事業計画を策定し、スピード感を持って取り組んでいきます。

 今後もコーポレート・ガバナンスやコンプライアンスの徹底、環境への配慮を重視し、高い倫理観を持ってCSR経営を実践しながら企業価値を高めてまいります。ステークホルダーの皆さまにおかれましては、引き続き一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 MFCA…マテリアルフローコスト会計
生産工程における原材料や資材のロスを物量およびコストで見える化する環境管理会計手法

2021年6月
代表取締役社長 涌元厚宏

ページ先頭へ