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研究所の概要

機能化学品研究所

機能化学品研究所は、機能化学品事業本部の研究開発部門として、半導体封止材用樹脂・光ディスク用紫外線硬化型樹脂・液晶シール樹脂などの機能性樹脂、インクジェットなどのプリンター用インクの色素・赤外線吸収色素・CD-RやDVD-R用色素、偏光フィルムや反射防止フィルムなどの機能性フィルム、色素増感太陽電池、アクリル酸・メタクリル酸製造用触媒およびそれらから派生する新たな素材など、多種多様な分野の研究開発を担っています。

IT(情報化技術)は急速な勢いで進化しつづけています。機能化学品研究所は、上に述べたように各種情報機器を内面から支える素材を開発しています。そのため、常に新たな素材を求められる状況ですが、グリーン調達にも耐え得る環境適応型素材という観点を持ち、日本をはじめとする世界各国の化学品に関する法律や規制に適合する製品開発を行い、地球全体の環境を視野に入れた研究開発を行っています。

「色素増感太陽電池」の開発 ~有機色素を用いた高効率太陽電池セルの開発~

色素増感太陽電池は、酸化チタン・ナノ微粒子、色素、樹脂ペーストから構成されています。これらは、日本化薬が保有する色素技術と樹脂技術を融合したものです。新規の色素や樹脂を開発して組み合わせ、特色のある次世代太陽電池を開発しています。
自然に優しいエコエネルギーを供給することで、人類の未来に貢献します。

色素増感太陽電池 発電原理

色素が光を吸収します(光吸収)

色素がナノサイズ酸化チタンへ電子を渡します(増感)

電子が流れます(発電)

酸化チタン微粒子のサイズがナノサイズなので、表面積がとても大きくなります。表面積が大きい分、色素をたくさん吸着できるので、光を効率よく吸収することができます。

色素増感太陽電池の特長

こんな太陽電池ができます。

カラフル&シースルー
さまざまな色や透明性を持ちます。
形状がフレキシブル
軽量で、折り曲げ可能です。
コストパフォーマンス
資源的制約がなく、工程が簡単で、安価で製造可能です。

医薬研究所

医薬研究所は、抗がん剤の領域に特化した研究開発を進めています。
ナノテクノロジー技術を用いた高分子ミセル化抗がん剤の研究開発、抗がん剤の後発品開発、さらには社外との共同研究や共同開発を通して、抗がん剤ラインアップの充実を目指します。

高分子ミセル化抗がん剤

現在、日本化薬が総力を挙げて研究開発に取り組んでいるものに、高分子ミセル化抗がん剤があります。
高分子ミセル化抗がん剤とは、親水性ポリエチレングリコール(A)と疎水性に加工されたポリアミノ酸(B)からなるひも状のポリマーが、抗がん剤を内部に閉じ込めながら凝集してナノサイズの微粒子を形成したものです。
一本のひもは分子量数万ですが、それが凝集すると分子量数百万相当になり、水中では図のように、直径が20~100nmの球形の凝集体になります。

両親媒性ABブロック共重合体

なぜ、がんに集まるの?

がんの毛細血管は、さまざまな理由で高分子などの大きな分子が漏れやすくなっています。
高分子ミセルも血管内に投与されると、体の中を巡っている間に、がんの毛細血管から漏れていきます。
がんでは漏れやすく、普通の毛細血管からは漏れにくい大きさにつくってあるので、がんの組織に多くのミセルが溜まっていくことになります。

どうやって、ミセル粒子から薬が出ていくの?

ミセル粒子は、水の中で、ひも状のポリマーが数100本ぐらいギュッと集まってできた凝集体です。
それが、がんの組織の中では、だんだんと凝集を解いてミセルがばらばらなります。
その結果、内部に保たれていた抗がん剤が外に放り出されます。
つまり、ミセルという乗り物で、がんの組織に運ばれた抗がん剤は、乗り物を降りて活動を始めることになります。
これが、薬を運んで出せる高分子ミセル化抗がん剤のドラッグ・デリバリー・システムです。

このように、がん患部に選択的に薬剤を集めることで抗がん剤の本来持っている効果を高めると同時に、正常組織では抗がん剤の副作用が出にくくなることが期待されています。
日本化薬では、この高分子ミセル化抗がん剤の臨床試験を開始しており、一日も早く、がん治療の現場に新たな希望をもたらしたいと考えております。

後発品、工夫製剤、診断薬、医療機器への展開

新薬開発で培った技術を応用し、抗がん剤の後発品開発に着手しています。後発品のラインアップにより、医療現場でのワンストップサービスを目指します。また、工夫製剤、診断薬、医療機器への展開を図り、医薬品のみならず、広く医療現場のニーズに沿った製品の提供を目標に展開します。

セイフティシステムズ開発研究所

セイフティシステムズ開発研究所は、電気雷管などの火薬の技術をベースにして自動車安全部品開発に転進し、セイフティシステムズ事業本部の研究・開発部門としての役割を担っています。

開発しているエアバッグ用インフレータやシートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータは、点火装置としてのスクイブと、燃焼ガスを発生するガス発生剤から構成され、自動車の衝突などの緊急時に、火薬類の燃焼を利用して即座に作動し乗員を保護する製品です。

研究・開発にあたっては、高い信頼性品質を基本に、環境負荷が少ない薬剤や部材を取り入れて環境に優しい製品作りに努め、より軽量で、よりコンパクトな次世代要求に応えています。

自動車用安全部品の用途は、乗員保護の多様化、そして歩行者保護へと拡大しつつあり、新たな要求性能に応える研究開発に取り組んでいます。

アグロ研究所

アグロ研究所は、豊かで、安全で、安心できる食品の提供に貢献するために、日本化薬の有する化学合成技術や製剤技術、生物評価技術を利用して、環境に優しい化学農薬や新規農薬製剤の研究開発、生物農薬の開発を行っています。

日本化薬の保有技術のひとつに、マイクロカプセル化技術があり、農薬をマイクロカプセル製剤にすることにより安全性の向上や低薬量化、長期残効性を付与することができます。マイクロカプセル製剤として、防疫用殺虫剤「サフロチンMC」(商品名)を開発し、ゴキブリなどの衛生害虫に対して卓効を示し、好評を得ています。

生物農薬の分野では、ハスモンヨトウを防除する「ハスモン天敵」(商品名)を開発しました。自然に存在する天敵や環境に配慮した総合的防除資材(IPM)製品として農家の皆さまに受け入れられています。環境負荷が少なく長期にわたり効果が期待できることが特徴です。

また、難防除害虫に卓効を示す新規の農薬開発や、農家の皆さまがより使用しやすい製剤開発に取り組んでいます。