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環境に対する取り組み

日本化薬では、生産の効率化と環境負荷の低減を両立させるため、環境経営の取り組みを重要課題とし、諸項目に対する目標を掲げ、その達成に努めています。
温室効果ガスを含む排ガス、エネルギーの効率的利用、排水および廃棄物の環境に排出される環境負荷物質の発生量低減を目指し、設備や処理プロセスの改善などに取り組んでいます。

環境保全活動の推進

日本化薬では2020年度の中期環境目標を一つの区切りとして具体的な数値目標を掲げ、環境保全活動を推進しています。また、目標達成のために自然災害への対応強化、廃水処理技術の開発と向上推進などを実施しています。

中期環境目標

日本化薬では2011年度から2020年度までの中期環境目標を3分野6項目で策定しました。2016年度は、第6年度となります。
報告対象組織は日本化薬単体となります。
なお、2015年度の中間結果を受けて、2020年度の目標値をより厳しいレベルに設定し直しました。

中期環境目標(2011〜2020年度まで)
  • ※1【VOC】Volatile Organic Compounds(揮発性有機化学物質)。政令及び日本化学工業協会で報告対象となっているものを集計しています。
  • ※2【COD】Chemical Oxygen Demand(化学的酸素要求量)。水中の物質を酸化するために必要とする酸素量で、代表的な水質の指標のひとつです。
  • ※3【エネルギー起源CO2排出量】2005年度(82.6千トン)を基準としています。
  • ※4【ゼロエミッション率】日本化薬では廃棄物発生量全体に対する内部および外部埋立量の割合として定義しています。

エネルギー・マテリアル・バランス

事業活動と環境負荷の全体像

環境負荷低減の取り組み結果

日本化薬は、環境負荷低減の取り組みとして、大気汚染防止や水質汚濁防止、地球温暖化防止、廃棄物の削減、騒音・悪臭防止に注力しています。

大気汚染防止

大気汚染防止については、大気汚染防止法対象の物質や有害大気汚染物質、その他の大気汚染物質に分け特に注意して管理しています。

(社)日本化学工業協会を中心に有害大気汚染物質の自主管理対象12物質※5を定め、排出量削減の取り組みを行っています。12物質中、日本化薬が1995年度以降に使用しているのは5物質で、ベンゼンについてはすでに1995年に使用を中止しています。またクロロホルム、エチレンオキサイドは、2007年度以降はすべて排出量ゼロとなっています。なおジクロロメタンは、2007年度から排出量ゼロの時期もありましたが、2010年度以降は、生産品目に関わる使用があり、そのため若干量の排出が続いています。ホルムアルデヒドにつきましては、生産品目に関わる使用や滅菌燻蒸等での使用があるため、若干量の排出が続いています。今後も工程改良等を進めることで、ジクロロメタンとホルムアルデヒドにつきましては、使用量削減を主な対策として、排出量削減に向けた取り組みを続けてまいります。

その他大気汚染物質としてSOx(硫黄酸化物)※6、NOx(窒素酸化物)※7等はボイラーの稼動時に排出されます。日本化薬では、これまでにボイラーの燃料をC重油から硫黄分含有量の少ないA重油、さらには硫黄分のないLPG、天然ガスに順次転換しており、SOxの排出量は、2008年度より減少しています。今後も引き続き、大気汚染防止設備の適切な維持管理、定期点検および保全を実施し、大気汚染物質排出量抑制に努めてまいります。

VOC排出量/ジクロロメタン/ホルムアルデヒド
  • ※5【自主管理対象12物質】アクリロニトリル、アセトアルデヒド、塩化ビニルモノマー、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,3-ブタジエン、ベンゼン、ホルムアルデヒド、エチレンオキサイドが該当。

NOx排出量/SOx排出量/ばい塵排出量

  • ※6【SOx(硫黄酸化物)】硫黄分が含まれる化石燃料等を燃焼させることにより、発生します。硫黄酸化物は空気中の水分と反応することで硫酸、亜硫酸を生じるため、大気汚染や酸性雨の原因となります。
  • ※7【NOx(窒素酸化物)】物質が燃焼する際に空気中の窒素と反応して生じる場合と、石炭等の窒素化合物を含む燃料や物質が燃焼した場合に発生する場合があります。光化学スモッグ等の大気汚染、酸性雨の原因になるばかりでなく、人体の呼吸器等に悪影響を及ぼします。またNOxの中でも一酸化二窒素は温室効果ガスとしても知られています。
  • ※8【ばい塵】化石燃料の燃焼等に伴い発生するばい煙のうち、固体粒子でいわゆるすすのこと。大気汚染の原因となる他、高濃度のばい塵を吸入した場合は、人体に塵肺等、悪影響を及ぼします。

鹿島工場におけるVOC削減の取り組み

鹿島工場では農薬製造過程で大量に発生するアルコールを大気放出させていましたが、「揮発性有機化合物(VOC)の大気放出量の削減」をテーマに、環境にやさしい工場を目指すため、既存の設備をアルコールの蒸留回収装置として転用し、ガス状となったアルコールを液状のアルコールとしてタンクに回収することで、大気放出させない方法を確立することに成功しました。

その結果、2012年度では27.4トンものアルコールを大気放出させていましたが、2013年度以降は大気放出量ゼロを継続しています。

私たちは、これからも環境負荷の低減に向けて、環境改善に積極的に取り組んでまいります。

2012年度 大気への放出27.4トン/2015年度 大気への放出0トン

水質汚濁防止

日本化薬では、法令や都道府県、市町村条例で定められた規制値よりもさらに厳しく自主管理基準値を設定し、基準値を満たしているものを排水しています。また、日本化薬では、染料、インクジェット用インク等の色材関連製品を扱っています。これら色材関連製品を製造している福山工場および東京工場では、製造工程で発生する着色廃水を脱色処理もして排出しています。
COD排出量が大きい工場では活性汚泥処理設備を設置してCOD排出量低減に努めています。

大気にも水質にも影響するPRTR※9の取り組み

日本化薬では1995年から、(社)日本化学工業協会主導の「PRTR法対象化合物削減活動」に参加し、PRTR法対象化合物の排出量削減対策を進めてきました。2016年度のPRTR法対象化合物の排出量は25.9tで、前年度の29.4tより約12%減少しました。これは前年度に鹿島工場において生産量が一時的に増えていたためです。なお日本化薬ではトルエンの排出量が多い状況に変わりはありませんが、2016年度は9.7tでPRTR法対象化合物排出量全体に占める割合は約38%となっています。

COD排出量/SS排出量/窒素排出量/燐排出量
水使用量/総排水量移/PRTR法排出量
  • ※9【PRTR】Pollutant Release and Transfer Register(環境汚染物質排出移動登録)の略。PRTR法は、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境保安上発生する問題を未然に防止することを目的としています。
  • ※10【SS】Suspended solids(浮遊物質量)。水中に浮遊または懸濁している直径2mm以下の粒子状物質のこと。鉱物による微粒子、動植物プランクトンやその死骸、下水、工場排水等に由来する有機物や金属の沈殿物が含まれます。浮遊物質が多いと透明度等の外観が悪くなる他、光が透過しないために水中の光合成に影響を及ぼします。

地球温暖化防止

日本化薬の各事業所ではこれまでに種々の省エネルギー対策に取り組んでおり、その結果、対象設備のエネルギー消費量は年々低下する傾向にあり、エネルギー起源のCO2排出量も年々減少傾向にあります。2013年度は、原油換算エネルギーは減少しているものの、CO2の排出換算係数が悪化したため、CO2排出量が一時的に増加しました。また、2016年度のエネルギー起源CO2排出量は生産系65.6千トンに、業務系6.5千トンを加えた72.1千トンであり、2015年度より3.2%増加していますが、高崎工場や姫路工場で生産数量が増えていることによります。

かやくーま節電ver.

さらに日本化薬グループでは、家庭部門でのCO2排出量削減を促すため、電気使用量だけに特化した「わが家はただいま節電中!」を企画して、従業員の各家庭での省エネ活動を推進しています。2015年からは、「"ただいま節電中!"かやくーま」を作成し、さらなる浸透を図っています。

エネルギー起源CO2排出量

日本化薬グループでは、2011年度より各グループ会社の省エネルギー活動を調査し、まとめています。

東京事業区における省エネルギー活動

東京研究エリアにおける省エネルギー活動

日本化薬グループの最大の研究開発拠点の一つである東京研究エリアでは、エネルギーの合理的使用を研究段階から根付かせるため、エリア全体のエネルギー使用の40〜60%を占める空調設備の省エネルギーにつながる「中央制御システム」を2016年度に導入しました。これにより、空調の使用状況の「見える化」が進み、蓄積した情報を活用してさまざまな取り組みを実施しています。空調に関わる担当者とミーティングを行い、ルーム毎に必要な管理をシステム上にて個別に実施するなど、大きな省エネルギー効果につながっています。その他、集めた情報は月度の会議の資料としても使用され、エリア内に回覧することで、さらなる全体化を図っています。

  • 東京研究エリア:東京都北区にある機能化学品研究所や医薬研究所・間接部門等を含めた地区全体
姫路工場

姫路工場で太陽光発電システムが稼働

姫路工場を取り巻く電力事情は東日本大震災前と大きく変化し、以下のようになっています。

①関西電力管内においては原子力発電所の再稼働問題で夏季の電力供給不足が毎年予測され、ピークカットの要求が発生している。
②BCP対応として災害発生時に顧客、関係各所と連絡が取れるよう最低限の電力確保が必要と判断した。

以下の3つの条件を満たすため、太陽光発電とリチウムイオン蓄電池とを組み合わせたシステムを導入し、2014年4月から稼働を開始しています。

①平常時ピークカットができるシステムであること。
②外部からのライフラインが切断された状態でも発電できるシステムであること。
③災害等で停電となった場合、間接・営業部門が最低限活動できるシステムであること。

各設備の能力は以下の通りとなります。

・太陽光発電 発電能力54kW
・リチウムイオン蓄電池 出力30kVA

稼働後、夏最大で50kWのピークカットができています。また、2014年12月に外部での波及事故により姫路工場は緊急停電となりましたが、太陽光発電とリチウムイオン蓄電池のシステムは正常に稼働し、間接・営業部門の業務をバックアップする事ができました。将来的には太陽光パネルを増設し、さらなるBCPと省エネ活動に取り組みます。

Kayaku Safety Systems de Mexico, S.A. de C.V.(KSM)の環境負荷低減活動

Kayaku Safety Systems de Mexico, S.A. de C.V.(KSM)の環境負荷低減活動

KSMは、温室効果ガス排出の削減を目的としたエネルギー消費減少など、いくつかの環境改善課題をテーマとして取り組んでいます。

2016年度に場内の西側にある外部照明設備の交換をしました。これまでは、外灯に400ワットのランプを使用していましたが、10本の外灯を32ワットに、残り12本を57ワットの太陽光ランプに交換し、すべての外灯が太陽光ランプになりました。

これは、年間32,000kWの削減効果となり、太陽光パネルの寿命は10年間です。環境負荷の改善に換算すると、CO2の削減としては15トン減、すなわち16トンの石炭を消費しないことになります。 KSMは、2018年までに、メキシコの連邦電気会社からの購入量を5%減らし、2018年以降は毎年1%ずつで2023年までに10%削減を目標にしています。

無錫先進化薬化工有限公司(WAC)照明のLED化

無錫先進化薬化工有限公司(WAC)
照明のLED化

中国無錫市に1996年に設立されたWACは、繊維用及び紙用の合成染料を製造している日本化薬グループの会社です。WACでは、2016年度より徐々に場内の蛍光灯をLEDランプに変更して、これまで、362本の蛍光灯をLEDランプに交換しました。

蛍光灯消費電力1本36ワットから、LED灯消費電力15ワット250本と20ワット112本に交換しました。これらを8時間点灯するとしてシミュレーションすると、年間削減電力量は、約2万キロワットです。標準石炭使用量に換算すると石炭約6.6t分に相当し、年間約17tの二酸化炭素を削減できることになります。今後も引き続き電気使用量の削減に取り組み、地球環境の維持改善に貢献します。

環境に配慮した営業車導入

医薬品を患者様へ適正に使用していただくためには、有効性や安全性に関する情報は欠かせません。当社は、医療機関を訪問し自社医薬品に関する情報を収集・提供するため、MRを全国各地に配置しています。このMRが日頃の医療機関を訪問するために使用している営業車を、寒冷地域へ対応する4輪駆動車をのぞき、すべて環境へ配慮したハイブリッド車へと切り替えを行いました。

廃棄物の削減

2016年度の廃棄物発生量は20,386tで、前年度より2.6%増加しました。また、2016年度の埋立量は984tでゼロエミッション率は4.8%と前年度より大幅に減少しました。これは、福山工場において、これまで最終埋立廃棄物としていたものをリサイクル使用できる処分業者に転用できたためです。

廃棄物発生量および埋立率の推移/廃棄物発生量の内訳

騒音・悪臭防止

日本化薬では、工場周辺への騒音・悪臭防止に注意を払いながら事業活動を行っています。工場境界線上の騒音測定等を定期的に実施する他、臭気モニター制度や地区懇談会などで地域住民の方から寄せられるご意見やご要望を最重点課題として地域との共存を図っています。また工場内でも作業環境測定を定期的に行ない、騒音その他の有害物質から従業員を守るべく改善に努めています。

環境会計

日本化薬では環境保全に関するコストを集計し、2000年度より公表しています。また2003年度からは環境保全効果を集計しています。環境保全コストおよび環境保全効果の集計は、環境省発行の「環境会計ガイドライン(2005年版)」と(社)日本化学工業協会発行の「化学企業のための環境会計ガイドライン」を参考にしています。

環境保全コスト(2013年度)

環境保全効果(2012年度)

  • 集計範囲:日本化薬単体
  • 設備投資:2016年度(2016年4月〜2017年3月)に発注した金額を集計
  • 管理コスト:同期中に発生した費用で、環境保全の観点からの燃料の変換、廃棄物処理方法の変更等で生じたコスト上昇分は実施から5年間を計上
  • 財務会計上の収益は、環境保全活動の結果として、年度において実現した収益を計上
  • 費用削減や環境負荷削減等の財務会計上の収益でない効果は、施策の実施から5年間を計上

環境・安全衛生関連投資

日本化薬では環境や安全衛生に関する設備投資を計画的、継続的に行っています。2016年度は、環境関連設備投資額が315百万円となっており、、前年度比で約34%増となりました。

また、2016年度の安全衛生関連設備投資額は717.2百万円で、前年度よりも約42%の大幅増となりました。内訳では、設備老朽化対策の投資額が54%を占めています。

環境関連設備投資額/安全衛生関連設備投資額

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