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安全衛生および品質保証に対する取り組み

日本化薬グループでは、さまざまな安全衛生および品質保証活動を展開しています。

新規の作業・設備や既存作業・設備の変更時は安全審査を実施し、そのなかでリスクアセスメントや潜在危険性要因を把握することで、事故や労働災害、環境事故の未然防止に努めています。

また、環境安全品質異常などをデータベース化して事業場間の横展開を進めています。さらに、国内各事業場と海外も含む一部のグループ会社には、中央環境安全衛生診断・中央品質診断を実施しています。

安全衛生の取り組みおよび実績

日本化薬グループは、事故および労働災害撲滅に向けた取り組みを継続的に実施しています。しかし、2015年度の日本化薬各事業場および事業場内グループ会社の災害発生件数は休業災害3件、不休業災害5件、無傷害事故2件となりました。さらに、交通事故の発生件数でも、事故率16.8%と近年では最悪の状態となりました。これらを受けて、2016年度は、事故・災害を防止する活動をより強化して推進していきます。

なお、2015年(暦年)の海外を含めたグループ会社の災害発生件数は、休業災害9件、不休業災害11件、無傷害事故5件となり、前年度とほぼ同等でした。

2015年度の安全目標および実績/労働災害度数率の推移
  • ※1【労働災害度数率】100万のべ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数。

品質保証機能の向上への取り組み

安定した品質を保証するためには、日常的な品質管理活動を確実に行うとともに、品質管理技術の継続的な向上が必要です。各工場では、管理図等のQC手法の活用、品質パトロール、QYT活動(品質危険予知トレーニング)、変更管理及び変化点管理、各種改善活動等を行っています。また、品質管理技術の向上、普及のために、各種の教育活動を行いました。

工場において不具合事象が発生した場合には、なぜなぜ分析や4M解析による原因の追求を行っていましたが、さらなる"職場力の強化"を目指して、国内6工場からメンバーを集め、なぜなぜ分析推進チームを結成し、2014年度に作成した当社版「なぜなぜ分析マニュアル」をもとに職場でのなぜなぜ分析の実施を推進しています。さらに、2015年度は、本マニュアルを中国語に翻訳したものを使用して中国のグループ会社に対しても"なぜなぜ分析"の実施に向けた研修を行いました。

労働安全衛生・品質保証の取り組み

1. 各事業場での安全衛生および品質保証活動
日本化薬グループ各事業場では、様々な安全衛生および品質保証活動を展開しています。また環境安全品質異常についてデータベース化を進め、事業場間の横展開を進めています。

安全活動と品質保証活動

  • ※2【5S活動】整理、整頓、清掃、清潔、躾の頭文字からとった活動。
  • ※3【TPM活動】Total Productive Maintenance。装置を正常に維持することによって安全を確保し生産を維持していく活動。
2. リスクアセスメントの実施
新規の作業・設備・既存作業・設備の変更時の安全審査を行っています。さらに、事故や労働災害、環境事故、品質トラブルの未然防止のために、各事業場においてリスクアセスメントに取り組んでいます。また化学反応については、HAZOP※4を中心に危険要因を分析しています。
  • ※4【HAZOP】Hazard and Operability Studyの略。化学プラントの安全性評価手法で、化学反応に伴う潜在的な危険性を網羅的に摘出し、評価することができる。
3. 近道省略行為の撲滅
近年の日本化薬グループで発生している事故の特徴として、近道省略行為によるものが目立ってきています。そこで日本化薬グループでは近道省略行為撲滅のためのチェックリストを配布し、従業員全員が近道省略行為防止のための安全宣言を行い、各職場内に安全宣言を掲示するなど、安全意識の共有化を図っています。
4. 交通安全活動の取り組み
日本化薬グループでは営業活動、通勤等に多くの従業員が自動車を使用しています。自動車使用者に対しカメラ付きセイフティレコーダ※5および新任MRには危険運転を行ったらすぐに上司にメールで知らせる"くるまーi"※6による運転診断や警察庁方式運転適性検査※7を用いた運転適正診断を組み合わせた総合的な交通安全診断を実施しており、有責任交通事故率は日本製薬工業協会の平均事故率の1/2程度となっています。
しかし、2015年度は16.8%と前年度より大幅に増加し、近年では、最悪の事故率となってしまいました。今後も交通安全診断の実施を継続するだけでなく、新人の実技教育等を強化し交通事故削減に取り組んでいきます。
  • ※5【セイフティレコーダ】前後・左右加速度、ジャイロ、位置(GPS)のセンサーで急加速、急ブレーキ、急ハンドル、急旋回等の運転の癖を解析できる装置。
  • ※6【くるまーi】前後・左右・上下加速度、位置(GPS)のセンサーで急加速、急ブレーキ、急ハンドルを判定して即座に上司にメールで通報する装置。
  • ※7【警察庁方式運転適性検査】全7問の記入式で状況判断力、衝動抑止性、精神安定性等 11項目の判定を行い運転の適正を判定する検査。

業務上・通勤途上有責任交通事故件数

5. 健康管理の推進
定期健康診断や化学物質等を取り扱うための特殊健康診断を実施しています。健康診断の後に産業医が面談し、健康について助言、指導をしています。また、データベースに取り扱う化学物質の有害性データを蓄積し、これを活用して職業性疾病の予防を図っています。

メンタルヘルスの取り組み

業務生産性の向上と付加価値創造の達成を両立させるためには、従業員が生き生きと働ける就業環境と心身の健康が不可欠です。
日本化薬では、2005年に「メンタルヘルス導入宣言」を社長名で発信し、管理者への指導を徹底してきました。メンタルヘルスケアには、従業員全員が、継続的に正しい知識・認識を持ち、メンタル不調の早期発見・予防に努めることが大切です。そこで「メンタル不調を予防することを第一に考える」取り組みを重点的に行っています。メンタルヘルスを導入後、外部の契約EAP※8の講師を招き、2005年度、2006~2008年度、2009~2011年度、2012〜2014年度の4回の期間を設け、各期間内に全従業員が必ず1回はメンタルヘルス研修を受講するプログラムを実施しました。2015年度からは新たな3カ年計画とし、社員全員が受講実施予定です。
一方、メンタル不調によって、休養を余儀なくされた方の職場復帰についても、「復職プログラム」を策定し、職場の上司(会社)、産業医、EAPが三位一体となって、再発予防を念頭においた、スムーズな職場復帰を支援する体制を整えています。なお、2015年12月1日に施行された労働安全衛生法のストレスチェック制度への対応としては、実施体制を整えた上で、2016年7月頃に全従業員を対象に実施予定としています。

  • ※8【EAP(Employee Assistance Program)】従業員支援プログラム。
6. AEDの設置
本社、各工場・事業所にAED(自動体外式除細動器)を設置しています。適時、社内で救急処置法講習会を開催するほか、社外講習会へ参加し、突然の心臓発作に対応できるように訓練しています。
  • 健康診断講座活動
  • 健康診断講座活動健康診断講座活動 医療機関の専門医師が来社指導

化薬化工(無錫)有限公司(KCW)
健康診断講座活動

中国にあるKCWは、合成樹脂の製造、販売、技術サービス及び研究開発をしています。KCWの2015年4月度の環境安全月間テーマである「従業員健康月」の一環として、全社員が健康診断を受診しました。
2014年に引き続き、4月28日に健康診断を受診した医療機関の専門医師が来社し、社員の健康診断結果について、健康診断項目の内容説明を受けた後に、各人の質問に答え、指導をしていただきました。
社員一人ひとりが日常の生活改善、健康への取り組みを再認識することができました。引き続きこの取り組みを継続します。

  • 安全体験教育
  • 安全体験教育

安全体験教育のさらなる充実へ
厚和産業株式会社の取り組み

厚和産業は、主に厚狭工場の製造業務を請け負っています。安全を最優先する方針のもと、安全の大切さを身体全体で感じてもらう機材を作成し安全体験教育を行っています。
2010年、チリのコピアポ鉱山で作業員33人が生き埋めとなり、69日後に奇跡的に全員が救出された落盤事故がありました。その作業者に生まれた子どもにつけられた名前が「Esperanza (エスペランサ・希望)」という報道があり、その言葉を機材に命名しました。
製造現場は常に危険と隣り合わせで作業しており、私たちはいつも、安全教育をはじめ、事故災害事例やヒヤリハットから学び安全に対する知識を高めています。そこで、エスペランサを用い、実際に危険を疑似体験し、事故の怖さと安全作業の重要性を再確認してもらいます。同時に、工具の正しい使い方や、器具・部品の名称のような基本的なことから、未然防止策や事故後対応などについても実習することを目的としています。
これらの安全体験機は手作りしました。また、安全体験室は遊休居室を改造し塗装を施し、使用していない作業台や備品等は塗装したりして、すべて手作りで再利用しました。
安全体験機で学習することは、危険を再認識でき、新人だけでなく熟練社員にも勉強になりました。現在では9種の安全体験機を揃え、他事業場でもこの機材が活用され、横展開を図っています。日本化薬グループの安全操業の一助となれるよう、これからもさらなる充実を図り安全人の育成に努めていきます。

  • 巻込まれ体感機
  • 巻込まれ体感機

ボラテクノ
巻込まれ体感機の教育

ポラテクノでは「巻込まれ事故」の撲滅を目的に2012年11月に体感機を作成し体感教育を実施しています。導入時には工場に勤務する全員を対象に教育を行い、その後も毎年、新入社員教育とニップロール装置に従事する従業員を対象に教育を実施しています。内容は、過去の当社における巻込まれ事故の再現と事故を未然に防ぐ光電管センサー、緊急時の非常停止ボタンとロープスイッチの起動操作、近接センサー機能を使用しての巻込まれの体感を中心に行っています。
過去、当社では巻込まれによる休業災害が2件発生していますが、2014年度の厚労省統計では製造業で180件の死亡労働災害が発生し、その36%に当る64件が挟まれ・巻込まれ事故です。産業界全体でも1057件の発生で内14%に当る151件が挟まれ・巻込まれ災害で製造業では重篤度が高く発生件数も多い重要なものです。
当社では、2015年度より「安全意識の再強化」をテーマにあいさつ運動、相互注意、本部長方針に基づく現場巡視指導等の活動も展開中です。今後もPDCAを回し企業活動の基盤となる安全に対する意識の高い会社の気候風土づくりを推進します。

  • 2015年度優良危険物関係事業所消防庁長官表彰状

厚狭工場
2015年度優良危険物関係事業所消防庁長官表彰を受賞

厚狭工場は2015年6月8日に優良危険物関係事業所消防庁長官表彰を受賞しました。
この表彰は、自主的かつ積極的に危険物の安全管理の推進に努めるとともに危険物の保安に関する行政の取り組みに協力し、国民生活の安全保持に顕著な功績があった危険物関係事業所を消防庁長官が表彰することにより、今後も危険物関係事業所における自主保安体制の確立と消防行政の円滑な推進に資することを目的としています。
厚狭工場では、こうした目的を達成するために、組織面の保安管理として過去の事故事例等の共有やデータベース化等を図り、グループ会社や他社の災害事故事例を基に類似災害に対する水平展開を行うとともに、2回/年(防火訓練)、1回/年(防災訓練)の訓練を行い、有事が発生した際に迅速な対応が可能となる取り組みを行っています。
また、火災予防週間、危険物安全週間等を通じて危険物施設の位置、構造、設備並びに危険物の取扱い方法に係る保安上の措置や従業員全般に対する保安教育を徹底するとともに、保安に関して積極的な熱意を持って、関係法令の違反等がないことが認められ、今回表彰されるに至りました。

  • 高崎工場 野火火災消火活動で高崎市より表彰

高崎工場
野火火災消火活動で高崎市より表彰

2015年7月28日、高崎工場自衛消防隊が近隣野火火災の初期消火活動に尽力したとして高崎市長より表彰されました。
野火火災は、2015年4月26日 高崎工場に隣接する井野川の土手から出火しました。通行人からの通報を受けて緊急招集された従業員数名がポンプ車で現場に駆けつけ、公設消防隊より早い初期消火活動によって無事に鎮火させることができ、被害を最小限に抑えることができました。
高崎工場と高崎市等広域消防局は、以前より近隣火災の消火協力に関する協定を締結しています。今回の表彰では消火活動の活躍に加えて、地域社会との連携強化に対する取り組みが評価されたものです。

  • 宣言ポスター
  • 宣言ポスター

交通事故ゼロに向けて
化薬(湖州)安全器材有限公司(KSH)の取り組み

中国にあるKSHは、2006年に設立した自動車安全部品を製造している日本化薬グループの会社です。
2014年に、KSHでは14件の交通事故が発生しました。車通勤者の人数が年々増加するにともない、交通事故も増える傾向になっていました。軽微な事故の増加は大きな事故発生につながります。
2014年12月2日、中国での"全国交通安全日"に、安全環境室が中心となり、新たなプログラム「交通安全宣言」を組み入れ、全社安全教育を実施しました。「交通安全宣言」とは、『7条の違法行為※9をしない。安全に法規を守って運転する。』というスローガンです。
安全環境室からは、さらにKSHの交通事情に合わせて、『運転中の電話・喫煙をしない。急な右左折や進路変更をしない。前後車両に注意する。適切な速度で走行する。早目にライトをつける。追越し時に注意する。』の6項目を追加しました。
この宣言を全員が守るよう、全従業員が教育を受け、宣言内容を読み合わせ、宣言ポスターにそれぞれ自分の名前をサインし誓いました。最後に、サインしたポスターを会社入口の目立つ位置に掲示し、従業員に毎日意識づけを行いました。
KSHでは、2015年度の全社安全方針・目標にも、交通安全宣言の不遵守がないように目標を設定するとともに、安全環境室が出勤退勤時のシートベルトとヘルメットの着用、スピードの出し過ぎがないかなどを毎月2回以上チェックしながら、違反行動を根絶しました。
結果として、KSHの交通事故は、2015年度はゼロとなりました。

  • ※9【7条の違法行為】スピード違反、過積載、飲酒運転、薬を服用しての運転、信号無視、緊急車道の通行、横断歩道を無視

日本化薬福山
レスポンシブル・ケア賞努力賞を受賞

2015年5月27日、一般社団法人日本化学工業協会(日化協)の定時総会において表彰式が行われ、(株)日本化薬福山がレスポンシブル・ケア賞(RC賞※10)努力賞を受賞しました。「安全確保の基本:『指差呼称』の定着に向けて」をテーマとして、安全確保の基本動作である指差呼称活動に地道に取り組んでいることが評価されました。

  • ※10【RC賞】RC活動の普及や充実に貢献した個人、またはグループに対して表彰されるもの。
  • 労組との環境安全衛生(統合)診断

労組との環境安全衛生(統合)診断

日本化薬各事業場および一部のグループ会社に対して、年間計画に基づき、環境安全衛生診断を品質診断と一緒に統合診断として実施しています。この診断には、日本化薬労働組合からも参加しています。
診断では、被診断事業場やグループ会社の環境安全衛生方針・計画に対する進捗状況の確認、活動の実績などを会議、書類、現場巡視を通じて把握し、労働組合側からの視点でも問題点等を指摘し、全社的な安全衛生レベルの向上を図っています。

  • 安全衛生研修
  • 安全衛生研修

労働組合との安全衛生への取り組み

日本化薬労働組合では、毎年、"レベルアップセミナー[安全衛生]"と称して、各支部から参加者を募り、会社との共催による安全衛生研修を行なっています。
2015年度は、安全体感設備での実体験による外部研修に参加しました。また、本社環境安全推進部による「気づき力を向上し、過去の事故から安全対策を学ぶ」と題した講演を行ないました。さらに、研修参加者の観点から、各支部(事業場)の安全衛生活動の問題点を抽出し、安全衛生に関する情報交換と自事業場の問題点の改善に向けたグループ討議も行ない、安全衛生意識の高揚を図りました。

事故災害への対応

1. 火災への対応
日本化薬の各事業場では火災に備えて消防車、消火栓および化学物質用の消火器を設置しています。また実地訓練のほか、地域の消防競技大会に参加し好成績をあげています。
2. 自然災害への対応
全ての事業場ごとに地震をはじめ自然災害に備えた「社員の防災(地震)手引き」を整備し、全従業員に配布しています。手引きには、地震が起きたときの緊急行動、安否確認の連絡方法、交通機関が不通のときの代替帰宅手段等が記載されています。
地震等の災害時の社員の安否確認は、インターネットのメール機能を利用した通報連絡システムで実施しています。地震等の災害発生時、災害対策本部からの指示で社員にメールを送付し、社員が簡単な操作でメールに返答することにより安否を集計することができます。日本国内で震度6以上の地震が発生したときには社員の安否確認を行うことになっています。

化学物質の管理

世界的な化学物質管理強化の動きの中で、国内外の化学品関連法令を遵守すること、お客様からの製品含有化学物質に関するご要望に的確に対応していくことが、ますます重要になってきています。

機能化学品事業本部内に設置されている化学物質管理室では、各国化学品法規制動向をいち早く把握して各事業部門、国内外の製造部門に対応を促すとともに、化学品関連法令の教育プログラムを提供し、化学品コンプライアンスに努めています。

また、機能化学品研究所内に化学物質管理室の駐在を配置し、製品の安全性、法適合性確認を開発段階から徹底するようにしております。

2016年度も引き続き欧州のREACH規則※11やCLP規則※12、世界各国の新たな化学品法規則や法改正への対応を確実に推進していきます。

  • ※11【REACH規則】(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals) EUにおける化学品の登録・評価・認可および制限に関する規則。
  • ※12【CLP規則】(Regulation on Classification, Labelling and Packaging of substances and mixtures) GHSをベースとしたEUにおける化学品の分類、表示、包装に関する規則。

GHSへの対応

GHSラベルの一例 GHSラベルの一例

各国のGHS※13導入に伴い、現地法令・規格に適合したSDS※14を現地語で提供することが求められるようになっています。機能化学品事業本部では豊富な対訳、各国法規データ、物性・毒性データを装備したSDS作成システム(MSDgen)を導入し、現地法令・規格に適合したSDSを提供しています。

また、SDSおよびその提供履歴についてもデータベースを利用して管理を行い、常に最新の情報を提供することを心がけています。

  • ※13【GHS】(Globally Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicals) 化学品の分類および表示に関する世界調和システム。
  • ※14【SDS】(Safety Data Sheet) 化学物質安全性データシート。
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